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プロローグB-デュエル・スタンバイ!

遊☆戯☆王 10th Anniversary Animation Book (Vジャンプブックス)遊☆戯☆王 10th Anniversary Animation Book (Vジャンプブックス)
(2010/01/21)
Vジャンプ編集部

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 プロローグは分割しました。

 ボクが住んでいる宇宙からは、遠く離れているという。似ているようで異なるアナザー・ワールドでは、大惨事に覆われていた。ミイラたちが人間を喰らいつくした結果、この世界のニューヨークはゴースト・シティとなった。急いで助けにいったものの、遅すぎたようだ。生存者たちから、バケモノという言葉をぶつけられた。胸をえぐられた気分になってしまう。ボクは人間じゃないから仕方がないんだけどね。サンキュー。お兄さんが届けてくれた、お礼の言葉に救われた。

 死霊があふれたせいか、心地よい空気だ。こんなに悲劇があふれているのに、人間どもが消されているのに、胸が躍ってたまらない。高層ビルの屋上に着地。そのまま、次のビルに向かってハイジャンプ。冷たい夜風をきりさいて、空を舞っていく。最高の気分だよ。さっきの白人男性は優しそうな顔だったなぁ。

「ダルク・ウェイトリィ、急ぐんだ。死霊なんて、たんなる雑魚にすぎない。いくらでも生みだされる存在だ。そいつらを放っている親玉は、もうすぐ先にいるよ」

 ボクといっしょに跳躍をくりかえしているのは、ウルタールの黒仔猫。周囲の者たちからは、ウルタールと呼ばれている。猫といっても、猫らしくない外見をしている。まず、ヒゲが生えていない。胴体よりも大きな尻尾に、くりくりとした赤眼。背中には赤いリングが描かれている。ナイアーラトテップという旧支配者の使徒である。ボクを、この世界にまで連れてきたんだ。

「ダルクは、やっぱりヨグ・ソトースの仔だね。どんなに優しくふるまおうとしても、本質的には邪悪極まりない存在だ。その証拠にね。この光景を目にして、とても嬉しそうじゃないか」

 子供っぽい声で、胸内を突いてくる。ウルタールは表情が変わらないから不気味だ。自覚があるから、反論もできない。ゴゴーッと、前方から轟音がぶつかってきた。摩天楼を超えて、魔神が立ちあがった。憎しみいっぱいの三眼がシティを見おろし、不気味に哂っている。巨顔の両側からは、羊型の大角が伸びている。鋭い牙がむきだしになった裂口。腰にはグロテスクな竜が巻かれている。これが元凶なのか。まがまがしいオーラが迫ってくる。

「大邪神ゾーク・ネクロファデスだよ。ある世界で生じた闇の集合体といったところかな。すべての破壊をもくろむ悪いやつだ。異世界を渡っては、死霊兵を使って人間たちからエナジーを集めているんだ。ボクたちナイアーラトテップにも手に負えない困ったさんになっている」

 筋骨隆々とした肉体をふりまわし、周囲のビルをデストロイヤー。瓦礫と粉塵が舞いあがり、街が壊されていく。やりたい放題にやりやがって。ローブを脱いで、ウルタールにかけた。ノースリーブのブラウスだから、肩がすいすいと軽い。パチンと指を鳴らして、虹色球体を顕現させていく。その数がネズミ算式に増していき、ゾークの視線を惹いた。もう遅いよ。気づいた頃には、【ヨグ・ソトースの眼】は千を超えているんだから。手をふりおろし、一斉発射!

「君には容赦しないからね! 死んじゃえっ!」

 ガトリング砲撃のごとき連射。球体群がゾークに撃ちこまれ、その肉体を穿っていく。大爆発をあげて、ゾークの重低音な悲鳴を誘う。相手をこんなに苦しめるだけで、ハラハラと胸が躍るんだなぁ。あははっ。自然と笑いが漏れてしまう。全身から煙を噴きあげながら、ゾークは膝を崩していった。

『お兄ちゃん、怖くなっていますよ。やめてほしいのです』

 おそるおそるといった感じで、心中にいる妹が呼びかけてきた。ウルタールが教えてくれた、ナイアーラトテップすらも手に負えない巨悪。異世界を回っては人間を食べているという。思ったよりも、あっけなかったね。ヒータが頼るまでもないや。

「ダルク。得意気になっているところ悪いけど、君はゾークの恐ろしさを分かっていないよ」

 空中高くに、巨大な砂時計が現れた。ぐるぐると急速回転をし、ぴたりと停止する。さらさらと管中を降りていく砂。ゾーク・ネクロファデスが輝きはじめ、むくりと起きあがった。その肉体からは、傷が綺麗に消えている。回復を遂げたのか。そんな……。

『調子の乗るなよ、小娘が。真なるカタストロフを見せてくれよう!』


『ゾーク・インフェルノ!』


 ゾークが真紅に染まりきり、全身からエネルギーを解放した。空気が激しく波打っている。腰に巻かれたドラゴンが叫びあげる。あまりの眩しさに、右手で目をふさいだ。核兵器が暴走したかのようだ。吹きあげられた瓦礫が熱風に乗せられて、ボクに迫ってきた。レインボー・バリアを広げるも、そのまま遠くに飛ばされてしまう。なんという威力だ。これが大邪神の力なのか。



 目蓋を開けると、ニューヨークは炎に包まれていた。あらゆる建物は半壊し、戦場跡のような風景を描いている。引っくりかえされている自動車。ボクはコンクリート塊にもたれている。痛覚のないボクでは実感できないけど、全身のあちらこちらが傷ついているようだ。衣服もボロボロ。虹色の泡が湧いていき、壊れた部分が修復されていく。ふぅっと息をついた。この瞬間が、とても気持ちいい。ボクもアイツと同じ、不死身のバケモノなんだ。

「旧支配者ヨグ・ソトースの仔か。なるほど、人間とは違うわけだ」

 ゆらめく紅蓮の彼方に、男が立っている。豪華な装身具に飾られた、古代エジプトの衣装。ミイラたちの仲間だろうか。ウジャトが刻まれた、黄金の逆ピラミッド。胸に下げられたそれが、不気味に光っている。ヒトデを連想させる奇妙なヘアー・スタイル。狂気に歪みきった双眸が、ボクの全身を舐めまわしてきた。この特異体質に興味津々といったところか。

「君は誰なの?」

「人々からは、暗黒のファラオと恐れられている。真名は教えてやらないが、この肉体は武藤遊戯という男のものだ。大邪神ゾーク・ネクロファデスの主と、自己紹介してやるぜ」

「ニューヨークの人たちが犠牲になったのも、君の仕業なの?」

「ゾーク・ネクロファデスを強くするためにな。餌になってもらったよ。面白いだろう? 貴様には、大いに興味がある。洗脳をくだして、我が手下にしてくれよう」

「そんな……。人間を犠牲にするなんて許せないよ!」

 コンクリート塊が車道へと落ちた。ガシャンという音を弾けさせる。ゆったりと足を進めながら、ファラオが近づいてきた。鎌状に広がった口から、くつくつと笑いが零れている。その背後では、ゾーク・ネクロファデスが巨体を浮かべていた。あまりにも大きなダメージを受け、ヨグ・ソトースの眼を撃つには時間がかかるようだ。吐息が熱い。闇瘴気が濃厚となり、少しだけ興奮してきた。

「許せない? その割には、ずいぶんと楽しそうじゃないか。さぁ、マインド・クラッシュの時間だ」

 ファラオが手を伸ばしてきたとき、ウルタールがボクの前に着地してきた。ぴょこん。大きな尻尾をゆらゆらさせている。ブラック・ホールを連想させる真黒のボディ。ぬいぐるみのような愛らしい顔から、たんたんと言葉を放つ。

「君はゲーム好きだと聞いているけど、本当なのかい?」

「あぁ。ただし、闇のゲームがな」

「ならばね。君にゲームを挑みたいけど、いいかな? ゾーク・ネクロファデスはいずれ、ボクたち旧支配にとっても厄介な存在となる。できるだけ早く処理をしておきたい。まともに戦えば、災害は大きくなる一方だ。ここは穏便にゲームでケリをつけようじゃないか。君の大好きな闇の決闘でね」

「ナイアーラトテップが俺に挑むだと? よかろう。このまま貴様らを潰してもいいのだが、退屈していたところだ。興が乗ってきた。ただし、ゲームの内容は俺が決めさせてもらう」

「ダルクにとっても、ゾーク・ネクロファデスを許しておけないだろう? このままだと、被害者が増えていくばかりだ。そんなのは、ダルクにとっても嫌でしょ? ボクと契約して、ゲームに参加してもらうよ。いくたもの世界を救うために。もちろん、断らないよね?」

 無表情のままに、ウルタールがふりかえってきた。紅眼でじっとボクを見据える。こくんと頷いた。ウルタールが闇空に向かって、けたたましく哄笑をあげだした。ケラケラと。ゲラゲラと。

「ゲーム内容はRPGだ。戦闘方法はデュエル・モンスターズ。さぁ、ゲームを始めるぜ!」

 ファラオが放った。宇宙を越えた異世界にまで連れられたボクは、そこで起こっている事実を突きつけられ、ファラオとのゲームに参加することになった。ある世界を舞台にした、大いなるRPGに。ゾーク・ネクロファデスがボクのいる世界にまで侵略してくれば、とりかえせない大惨事になるだろう。そんなのは嫌だ。だから、ボクは戦おうと決意した。



『RPG開始!』



 ウルタールに連れられて、RPGの舞台となる世界に着いた。芝生が広がる緑地公園。茂る木々の向こうには、近未来を思わせる高層ビルディングが群れていた。がやがやとして、とても賑やかだ。青空から注がれる陽光に、そふそふと触れてくる微風。うん、気持ちがいいね。ネオ童美野シティかぁ。ボクがいた世界と比べても遜色ないほどに文明が発達しているようだ。

「俺のターン、ドロー。《切り込み隊長:攻撃力1200・Lv3》を攻撃表示で召喚。さらに、手札から《レアメタル・ドラゴン:攻撃力2400・Lv4》を攻撃表示で特殊召喚するよ」

「げぇっ! レベル4で攻撃力2400かよ。ディック、やるねぇ」

 目を惹かれてしまうのは、精巧な立体映像を使用してのトレンディング・カード・ゲーム。デュエル・モンスターズが生活に密着するほど流行している世界だ。プロリーグも成立しているという。ボクのいた世界にもTCGは存在した。親友であるアウスといっしょに、よく遊んだものだ。高価なマシンまで使うとは、カルチャー・ショックだけど。これならイメージする必要すらもなさそうだ。

 RPGの内容は簡単だ。ファラオが手下を送りこんでくるので、デュエル・モンスターズで倒さなければならない。どんどん強敵が表れて、最後にはファラオ自身が待ちかまえている。決闘でゾークを倒す。というわけで、デュエルについて学ばなければならない。ルールブックやカードリストは一通り暗記したけど、実戦で鍛えなければならない。デュエル・ディスクと基本デッキ、この世界で通用するマネーは初期装備として貰えた。RPGの基本らしい。パックを買ったり、カードを手にいれたりして、自分に合うようにデッキを強化する必要があるなぁ。

 とりあえず、その辺の人たち相手に練習してみよう。みんな、いい人そうだ。でも、バケモノ扱いされるんだろうな。怪訝な視線が、ぽちぽちと刺さっている。まともに相手してもらえるのか不安になってきた。ベンチに向かって歩いているうちに、ボフッ。怖そうなお兄さんにぶつかってしまった。考えごとに耽っていたボクが悪い。ソーリーと謝罪する。

「ちんたら歩いているんじゃねぇぞ、小娘が! デュエルに負けて機嫌が悪いんだ」

 どうしよう。いきなり、不良みたいな人に絡まれてしまいました。




【プロローグ終了-デュエル・スタンバイ!】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

プロローグAに一介のコナミ社員とあるけど付箋だったりする?
なんか鷹栖が早くから出てきたけどお気に入り?
大まかなデュエルの順序は変えなくていいけど、やっぱり初めからダークネス相手はキツかった気もする。その前に誰か重要なキャラ1人と戦ってデモンストレーションした方がいいかも知れない(理論だけじゃ勝てないことを学ぶ)。それで負けてその人からカードを貰い、そのカードがダークネス戦に生かされるとか。

追加です。このプロローグの作りなら、クリボー、ハネクリボーは暗黒のファラオからのRPGへのチケットとして渡されたほうが自然な気もする。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 コナミ社員は何となく。伏線かもしれませんが。鷹栖イベントは早めに処理しておきました。

 CROSS2~3の間に1週間ほど時間が経過し、ダルクが裏で実戦練習を積みます。VSダークネス戦はダルクがヨグ・ソトースの仔と覚醒&暴走するような展開で勝たす予定です。遊戯王によくある超展開です。
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