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CROSS-3 真実を語る者 トゥルーマン

FREEDOM (TVアニメ「遊戯王5D’s」OPテーマ)FREEDOM (TVアニメ「遊戯王5D’s」OPテーマ)
(2009/09/02)
La-Vie

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 修正を再会します。修正版CROSS-2の続きです。

 はっきりと目を合わせたときには、殺されるかと思ったよ。異様な瞳をしているんだ。グロテスクな黒蟲をぎゅうぎゅうにつめこんだというか。それが混沌と蠢いている。まぁ、そんな感じだな。可愛い女の子に話しかけられたと喜んでいたが、そんな浮かれ気分もすぐに吹っとんだ。俺たちは、一目散に逃げた。足が上手く回らず、俺はつまづいてしまった。そのまま仲間は走っていったが、怒ってはいないよ。状況が状況なわけだし。ダルク・ウェイトリィと名乗る少女が追ってきて、死ぬ覚悟を決めた。恐怖のあまり、漏らしそうになった。がくがくと震えていたけど、何も起こらない。そぉっと両目を開けたら、ハンカチを差しだしていたんだ。とても優しそうな表情をしていたよ。

「吃驚させちゃって、ごめんなさい。デュエルしたいから、話しかけてみたけど……」

 アスファルトにぶつけたせいか、右腕を擦りむいていたようだ。安心すると、じんじんと痛みを覚えてきた。ダルクちゃんは、血を拭ってくれた。怖いという気持ちは治まらないけど、いやされる気分もしてきたんだよなぁ。不思議だ。ついつい、頭を撫でてしまった。

「はわわっ! お兄さん、何をするんですか!?」

 ケルベロスかと思えば、可愛い仔犬だったよ。俺はロリコンじゃないけど、こんな妹がいたらいいなって……妄想してしまった。それが始まりかな。デュエルをしてみたけど、やっぱ初心者だった。構築済みデッキを、そのまま使っていたよ。決闘本を読みこんでいるのは分かるけど、俺だってストリート・デュエルで鍛えあげられているんだ。容赦なく連勝していった。ダルクちゃんは飲みこみが、すっごく早い。まるで掃除機のようだ。敗北しながらも、俺の戦法を吸収していった。毎夕に会ってデュエルしていたけど、日毎に強くなっていく。説得して、ダチも呼びこんだ。俺と出会ってから5日目。ダルクちゃんは初勝利をしたんだよっ! 感動的だったなぁ。もちろん、手を抜いたりはしていないぞ。俺だって、決闘者としてのプライドがあるからな。

 ダルクちゃんは、人間じゃなかった。悪魔として産まれてしまった、心優しい少女なんじゃないかなぁ。ダークな気配に当てられつづけたせいか、俺たちは倒れてしまったよ。それが原因だと思う。もう、彼女は来なくなった。コツをつかんだのか、勝率を上げてきていたのに。



「以上、ディックさんからの取材結果でした。ストリート・デュエリストたちの間では、話題沸騰なのかしら。ダルク・ウェイトリィは神出鬼没に現れては、あちらこちらの決闘者に挑んでいたみたい。証言をまとめると、伝聞だけでも強くなっているのが実感できるわ。それにしても、どこに泊まっているのかしらね? 片っ端からホテルに聞きこんでいるけど、彼女は見つからないの」

「そういえば、『KURUMIZAWA』の店長さんからも話を聞けたわ。黒サングラスのでっかいオジさん。ダルク・ウェイトリィがショップに入ってきたとき、動くドールと勘違いしたらしいの。ほら、ピケルやらブラマジ・ガールと、フィギュアがたくさん陳列されているでしょ? へらへらと喜んだのは一瞬で、やっぱり怖くなったみたい。請われるままにカードを売ったらしいけど、不思議な話があるのよ。その場で、彼女がパックを開けたみたい。そして、クリボー・シリーズを当てたの」

 向かいに座っていたカーリー渚が、どどーんと迫ってきた。ぐるぐる眼鏡が渦描き、その奥から両瞳がキラキラと輝いている。白テーブルに置かれたアイス・カフェオーレが、静かに波を立てる。ウェイトレスのステファニーが、一瞬だけ視線を向けた。小首を傾げて、すぐに店内へと戻っていく。「CAFE LA LGEEN」には、他の客はいないようだ。

「クリボーの入っているパックは入荷していないはず。そう言っていたのよ。でも、店内に置いてあった。《クリボー》なんて、伝説級のレアカードなのにね。ダルク・ウェイトリィは嬉しそうに跳ねていたらしいの。あまりの愛らしさに、店長さんは《白魔導士 ピケル》や《ぷちピケル》をサービスしたらしいわ。正気を喰われかねないほどの恐怖と、天真爛漫な笑顔をふりまく美少女。ダルク・ウェイトリィ。不思議よねぇ。私も会ってみたいよ」

「そうか。ダルク・ウェイトリィに出会ってから15日目。君のおかげで、彼女の軌跡を知ることができた。ありがとう。情報が入ったら、また頼むよ」

「いえいえ。遊星さんこそ、情報を提供してくれて、ありがとう。ルアくん、怪我もなくてよかったね。自動車にぶつけられて平気とは、ダルク・ウェイトリィは丈夫すぎる。噂によれば、数百メートル先にあるカードを判別するらしいの。人間離れした視力だわ。本当に何者かしら?」

 別れの挨拶を交わして、俺は喫茶店から去っていった。こっそりと話を聞いていたのか、ステファニーが考えこんでいる。彼女にも訊いてみたが、ダルクを化物扱いしていると抗議されてしまった。かわいそうか……。おそらくは、特異体質により恐怖を漏らしているのだろう。どこか、アキと似ている。アンドレとのライディング・デュエル中に、大きな異変を感じた。シティで何かが起ころうとしている。ダルク・ウェイトリィが深く関与しているはずだ。彼女と再会して、事情を訪ねたい。



 あれから、2週間ほどか。研究の合間に、ダルクという少女を探している。鈍鉛色の雲が、ゆったりと大空を封鎖している。重々しい向風に溜息をつきながら、D・ホィールを進めていく。一般道からは、行き交う人々が見える。アーク・クレイドルが降りてきた事件が忘れさられたかのように、街は平和に満ちている。未来にまで守っていきたい。それがゾーンやブルーノと交わした誓いだ。

 じんじんと、右腕が熱くなってきた。痣が赤光している。鼓動が駆足を刻んでいく。暗黒の気配が、周囲一帯を包みこんでいく。通行人たちが、次々と倒れていった。闇に虫食まれているように苦しそうだ。空間から裂け目がすーっと開いた。2つの手が伸びてきたかと思えば、戸を開くように裂け目を広げていく。黒ずくめの男だ。黒髪をオールバックに整えている。サングラスをしているために、表情がはっきりと伺えない。とっくにD・ホィールを止めていた俺は、そいつへ視線を釘付けにしていた。こちらに気づいたのか、顔を向けて、口元だけで不敵な笑みをつくってきた。

「ほぅ。君が伝説のシグナー、不動 遊星か。まずは自己紹介をしよう。真実を告げる者、さしずめトゥルーマンとでも名乗っておこうか。君たちからすれば、はるか未来世界から来たものだ。理由は不明であるが、この時代へのゲートが開いた。この世界は、大いなる力に溢れている。ダークネスを広げるには、最適の場所だ。全ての空間、全ての時間をダークネスにより埋めつくす。そのためにも、まずはシグナーを取りこもう。さぁ、ライディング・デュエルの準備を始めたまえ」

 たんたんとした説明口調。漆黒色のカードが無数に集合して、D・ホィールを成していく。ブラック・ヘルメットをかぶり、トゥルーマンがデュエルの準備を始めた。赤き竜により守られた俺は平気であるが、街の人たちは呻きこんでいる。こいつを倒さなければ。

「十代さんから、少しだけ聞いたことがある。ダークネス。世界を闇に沈ませようとした存在か」

「いかにも。過去に世界をダークネスで包みこもうとしたが、遊城 十代により阻まれてしまった。ダークネスは消滅したが、心の闇は尽きないものだ。長い時間をかけて蘇ることができた。この時代へのゲートが開いたのは幸いだ。シグナーだけでなく、大いなる力を感じる。どうやら、ヨグ・ソトースの仔が紛れこんでいるようだ。ダークネスへと吸収すれば、闇は果てしなく拡大するであろう」

「ヨグ・ソトースの仔? いったい……なんだ、それは!?」

 それ以上、答えようとしない。トゥルーマンはD・ホィールにまたがった。十代さんが倒したはずの邪悪が、未来世界で復活を果たした。そして、この時代まで時空転移してきたのか。ヨグ・ソトースの仔とは……。今は考えるべきでなく、戦わなければならない。モーメント・エンジンを高める。

「トゥルーマン。あんたを倒して、ネオ・ドミノを救う!」



『デュエル!』



 うっすらとした瘴気がシティを包囲している。心奥へと呼びかけてくる闇声に、人々が辛そうな表情へと歪んでいる。トゥルーマンから漏れてくる威圧感。十代さんは、こんな敵と戦いつづけたのか。傾斜を上っていき、ハイウェイに進みこんだ。本格的にライディング・デュエルを開始する。トゥルーマンのD・ホィールは流れるように速く、わずかながらに先を奪われている。

「ダーク・シグナーやイリアステルとの戦い。君はいくたもの試練を乗りこえ、強靭な精神へと成長したようだ。私の力をもってしても、君をダークネスへと招くのは困難であろう。だが、そんな君にも隙間が開いている。君が憧れと畏れを抱いている相手。それが不動 遊星のウィークポイントだ。……まぁ、楽しいデュエルをしようぜ。ライディング・デュエルで遊星と戦えるなんて、本当に夢みたいだ。すっげー、わくわくするぜ!」

 渋声が、急激に高くなっていく。途中から、聞いたことのある声に変化していた。視線を斜めに向けると、そこにトゥルーマンはいなかった。笑顔を振りむけてきたのは、遊城 十代さん。快活な双眸には、虚無が潜んでいる。十代さんではない。トゥルーマンが幻覚を見せているのか。

「何だよ。久しぶりに会えたのに、無口だよなぁ。言葉のキャッチボールぐらいやれよ。まぁ、いいか。そういうのも、あんたらしいからな。じゃっ、楽しいデュエルを始めようか」

 気を抜かれている間に、ぐんぐん距離を広げられていく。ファースト・コーナーを越されてしまった。十代さんの皮をかぶった偽者が、いかにもな演技をしている。



【1ターン目:十代(トゥルーマン)】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「いくぜっ! 俺の先攻、ドロー。《ダーク・アーキタイプ:攻撃力1400・Lv4》を攻撃表示で召喚。カード4枚をセットして、ターンエンド」

 《ダーク・アーキタイプ》か。初めて目にするモンスターだ。4本足を蠢かしながら、ハイウェイを駆けていく。みしりみしりと、不気味な闇元型だ。



【2ターン目:遊星】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
十代(トゥルーマン):《ダーク・アーキタイプ:攻撃力1400・Lv4》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード4枚をセットしている。

スピード・カウンター:十代(トゥルーマン)&遊星+1


「俺のターン、ドロー。手札から《ボルト・ヘッジホッグ》を墓地に送り、手札から《クイック・シンクロン:攻撃力700・Lv5・チューナー》を特殊召喚する。《チューニング・サポーター:攻撃力100・Lv1》を攻撃表示で召喚。レベル2のシンクロ素材と扱えるカードだ」

「レベル2《チューニング・サポーター》に、レベル5《クイック・シンクロン》をチューニング!」

「集いし思いが、ここに新たな力となる。 光さす道となれ! シンクロ召喚! 燃えあがれ、《ニトロ・ウォリアー:攻撃力2800・Lv7》!」

「《チューニング・サポーター》がシンクロ素材に使用されたことにより、カード1枚をドローする」

 湿った空気を突っきりながら、高速疾走していく。遠景では、ビルがとどめなく後方へと吸いこまれていく。腰から伸びたジェット・エンジンを極大噴射。角が生えた、緑悪魔のごとき容貌。《ニトロ・ウォリアー》がハイウェイ上空に浮かびあがった。

「《ニトロ・ウォリアー》で《ダーク・アーキタイプ》を攻撃する。ダイナマイト・ナックル!」

「罠カード《ゼロ・ゲイザー》を発動! 《ダーク・アーキタイプ》の攻撃力を0にして、デッキからカード1枚をドローだ。《ダーク・アーキタイプ》が戦闘破壊される場合、受けた戦闘ダメージ以下の数値を持つモンスター1体をデッキから特殊召喚できるんだぜ」

 大ダメージを覚悟してまで、強力なモンスターを呼びだそうとするのか。攻撃力を失った《ダーク・アーキタイプ》に、空中突撃してきた《ニトロ・ウォリアー》の拳がめりこむ。《ダーク・アーキタイプ》の全身がひしゃげて、そのまま砕かれた。2800ポイントもの戦闘ダメージが、トゥルーマンのライフを1200ポイントにまで追いこんでいく。D・ホィールのスピードも一気にダウン。

「《ダーク・アーキタイプ》のモンスター効果により、デッキから《E・HERO エッジマン:攻撃力2600・Lv7》を特殊召喚。手札から《E・HERO エッジマン》と同じレベルのモンスターを墓地へと送る。永続罠《蘇りし魂》を発動する。こいっ、《E・HERO ネオス:守備力2000・Lv7》!」

「遊城十代の使用カードが模造されたものでね。これらは、その残骸なのだよ」

 黄金に輝く《E・HERO エッジマン》が、大気を斬るように飛行してきた。続いて、白い戦士がアスファルトを突きやぶって飛翔する。《E・HERO ネオス》! 十代さんのフェイバリット・モンスターだ。パラドックスを敵にして、ネオスと共闘した。まさか、こいつと戦うことになろうとは……。十代さんの姿をした闇が、背後から不気味に哂っている。負けるわけにはいかない。

「カード2枚をセットして、ターンエンド」





【エピソード1-ダークネス降臨・その3】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

クリボーの入っているパックを仕込んだキャラは後で出てくる?
トゥルーマンはやはりこうでなければ、相手の心理を上手くつく演出に期待。
今度のパックに出るマーメイル・アビスどう思う?聖刻で対応しにくかったランク9・10まで可能な上、下準備すればギャラクシーデストロイヤーを2枚で出すこともできる。聖刻に比べて事故も少ない。8期は7期以上に色々おかしい。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 はい、ちょこまかと出てきます。軽いノリのキャラだったりしますが。

 ゾーンとの戦いを経た遊星は、たいがいの心の闇は乗りこえているかと思われ。十代の兄貴と擬似的に戦わせたいという気持ちもあり、こういう展開にしました。

 暗黒界みたいな効果を有していますね。特殊召喚もしやすい分、低レベルモンスターも多い分、たしかに《聖刻竜》よりも事故しなさそうです。《忘却の都 レミューリア》でレベルアップできるのも強み。《アトランティス》は近年のデッキと相性悪いような気がしていました。水属性がプッシュされていますね。
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