スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

CROSS-5 忍びよる脅威! ダークネス

遊戯王5D's SOUND DUEL 03遊戯王5D's SOUND DUEL 03
(2011/02/16)
TVサントラ

商品詳細を見る

 遊星VSジャックの最終決戦でも、雨が降っていましたね。前回を微修正してます。

 路面を叩く雨滴のリズムが、だんだんと早まってきた。じっとりと、衣服が重くなっている。視界は不明瞭となっているが、目前でのバトルは確認できる。《E・HERO マグマ・ネオス》の放った特大熱球を、《スピード・ウォリアー》が受けとめた。セットしていた《リミッター・ブレイク》を、《Sp-ハイスピード・クラッシュ》により破壊された。その効果により、《スピード・ウォリアー》が特殊召喚されたのだ。守備力400では、あっけなく戦闘破壊されてしまう。だが、このターンをしのげた。

「伏せカードをスルーしておけばよかったが、そんなのは後の祭りだな。ターンエンド」

 前方を高速疾走しているトゥルーマンが、さらなる加速を重ねる。十代さんの声姿を真似ているが、そんなものには惑わされない。右方向へのカーブだ。地面が濡れているために、スリップに細心の注意を払う。次のターンで決めなければ、じりじりと敗北へと圧されていくだろう。



【8ターン目:遊星】LP200、ドローフェイズ後の手札2枚

(フィールド)
十代(トゥルーマン):《E・HERO マグマ・ネオス:攻撃力3000→5000・Lv9》が攻撃表示。《カード・エクスクルーダー:守備力400・Lv3》が守備表示。永続罠《擬似ネオスペース》が発動中。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。

遊星:魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。

スピード・カウンター:十代(トゥルーマン)+3、遊星+7


「このターンで、《E・HERO マグマ・ネオス》を倒す! 俺のターン、ドロー。《ジャンク・シンクロン:攻撃力1300・Lv3・チューナー》を攻撃表示で召喚。《ジャンク・シンクロン》の召喚により、墓地から《スピード・ウォリアー:守備力400・Lv2》を守備表示で特殊召喚する」

「永続罠《エンジェル・リフト》を発動。レベル2以下である《チューニング・サポーター:攻撃力100・Lv1》を、墓地から攻撃表示で特殊召喚する」

「レベル2《スピード・ウォリアー》とレベル2《チューニング・サポーター》に、レベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

「集いし怒りが、忘我の戦士に鬼神を宿す。光さす道となれ! シンクロ召喚! 吠えろ、《ジャンク・バーサーカー:攻撃力2700・Lv7》!」

 赤甲冑を纏った巨身が、ハイウェイに着地した。大岩が落ちてきたかのような地響きだ。厳つい顔で刺して、かついでいた大戦斧を振りあげる。《チューニング・サポーター》をシンクロ素材としたことにより、デッキからカード1枚をドローできた。さらなる、パワーアップを果たそう。

「《Sp-オーバー・ブースト》を発動。スピード・カウンターを4つ上げる。スピード・カウンターが8つ以上あることにより、《Sp-ファイナル・アタック》を発動する。《ジャンク・バーサーカー》の攻撃力をエンドフェイズまで倍にする! 攻撃力は5400ポイントにアップだ!」

「フィールド魔法《スピード・ワールド2》の効果発動。スピード・カウンター7つを取りのぞき、デッキからカード1枚をドローする」

 まだ、スピード・カウンターは4つ残っている。

「スピード・カウンターが3つ以上あることにより、《Sp-ハーフ・シーズ》を発動。《E・HERO マグマ・ネオス》の攻撃力を半分にする。ダウンさせた数値分だけ、自分ライフを回復。さらに、《ジャンク・バーサーカー》のモンスター効果を発動する。墓地から《ジャンク・シンクロン:攻撃力1300》を除外して、その攻撃力分だけ、《E・HERO マグマ・ネオス》のパワーを下げる」

 バトル・オーラを燃えあがらせた《ジャンク・バーサーカー》が、戦斧を振りおろした。アスファルトが砕けて舞いあがる演出。衝撃波が路面を走りぬけ、《E・HERO マグマ・ネオス》へと衝突した。そのパワーを1400ポイントにまで減らしていく。攻撃力は逆転した。

「《ジャンク・バーサーカー》で、《E・HERO マグマ・ネオス》を攻撃!」

「罠カード《魂の結束-ソウル・ユニオン》を発動しても、攻撃力差を埋められない……」

 黒灰色に覆いつくされた大空へと、《E・HERO マグマ・ネオス》が急速上昇した。天に向かって両掌をかかげ、その先から太陽弾を膨張させていく。今にも破裂しそうなほどの高熱エネルギー。それを力いっぱいに叩きつけた。跳躍してきた《ジャンク・バーサーカー》が戦斧を振りかざす。エネルギー球体は斬りさかれ、ちりちりに霧散していく。《E・HERO マグマ・ネオス》の抵抗虚しく、その胴体は上下半身に分断された。トゥルーマンのライフが0ポイントへと落ちていく。

「馬鹿な! ここで私が敗北するとは……。これがシグナーの力というものか」

 遊城 十代への変身は解けて、黒ずくめの本性が露わとなる。サングラス越しに、俺をにらみつける。その肉体すらも輪郭を保てずに、D・ホィールごと、ブラック・カードの集合体へと崩れていく。大きく痙攣して、トゥルーマンは完全消滅した。ぱらぱらと注がれる雨中で、最後のカードが存在を失った。それでも、ダークネスの気配は止むことない。再び、D・ホィールを加速させた。



 昼間だが、すっかりと薄暗くなっている。天候のみが原因でないだろう。シティの人たちは苦しそうにうずくまっている。悪夢を見ているかのような蒼白さ。車道では、自動車が止まっている。シグナーの痣が、じんじんと輝きつづけている。赤き竜に守られて、ダークネスの精神侵略を受けないようだ。闇を感じる方向へと、D・ホィールを走らせる。高層ビルに挟まれた大通りに、そいつは浮いていた。巨大な漆黒球体から上半身だけを出している。豪壮なるローブを纏った、山羊頭の骸骨。そいつの前にD・ホィールを止めると、青色に灯った双眸を差しむけてきた。

「我の分身を破ったようだな。さすがは、伝説のシグナーといったところか。我はダークネス。世界の真理に則って、理によって動く者。闇こそが人間の本質。全ての人間は闇に溶けあい、1つとなり永遠の安息を得るのだ。そう、我こそがこの世界の救世主。我こそが神。この場に眠る者たちも、あらゆる苦痛から逃れ、じきに大いなる安らぎを得るであろう」

 機械音のような声だ。闇の深奥から響きこんでくる。これが、十代さんを苦しめた存在か。

「そんなものは、安らぎとはいわない! あんたは、街の人たちから希望を奪っているだけだ!」

「やはり、ダークネスを拒絶するか。よかろう。この世界の根源、デュエル・モンスターで全てを決めよう。すぐ近くに、ヨグ・ソトースの仔がいるようだ。ともに挑んでくるがよい。遊城 十代と戦った頃よりも、我は力を増している。我が勝利した暁には、ダークネスへと招いてやろう」

 眼窩に灯っている青炎が揺れた。ダークネスが、ぐるりと視線をまわす。その先には、少女が立っていた。しっとりと濡れた黒蜜のような髪。ぽたりぽたりと、雫が麗顔を流れていく。ブラウスの下からは、白肌が浮かびあがっている。そっと傾けた両目には、どろりと闇が蠢いていた。ときおり、赤みが射しこんでいる。明らかに人間でない気配がする。彼女がヨグ・ソトースの仔なのか。ダルク・ウェイトリィは、ダークネスへと視線をぶつけた。とても強い意志を感じる。

「街の人たちが苦しんでいるのは、君のせいなの?」

「苦痛は一時的なものにすぎない。すぐにも、永遠なる安眠へと堕ちていくだろう。少年と少女の狭間にあるモノよ。人でもなく化物でもないモノよ。汝から深々と読みとれるぞ。はるかなる闇に塗れている心が。汝もダークネスへと、心身をゆだねよ。旧支配者の血を継いだ存在は、ダークネスが欲するものだ。さぁ、デュエルの準備を始めるがよい」

「デュエルをする気はないよ。闇に囚われている人たちを救うために、少しでも急がなければいけないんだ。君には、早急に消えてもらうからね」

 ダークネスが呻いた。ぽつりと虹色球体が出現した。あまりにも、おぞましく煌いている。触れただけで肉体を溶かされてしまいそうだ。1つだけではなく、ぽつぽつと数を増している。大小様々なものが、宙に揺らめいている。七色の輝きが、大通りを幻想的に染めあげていく。ダルクの表情が視界一面に広がったとき、名状しがたき恐怖が背筋を貫いた。歪に哂っている。

「消えちゃえっ!」

 濡れた右腕を突きだした。水滴がぴちゃりと跳ねる。虹色球体が砲弾のごとき勢いで、ダークネスに撃ちこまれていく。爆音が連続していき、周辺一帯が振動した。ダークネスが哄笑をあげながら、漆黒球体へと後退しだした。渦を描きながら、闇が空間一点へと吸いこまれていく。栓を抜いた水槽のように。ダークネスの気配は、シティから完全消滅した。いや、死んだわけではないだろう。未来世界に戻っただけかもしれない。デュエルもせずに攻撃を仕掛けるとは、何という少女だ。



「逃げられたみたい。でも、ダークネスの瘴気は消えたね。よかったぁ。街の人たちも助かったと思う。……見られちゃったね。このとおり、ボクは人間じゃないんだ」

 安堵しきった微笑みが、俺にふりむいてきた。漆黒に渦巻いている瞳であるが、その表情は優しさに満ちている。いや、ほんのりとした悲しみが差しているのか。しとしと落ちつづける雨粒が、涙を隠しているのかもしれない。以前とは違い、ローブもネクタイも着けていない。白磁のごとき滑らかな肢体が、すーっと伸びている。濡れきった輝き。まるで、西洋人形のようだ。

「君は自動車にぶつかったが、大丈夫だったか?」

 旧支配者とは何者なんだ? ヨグ・ソトースとは、どういう存在なんだ? ダークネスの言葉を耳にして、湧きだしてきた疑問の数々。それらを押しのけて、そんな質問が吐きだされた。少女は口元に手を当てながら、くすりと嬉しそうに笑んだ。ほっぺたが、柔らかく紅潮している。

「心配してくれて、ありがとう。見てのとおり、ボクは平気だよ。それよりも、ルアくんの方が気になる。後遺症とか出ていない? トラウマになったりしていない?」

「その点は心配いらない。元気よく駆けまわっているよ。ルアが君に逢いたがっていた」

「うん、安心したよ。ボクも会いたいなぁ。でも、この眼のせいで怖がるかもしれない。ヨグ・ソトースの仔であるボクは、嫌なものまで継いじゃったの。会った人たちは、恐怖に侵食されていくんだ。ディックさんもデュエルを教えてくれたけど、耐えられずに倒れてしまった。だから、もう会えない。遊星さんも、ちょっとだけ震えているよね。ボクはそろそろ、ここから離れるよ」

 苦しそうに、言葉を紡いでいく。望んでもいない力を抱かされて、辛い思いをしてきたのだろう。本能が畏怖を感じとり、右腕に表していく。彼女を傷つける反応を止めようとしても、肉体は思いどおりにならない。苛立ちが募っていく。くるりと背を向けて、少女は去ろうとしている。追いかけようとするも、足がすくんでいるのか。その前に、最後の質問をぶつけよう。

「この街で何かが起ころうとしている。ダルク・ウェイトリィ。君にも関係あると思うが、知っていることを教えてほしい」

「暗黒のファラオが、この世界に這入りこんでいる。ボクは彼らと戦っている。さっきのダークネスは、ファラオと関係あるのか分からないけど……。でも、遊星さんは首を突っこまないでほしいんだ。この世界の人たちをね。できるだけ巻きこみたくないから」

 暗黒のファラオ? いったい、何者なんだ? かかわるなと言われて、素直に従えるわけがない。少女がふりかえった。ショートボブが揺れて、ぱらりと水滴が陽光を反射した。気がつけば、雨は止んでいるようだ。岩山のような雲々が途切れて、清澄な青色が覗いている。わずかに膨らんだ胸を隠すことなく、彼女が上目遣いを向けてきた。恐怖と癒しが、同時に侵入してくる。

「ヴルトゥーム・Y・ウェイトリィ。それがボクの真名なんだ。ダルクというのは、知合いがつけてくれたニックネームみたいなものかな。みんなは、そっちの方で呼ぶけどね」

 そう残して、彼女は駆けていった。歩道に屈んでいた人たちが、不思議そうに起きあがっていく。漏らしていく言葉から、そうとう酷い幻覚を味わされたかのようだ。ダルクの後姿が、だんだんと小さくなっていく。それが消えた頃に、ようやく足を動かせるようになった。





【エピソード1-ダークネス降臨・その5】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

破壊された時に発動できるカードってブラフの要素があるからいいね。最近だとリ・バウンド、荒野の大竜巻、安全地帯のような両用タイプのカードが有効か。
ダメージステップにDDクロウは使えない。遊星には似合ってない。というか、前の話で、正統なる血統が残っていたけど、これは効果が微妙違ってにフィールドには残らない。単純にスピードワールド2の破壊効果を使ってソウルユニオンかマグマネオスを破壊したほうがいい。
そういえばこの時のダルクは邪気眼だったね。ちょっと人間不信な時期。
表現の技量は文句なし。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 SSでもドキドキ感を出せるカードです。《リミッター・ブレイク》は、過労死さんを活躍させられてお気に入りです。

 いろいろとミスしてしまいました。《D.D.クロウ》はクロウ向きですね。《正統なる血統》は《蘇りし魂》に変えました。モンスター・バトルで盛りあげたいですので、効果破壊せずに、《Sp-ハーフ・シーズ》に頼りました。攻撃力半減というカードです。

 序盤ダルクは、印象がまた違いますね。じわじわと成長していきます。
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。