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CROSS-8 闇を突きやぶれ! ハネクリボーの一撃

遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX DVDシリーズ DUEL BOX 14遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX DVDシリーズ DUEL BOX 14
(2008/07/16)
KENN、小林沙苗 他

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 いろいろと変わっているようですが、根幹はそのままで。

 ボクは人間でない。ヨグ・ソトースの血を継いだ存在である。星の知恵派教団。その大いなる計画に従って造られた道具だ。旧支配者と呼ばれる存在は、名状しがたき恐怖を呼びさます。目にしただけで、正気が削られていく。知的好奇心に促されて、その姿を垣間見ようとした魔術師たちが多くいた。その大半が精神病院に収監されたという。ボクの場合は、その特質を両瞳に継いでしまったようだ。どろどろと漆黒渦巻く双眸は、人間を狂気へと導いてしまう。たくさんの人たちから化物扱いされてきた。逃げられるたびに、嗚咽していたのを覚えている。

「なるほど。それが汝の抱えている闇か。辛かろう。ダークネスへと沈みこみ、安らかに眠るがいい。もう、誰も汝を恐れるモノはいないだろう。ダークネスは優しい世界である。争いも嘆きも、何もかもが存在しない。あらゆる存在を平等に包みこむだけだ」

 ダークネスの声が、静寂に流れこんでくる。視界は黒一色に塗りつぶされている。温度も重力も感じられない。ぷかりぷかりと漂っている感じがする。とっても、気持ちがいいんだ。目蓋がうつらうつらと重い。このまま、休んじゃおうか。そんな気持ちへと堕ちていく。

「ダークネスこそが正義である。生を受けたモノは、自我という迷いに固執する。それが苦しみの根源。いずれは滅びるという運命に嘆き、流転しつづける世界で足掻きつづけている。あらゆる存在を闇と一体化させ、苦痛から解放する。それがダークネスだ」

 それは魅力的かもしれないね。辛すぎるときに、どこかに消えたくなってしまう。でも、手を差しだしてくれる人がいたんだよ。この世界に来てからも、素敵な人たちにめぐりあえた。遊星さんが庇ってくれた。ステファニーさんが、温かく抱擁してくれた。遠い故郷には、待ってくれている親友がいる。それに、ボクにはやるべき使命がある。だからね。こんなところで、永遠の安らぎに浸っているわけにはいかないんだ。今は、しっかりと立ちあがりたい。

『クリクリー』  『クリー』  『ククリーッ』

 小さく聞こえてくる愛声。闇を切りさくように、一条の光が差しこんだ。キラキラとした輝きが広がって、クリボーたちが飛びこんできた。手を伸ばすと、ハネクリボーが指先を握ってくれた。うん! 戦いの場に戻るよ。ステファニーさんたちを助けるためにね。



『お兄ちゃん、戻ってきてくれましたか。よかったぁ。闇霧に包まれたと思えば、急に眠りこんでしまったのですよ。ハネクリボーさんが輝いて、それらを祓ってくれたのです』

 停滞しきったダークネス・ワールド。木々で囲まれた円形広場にて、ボクはダークネスと対峙している。泣き虫なボクだけど、妹やクリボーたちが見守ってくれているから戦えるんだ。ありがとう、ハネクリボー。君が助けてくれたんだね。両手でほっぺを鳴らして、しっかりと芝生を踏みしめた。引きずるような眠気が吹きとんでいく。デュエルを再会だ!



【7ターン目:ダークネス】LP4000、ドローフェイズ後の手札2枚

(フィールド)
ダークネス:《ダークネス・ネオスフィア:攻撃力4000・Lv10》が攻撃表示。フィールド魔法《ダークネス》発動中。魔法&罠カードゾーンにカードを5枚セットしている。

ダルク:《アルパカマン:攻撃力1600・Lv3》が攻撃表示。《ベビー・アルパカ:守備力300・Lv1》&《アルパカ・ガール:守備力0・Lv3》が守備表示。魔法&罠カードゾーンにカードを3枚セットしている。


「心の隙間に闇を差しいれたものだが、上手くはいかないようだ。デュエル・モンスターで勝利しなければ、ダークネスに招けないということか。我のターン、ドロー」

 メインフェイズに入ると、《ダークネス・ネオスフィア》のモンスター効果が発動してしまう。カードを並びかえられたら、完全なる出来レースとなる。それだけは、阻止したい。

「レベル2以下である《ベビー・アルパカ》をリリースして、罠カード《玉砕指令》を発動するよ。相手フィールド上の魔法&罠カード2枚を破壊する。フィールド魔法《ダークネス》の効果により、相手フィールドの《ダークネス》は全て破壊されるのだったね?」

「ならば、《虚無》と《無限》を発動するまでだ。永続罠《ダークネス3》が最初に発動したことにより、1000ポイントのダメージを与える。そして、《ダークネス》が発動されるたびに、さらに1000ポイントのダメージを与えていく」

 発動した2枚のカードは、並べられたカードの両端に位置している。《ダークネス・ネオスフィア》のモンスター効果を使わなくとも、最悪の位置じゃないか。ダークネスは、くつくつと哂っている。

「合計3000ポイントのダメージを受けちゃうの!? でも、不幸中の幸いだね。罠カード《ピケルの魔法陣》を発動。このターンに受ける効果ダメージを0にするよ」

 羊さんの帽子が、もこもこしていてキュートだ。ちょっとだけ赤らんだホッペが柔らかそう。ホワイト・ローブの魔法少女が、魔法陣からスマイル満点で跳びだした。ロッドを振りかざして、バリアを輝かせていく。《ダークネス3》から放たれたスパークが、ちりちりに霧散した。《ベビー・アルパカ》が怒涛のハイジャンプ。相手フィールドへと豪快なダイブを決めて、カード6枚を吹きとばした。ずっと苦しまさせられたフィールド魔法《ダークネス》を、ついに攻略だ!

「フィールド魔法は破壊されたが、《ダークネス・ネオスフィア》がいる。装備魔法《ダークネス・オーラ》を《ダークネス・ネオスフィア》に装備。その攻撃力は、墓地の《ダークネス》1枚につき1000ポイントアップする。我の墓地に《ダークネス》10枚が存在する。攻撃力は10000ポイント上昇。装備モンスターは貫通効果を得て、相手カードの効果を受けなくなる」

 攻撃力14000ポイント! 何という滅茶苦茶な効果なんだ。《ダークネス・ネオスフィア》の肉体に、幾本もの筋が走りだした。むくむくと膨れあがっていく。両目を覆っている黒布が引きさかれ、紅い双瞳が睨みつけてきた。空虚さに満ちた眼差しだ。

「《ダークネス・ネオスフィア》で《アルパカマン》を攻撃する」

 《ダークネス・ネオスフィア》の首が、ぐるりと180度回転。紅髪が割れ、後頭部から巨大な目玉が開いた。眩く輝き、そこからスカーレット・ビームが撃ちだされる。どぎりと心臓が跳ねあがるが、ハネクリボーが肩を支えてくれた。すでに対処してある。堂々と立ちむかおう。

「速攻魔法《虹色の糸》を発動し、墓地から《エンジェリック・クリボー》を手札に加えていた。墓地の《ボムクリボー:Lv1》をデッキに戻して、手札の《エンジェリック・クリボー》を墓地に捨て、戦闘ダメージを0にするよ」

 クリクリー。純白色のハネクリボーが再降臨。両手でホーリー・バリアを拡散させて、《ダークネス・ネオスフィア》が発射したビームを打ち消した。ありがとう、エンジェリック・クリボー。

「ターンを終了するが、教えてやろう。装備魔法《ダークネス・オーラ》が破壊された場合、装備モンスターの攻撃力分のダメージが相手を襲う。次の我がスタンバイフェイズに、《ダークネス・オーラ》は自身のカード効果によって破壊される。つまりは、汝に勝ち目はないということだ。遊城十代に対抗するために創造した、究極のダークネスだ。勝利の可能性は虚無。諦めるがいい」

「諦めないよ! 《エンジェリック・クリボー》のモンスター効果により、カードを1枚ドロー」



【8ターン目:ダルク】LP200、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
ダークネス:装備魔法《ダークネス・オーラ》を装備した《ダークネス・ネオスフィア:攻撃力4000→14000・Lv10》が攻撃表示。

ダルク:《アルパカ・ガール:守備力0・Lv3》が守備表示。


「俺のターン、ドロー。魔法カード《トライワイトゾーン》を発動。通常モンスターである《アルパカ:攻撃力800・Lv2》3体を、墓地から特殊召喚する」

「《人投げトロール:攻撃力1000・Lv4》を攻撃表示で召喚。《人投げトロール》のモンスター効果を発動する。自分フィールド上の通常モンスター1体をリリースするたびに、相手ライフに800ポイントのダメージを与える。4体リリース。3200ポイントのダメージを受けてもらうよ!」

 《人投げトロール》が、《アルパカ》&《アルパカ・ガール》をまとめて持ちあげた。すっごい表情で、ぶん投げる。《アルパカ》がダークネスの頭へと、ぽんぽん落ちていった。おっきな衝撃が連続してダークネスを襲う。スカートを押えながら落下していく《アルパカ・ガール》。ダークネスに衝突し、可愛らしく悲鳴を漏らした。ダークネスのライフは、一気に800ポイントへと落ちていく。

「魔法カード《貪欲な壷》を発動。墓地のモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドローする」

「我を追いこんだのは、賞賛に値しよう。エンドフェイズ。我のライフは、《ダークネス・ネオスフィア》により4000ポイントにまで回復する。無駄な抵抗だ」

「悪いけど、勝利のへの方程式はすでに完成しているんだ。このターンで、勝っちゃうよ! 手札から速攻魔法《クリボーを呼ぶ笛》を発動する。デッキから《ハネクリボー:攻撃力300・Lv1》を攻撃表示で特殊召喚。《ダークネス・ネオスフィア》に攻撃する!」

 精霊として傍らについてくれているハネクリボーが、フィールド上に降りたった。相棒と目を合わせて、しっかりと頷きあう。頼むよ、ハネクリボー。

「攻撃力300ポイントの《ハネクリボー》で攻撃するだと……」

「当然、パワーアップはさせてもらうからね。手札の《オネスト》を墓地に送り、《ダークネス・ネオスフィア》の攻撃力分だけ《ハネクリボー》をパワー上昇させる。さらに、手札から速攻魔法《バーサーカー・クラッシュ》を発動。墓地の《アルパカ》を除外して、《ハネクリボー》の攻撃力を《アルパカ》と同じにする。これで、攻撃力は14800ポイント!」

「バ、バカな……」

 マッチョな青年天使さんが、安らかなる表情でハネクリボーを抱擁していく。《オネスト》の加護を受けて、その白翼が輝きだした。見蕩れてしまうほどの優しい光だ。《ダークネス・ネオスフィア》に向かって、空中を突っきるハネクリボー。アルパカがハネクリボーの横に並び、ともに突撃していく。弾丸のごときスピードで《ダークネス・ネオスフィア》にぶつかり、その巨体に大穴を穿った。衝撃がダークネスを打ちつけ、重低音な悲鳴が闇空へと響きわたる。ダークネスのライフは完全消滅した。



「混沌と揺れうごいていく闇宇宙。その中から《虚無》と《無限》を捕らえて、ダークネスの意志を遂行していく。そのためにもね。《ダークネス・アイ》や《ダークネス・ネオスフィア》という使者を、フィールドに送りこんだ。それらを通じて、闇宇宙を操作していった。例えれば、神の手をくだしたという感じかな。この状況で言っちゃうのは問題かもしれないけど、とても面白いデッキだったよ。ダークネスとは、またデュエルをしたい。闇の決闘という形じゃなくてね」

 広場一帯からは、瘴気が掃われている。澄んだ夜空では、白雲がゆっくりと流れている。ベンチで寄りそっているカップルたちが目を覚まし、ボクたちに注目している。ダークネスについては、ソリッド・ヴィジョンによる悪戯と考えているようだ。そんな推測を口走っている。停滞していた世界が動きだした。ステファニーさんも、闇から解放されたのだろう。胸から重りが外れた心地よさだ。

「我とのデュエルが楽しいだと? ダークネスに対する理解。汝は興味深い存在だ。ダークネスへと招待したいが、闇のデュエルに敗北した代償は大きすぎる」

 呻きながら、ダークネスが崩壊していく。ぱらぱらと剥がれおちていく漆黒のカード。それらが、燃えつきるように消滅していく。黒雨が局地的に降っているかのようだ。その苦しげな様子を目にするだけで、胸内が気持ちよく高まってくる。最高だよ。暗黒神の肉体は失われていき、最後に1枚のカードだけが残された。《D・ナポレオン》というモンスターだ。その姿が実体化していく。単眼から羽と足が生えたかのようなデザイン。黄金角が小さく対している。

「ダークネスとしての力は、ほとんど消失したようだ。1枚のカードを媒介として、わずかながらも闇を残せたのか。この姿のみでも存在可能なことを、僥倖としよう。この世界への観察と考察をするためにも、我は去る。ヴルトゥーム・ウェイトリィよ。汝とは、近いうちにも再会するであろう」

 そう言葉を残して、ダークネスは羽ばたきだした。眼球が、ぎょろぎょろと動いている。教えていないはずけど、本名で呼ばれてしまった。小さな体が、夜空へと溶けていく。どこかに行ってしまったけど、人間をダークネスへと誘わないであろう。そんな力は残されていないようだから。ふぅらりと、足がもつれていく。どうやら、ボクも疲れているみたいだ。あれっ? 地面がぐらりと傾いでくる。

 倒れる直前、こちらへと歩いてくる男性が視界をよぎった。黒い修道服に包まれた、金髪を伸ばした、美形だけど醜悪極まりない双眸をした魔術師。ナイアーラトテップと契約し、その使徒になっているジョゼフ・カーウィンだ。歪な笑みを浮かべながら近づいてくる。





【エピソード1-ダークネス降臨・その8】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

あれ?ダルクは邪気眼だけど初めからまともな人格が形成されている。こうなって来るとダルクの心の成長はどういう部分になるのだろうか?ちょっとばかり歪んでいてもいい気もする。
ダークネスどっか行っちゃった。個人的に取り込むこと自体は間違ってないと思う。修正前はグロテスクだったのを優しく抱き止める形で心の隅に置くように吸収するなら問題ない。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 ちょともにしちゃいすぎましたね。温厚そうで、歪んでいる部分が垣間見えるように、2文ほど追加しました。男になっていくと言う意味では、成長していきます。

 ややこしい設定になるような部分は省きました。捕らえたダークネスも、しばらくすれば放ちますし。ダークネスはすぐにも戻ってきます。
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