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プロローグA-ある世界のニューヨークにて

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(2012/02/15)
オムニバス

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 修正版。分割しましたので、とても短いです。

 右足をアスファルトに叩きつけた。筋肉をバネにして、全身を前へと突きだしていく。すかさず、左足で地面を蹴りつける。その動作を繰りかえしているうちに、心臓が沸騰してきた。社会人となってからもフットボールを継続しているのがラッキーだ。パニックに陥っている群集をかきわけながら、俺はマラソンをしている。捕まれば消されてしまう、命がけのサバイバル。少しでも遅れた人たちは、化物どもに喰われてしまう。背後から、いくつもの悲鳴が弾けた。スーツを脱ぎすて、ネクタイを緩めて、俺は生きのびるために走りつづける。

「これは悪夢なのか? まるで、ホラー映画じゃないか!」

 そう漏らしていた黒人男は、背後から怪物に抱きつかれた。古代のエジプト兵が、そのままミイラとなったようなヤツらだ。男が悲鳴をあげながら、黄金色に輝きだす。その肉体が、砂金を固めたような形状へと変化していった。それは粉状に分解され、すぅーっとミイラ・ソルジャーの口へと吸いこまれていく。恐怖の光景が、あたり一面で展開されている。無数の死霊兵が、空を闊歩しながら人間たちを狩っている。まるで地獄としか表現のしようがない光景だ。タクシーにへばりついているヤツが、俺に向けて奇声をぶつけてきた。恐怖が足元から這いあがり、反射的に駆けていく。

 これが、21世紀のニューヨークで起こっていることなのか。午後9時をすぎたあたりに、化物どもが湧いてきやがった。どこから発生したのかは分からない。老若男女かまわずにパニックになるも無理はないだろう。発砲している警官を目にしたが、こいつらには通じないようだ。ミイラ兵は自動車にも入りこみ、事故を起こさせている。目前で、バンがビル壁に衝突した。轟音が混乱を加速させていく。ビルにも死霊がへばりついている。逃げようとしたけど、ついに囲まれてしまった。いやだ! 未婚のままでは、死にたくはないんだ!

「なんだ、あれは!? 空から、ふわりと降ってきたぞ!」

 近くにいた東洋人が、ふるふると指を向けている。騒然とした空気が、次第に静まっていく。もっとも、群集のほとんどは、ディナーとなったわけだが。街灯の上に、少女が立っていた。この惨状に、主が天使を遣わしてくれたのだろうか? そう考えてしまうほどの異貌であった。ブラック・ホットパンツから伸びた脚に、目が惹かれてしまう。人間ではありえないような質感に、白肌がキラキラと輝いている。顔や手も同様だ。そのせいで、彼女が人でない何かに感じられてしまう。ブラウスの上からは、赤いネクタイをさげ、魔法使いが好みそうなベージュのローブを纏っている。

「安心してください。死霊どもは、俺が倒しますから」

 桜色の唇が、そおぅと開いた。妖精さんをイメージしてしまう清廉な声だ。その割には、どこか少年ぽい口調をしている。黒髪に隠れているせいか、表情が伺えない。幼さにあふれているが、美しい造形をしている。夜闇を押しのけるように、少女が両腕を広げた。ぽわりと、玉虫色に輝くものが浮かびあがった。バスケット・ボールぐらいの大きさをした球体だ。彼女の周囲で、それらが際限なく数を増していく。ワンダフル! ビューティフル! ナイト・シティは虹色に染めあげられた。

 弾丸のごとき勢いで、それらが発射された。包囲網を築いていた死霊群が、撃たれて消滅していく。一瞬で肉体が蒸発しているようだ。その事実を認識するまでに時間がかかった。やはり、彼女は主の遣いであろうか。両手を握りあわせて、すがるように祈ってしまった。

「遅すぎたみたいだね。早く来ていれば、たくさんの人を助けられたのに」

 ぽんと、少女が歩道に着地した。身長は150cmすぎといったところか。赤いカチューシャーでショートボブを飾っている。大袈裟な言いまわしになるが、宇宙の深遠を想起させるような黒髪だ。はっきりと顔を上げて、両目を開きはじめた。美しい顔だと見蕩れてしまうのは一瞬のことで、大いなる恐怖に包みこまれた。なんという瞳をしているのだろう。邪悪を凝縮させたヘドロが渦巻いているようだ。目が合うだけで、異形蟲の大群に侵食されたような気分になる。

「バ、バケモノだっ!」  「こいつもバケモノだ!」  「殺されるぞっ!」

 おっさんたちが叫び、慌てて逃げだした。助けてもらって勝手だと思うが、気持ちは理解できる。少女からは、キラキラと黒粒子が漏れている。見てしまった。口元が歪に笑んでいたところを。瞳にときおり、赤みが差していく。白磁人形のごとき頬が濡れている。畏怖を流しつづけているが、その眼差しは悲しそうであった。夜空では、白雲がのんきに泳いでいやがる。滝のような汗を拭った。サンキューと呟いたときには、彼女は消えていた。



 目を覚ました頃には、地平線から朝日が覗いていた。瓦礫の下から這いでると、ボロボロになったシティが視界一面に広がっていく。空襲を受けたかのように、街は破壊されつくしている。ビルは崩壊しており、道路には壊れた自動車が転がっている。辛い光景だけに、日光が優しく感じられた。あれは悪夢でなく現実だと認識せずにはおられない。思いだす。ミイラどもに追われた俺は、不思議な少女に助けられた。その後、さらに信じられない光景を目にしたんだ。摩天楼を超えて、巨大なサタンが立ちあがった。まるで、怪獣映画だ。そいつが暴れまわり、無人と化したニューヨークは壊されていった。逃げまわっていた俺は、途中で意識を失ったように思う。

 これからの合衆国はどうなっていくのだろう。経済の中枢地区がこうなってしまったからには、ただでは済まないはずだ。一介のコナミ社員が考えても、どうにもならないか。生存者は尋問を受けるだろうが、ありのままに事実を話すと精神病院に放りこまれてしまう。仕事もどうなるのだろうかと、不安が膨らんでいく。あの少女は何者であろうか。うーんと背伸びをし、俺は歩きだした。今は、生き残れたという奇跡に感謝しよう。





【プロローグBに続く】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

視点が二回変わったね。社会人の男とダルク、悪くはないけど、1人称を切り替えるなら話は分けた方がいい。これをプロローグとしてこれだけ3人称にする手もある。今のままだと視点の切り替えが分かりにくい。話というのは基本区切りを付けない限り視点を変えないもの。これが最後の指摘かな。
第8期カードフォーマットどう思う?個人的に7期のフォーマットが好み、3~6期の延長という感じでかっこよく、理由としてもドラゴエクィテスやシューティングスターなどのテキスト量の関係から納得はいったのだが、今回はあえて変える理由が見当たらない。特にテキストの短いカードは違和感が凄い。見やすいというが大きすぎ。レベルの部分も窮屈。テキストの長いカードは全体的にそこまで違和感ないが(特にエクシーズ)。

No title

 majesticさん、アドバイスありがとうございます。

 視点が2回も切り替わったのは分かりにくいですね。故に、最後の段落を削りました。無くてもそれほど困りませんし。男の視点は、別キャラからのダルクの印象を描いた感じかな。CROSS-1でダルクの姿について他視点から描いていましたが、修正するにあたって、それもばっさりと省きます。プロローグも2つに分けてみようかな……。

 次回では、ダルク視点→遊星視点という変更がありましたが、工夫してみます。

 第8フォーマット。そんなに変わるのかなと思いつつ、確認しました。文字が大きくなりましたが、改行の具合が悪い気がします。違和感ばりばりです。本当にアニメオリカみたいな状態ですね。
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