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CROSS-9 クロウVSトゥルーマン

遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【3】遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【3】
(2009/03/18)
宮下雄也、星野貴紀 他

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 短縮デュエル:5ターン以内で終了するもの。デュエル過程はきちんと立てています。

 午後8時を過ぎたあたりだろうか。すっかりとシティは暗くなり、電灯やらが照りだしている。じょじょにスピードを落としながら、バンが路肩に停車した。がらりとドアがスライドして、ナーヴたちが申しわけなさそうに出てくる。ラリーだけは、むすっと頬を膨らませているようだ。知っている相手に、少しばかり気まずさがよぎってしまう。D・ホィールから降りた俺は、スピード違反を告げた。

「すまない。ちょっとばかり急いでいたもんでな。……っていうか、クロウじゃないか」

「違反だけど、そこまで悪質じゃないぜ。ちょっとばかり反則金を払えば、済むってことよ」

「ははっ。罰金は痛いよな。でも、急かした俺も悪いんだ。肩代わりさせてもらうよ」

 バンダナを巻いた、あごひげの兄ちゃん。ナーヴは話の分かるやつで、こちらとしても助かるものだ。ブリッツはドレッド・ヘアーをさすりながら、誤魔化すかのように笑っている。屈強そうなタカは、背を丸めてオロオロしている。運転していたのは、こいつだったか。責任を感じているんだろうなぁ。免許証を確認させてもらい、面倒くさい手続きを進めていく。信号待ちなのか、4車線道路には自動車がつまっている。とはいっても、数自体は少ないが。いくつもの車窓からは、ちらほらと視線が刺してくる。見世物にはしたくない。さっさと終らせて、解散するとしよう。

「あのさぁ。俺たち、知っている仲だろ。見逃すとかしてくれない?」

 一見すると女の子のようだが、れっきとした少年だ。もっとも、そういうことを口にすれば怒りだす。まぁ、当然だよな。ラリー・ドーソンが噛みついてきた。気持ちは分かるが、俺はハイウェイ・パトロール。そうするわけには、いかないんだ。牛尾の旦那にどやされてしまう。

「ラリー。無理を言うな。クロウだって仕事でやっているんだ」

「えぇーっ。いいじゃないか。つーか。クロウが権力の手先になるなんて、未だに信じられないよ」

「権力たって、あの頃と違うんだぜ。シティとサテライトの垣根も掃われて、シティで自由気ままに買物を楽しめるようになったんだ。セキュリティーもサテライトを取りしまるのでなく、市民の安全を守るように頑張っている。牙をむく必要もない。ここは素直に、言うことを聞いておこうや」

 眼鏡を弄りながら、ブリッツが分かりやすく説明していく。ありがてぇ。ラリーも大人しくなったようだ。そんな頃合だった。人形みたいな少女が、とことこ歩いてきた。うつむいているせいか、両目が黒髪に隠されている。魔法使いみたいなローブだな。丈短いハーフ・パンツをはいているために、えらく脚を露出させている。新品のセッケンみたいな白肌だ。ナーヴたちだけでなく、車道側からの視線も集めている。信号は変わり、川のように車は流れているわけだが。

「な、なんという眼をしているんだよ。人間じゃない」

 そう、ナーヴが零してしまうのも無理はない。少女は顔を持上げて、双眸をくっきりと現わした。ヘドロというか、そんなものが渦巻いているような瞳だ。広がっていく鳥肌。右腕の痣が、ぎんぎんに反応していやがる。地縛神? そんな程度じゃねぇ。邪悪な空気が、むんむんと漏れてくる。「化物」という言葉が、ざわざわと輪唱しだした。ナーヴたちが恐怖を露わにしている。小首を傾けて、いかにも泣きそうに崩れていく。辛そうな少女に、同情を感じてしまった。

「そういうことを言ってやるなよ」

 身構えてしまった立場だ。人のことを言えないが、そう注意した。恐怖に引きつった表情のまま、ナーヴたちが罪悪感にうなだれていく。異様な気配に反して、少女の表情からは安らかなものが伝わってくる。少なくとも、警戒するべき相手ではないだろう。彼女に声をかけた。

「それよりも、こんな時間帯だ。女の子1人で夜道を歩いたら危ないぜ」

 安堵したかのように頷いた。街灯に照りだされた笑顔が、やけに印象に刻まれる。少女は歩んでいき、夜街へと吸いこまれていった。それだけの出来事だ。あれから10日ぐらいになるだろうか。遊星に話すと、詳細に訊きこまれた。ダルク・ウェイトリィだという。アンドレとのライディング・デュエル中に、異次元から迫ってくるような振動を感じたらしい。彼女と出会ったのも、その直後だという。遊星は言っていた。すぐにでも、シティが異変に巻きこまれるのではないのかと。



 まったく、遊星の言ったとおりだ。まるで時間が止まったかのように、街全体が停滞している。まずは、牛尾がぴたりと動きをストップした。肩を揺すろうとしても、氷みたいに固まっている。両目をくっきりと開けたままで。牛尾だけではない。通行人も自動車もだ。気がつけば、黒水が空間全体を満たしている。呼吸はできるようだが。漆黒のカードが流れてくる。いったい、どうなっていやがるんだ? 右腕の痣が、じんじんと鼓動していく。そんな俺に怪人集団が絡んできた。



「相手フィールド上のみにモンスターが存在することにより、《BF-暁のシロッコ:攻撃力2000・Lv5》を召喚する。手札から《BF-黒槍のブラスト:攻撃力1700・Lv4》を特殊召喚。《BF-暁のシロッコ》のパワーを《BF-黒槍のブラスト》に束ねて、伏せモンスターを攻撃する」

 濃青の翼を羽ばたかせながら、《BF-黒槍のブラスト:攻撃力3700》がランサーを突きだした。攻撃対象となったモンスターは《スケル・エンジェル:守備力400・Lv2》。不可視のボディが貫かれていく。貫通効果を有しているモンスターだ。3300ポイントの戦闘ダメージを与えられた。そのフィールに、黒一色のD・ホィールが大きく揺らいでいく。

「《スケル・エンジェル》のリバース効果を発動する。デッキからカード1枚をドローする」

「カード1枚をセットして、ターンエンドだ」



【3ターン目:トゥルーマン】LP700、ドローフェイズ後の手札7枚

(フィールド)
トゥルーマン:無し。

クロウ:《BF-暁のシロッコ:攻撃力2000・Lv5》&《BF-黒槍のブラスト:攻撃力1700・Lv4》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。

スピード・カウンター:トゥルーマン&クロウ+2


 ダークネスの使者、トゥルーマン。ハイウェイをぶっちりながら、そいつらと疾走決闘をしている。黒衣装に包まれた不気味なヤツらだ。ピアスンやボルガーの幻覚を見せてきやがった。そんなことで、俺は揺るがない。次々と倒していき、最後のトゥルーマンと戦っている。無駄だと分かったのか、インチキな真似はしなくなった。濡れた路面に注意しつつ、ハイスピードをあげていく。

「私のターン、ドロー。《Sp-オーバー・ブースト》2枚を発動する。これで、スピード・カウンターは10にまで増えた。スピード・カウンターが10あることにより、《Sp-ジ・エンド・オブ・ストーム》を発動。フィールドのモンスター全てを破壊し、その数×300ポイントのダメージを与える」

 瘴気を巻きあげながら、黒竜巻が侵攻していく。《BF-暁のシロッコ》と《BF-黒槍のブラスト》が破壊され、600ポイントのダメージを受けてしまった。相手フィールドにはモンスターがいない。被害を受けるのは俺だけだ。かすかに先を疾駆しているトゥルーマンが、ニヤリと笑む。

「スピード・カウンターが4つ以上あることにより、《Sp-スピード・フュージョン》を発動する。手札の《メテオ・ドラゴン》と《沼地の魔神王》を素材にして、《メテオ・ブラック・ドラゴン:攻撃力3500・Lv8》を攻撃表示で融合召喚!」

 紫巨竜が、隕石のごとき勢いでライディング・フィールドへと落下してきた。夜空へと向かって、咆哮をがなりあげる。その全身には赤筋が走っていて、膨大な熱を放っている。

「フィールド魔法《スピード・ワールド2》の効果発動。スピード・カウンター10個を取りのぞいて、伏せカードを破壊する。罠カード《ブラック・ソニック》か。また厄介なカードを除去できたようだ。これで終わりだ。《メテオ・ブラック・ドラゴン》でダイレクト・アタック!」

 燃えさかるようなオーラを噴射させながら、《メテオ・ブラック・ドラゴン》がタックルしてきた。まともにダメージを受けてしまえば、たしかに終わりだな。だが、そうはいかねぇ。《BF-熱風のギブリ:守備力1600》が身をていして、《メテオ・ブラック・ドラゴン》の攻撃を受けとめる。圧倒的なパワーの前に、なすすべもなく戦闘破壊されてしまった。トゥルーマンが息を飲みこむ。

「相手モンスターの直接攻撃時に、手札から《BF-熱風のギブリ》を特殊召喚できるんだぜ」

「それでも、《メテオ・ブラック・ドラゴン》が残っている。カード1枚をセットして、ターンエンド」



【4ターン目:クロウ】LP4000、ドローフェイズ後の手札3枚

(フィールド)
トゥルーマン:《メテオ・ブラック・ドラゴン:攻撃力3500・Lv8》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。

クロウ:無し。

スピード・カウンター:トゥルーマン+1 クロウ+3


「俺のターン、ドロー。《BF-極北のブリザード:攻撃力1300・Lv2・チューナー》を召喚。そのモンスター効果により、墓地から《BF-黒槍のブラスト:守備力800・Lv4》を守備表示で特殊召喚! 手札から《BF-疾風ゲイル:攻撃力1300・Lv3・チューナー》を特殊召喚」

「《BF》3体がフィールドに揃ったことにより、手札から罠カード《デルタ・クロウ-アンチ・リバース》を発動。相手フィールド上のセット・カードを破壊する」

 3体の《BF》が、デルタ状に並んで急上昇。タイミングを合わせて、爆風を叩きつける。伏せられていたカードが、舞いあげられて消滅した。罠カード《万能地雷グレイモヤ》か。相手モンスターの攻撃宣言時に、最もパワフルな相手モンスターを破壊するカードだ。危ないところだったぜ。

「《BF-疾風ゲイル》のモンスター効果により、《メテオ・ブラック・ドラゴン》の攻撃力を半分にする。続けて、レベル4《BF-黒槍のブラスト》に、レベル3《BF-疾風ゲイル》をチューニング!」

「黒き旋風よ。天空へ駆けあがる翼となれ! シンクロ召喚! 《BF-アーマード・ウィング:攻撃力2500・Lv7》!」

 《BF-疾風ゲイル》が青翼を回しこみ、烈風を吹きつける。巨身を削られていき、《メテオ・ブラック・ドラゴン》の攻撃力は1750ポイントへとダウンしていく。すかさずに、シンクロ召喚。《BF-アーマード・ウィング》が黒羽を広げて、上空へと飛翔した。

「《BF-アーマード・ウィング》で《メテオ・ブラック・ドラゴン》を攻撃する。覚悟しろよ。このサングラス野郎! ブラック・ハリケーン!」

「このシグナーも強い……」

 モータのごときスピードで、《BF-アーマード・ウィング》が高速回転。自らを軸として、竜巻を発生させた。《メテオ・ブラック・ドラゴン》を貫くように、竜巻が伸びていく。《BF-アーマード・ウィング》の鉄拳が、巨竜を打ちぬいた。がくがくと全身を震わせて、《メテオ・ブラック・ドラゴン》が砕かれていく。750ポイントもの戦闘ダメージを喰らって、トゥルーマンは敗北した。D・ホィールごと、トゥルーマンが崩れていく。ばらばらと黒いカードが散って、跡形も残さずに消滅した。



 トゥルーマンを倒しても、シティは停滞したままだ。人々は石のように固まっている。赤き龍に導かれながら、D・ホィールを走らせる。さすがに、トゥルーマンとの連戦が効いたのかもしれない。うっかりすると、スリップしてしまいそうだ。黒水に覆いつくされたかのような道路を走行し、中央公園へと辿りついた。湿った土の臭いが、じわりと漂ってくる。そこで、遊星と合流した。

「この気配は、ダークネスのものに違いない。ダルクが虹色球体を撃ちこんで追いはらったが、再び現れたようだ。おそらくは、この先にいるだろう」

「虹色球体? なんじゃそりゃ? とりあえず、トゥルーマンの親玉がいるってことだな」

 遊星はD・ホィールごと突入した。本来ならば、降りてから入らなければならない。だが、緊急事態だ。そうも言ってられないだろう。セキュリティーに喧嘩を売りまくっていた俺が、法や規則を意識するようになるとはな。遊星に続いて、ぶっとばしていく。林地帯へと続いていく円形広場。そこでストップした。遊星が言っていたとおりの骸骨野郎はない。視線をめぐらせると、あの少女……ダルク・ウェイトリィが何者かに抱きかかえられていた。ぐったりとして、意識も危うそうだ。担いでいる金髪男と、目が合う。夜闇に隠れてしまいそうな黒修道服を着ている。邪悪な臭いがぷんぷんと漂ってきそうな、悪辣な目つきだ。そいつは、ジョゼフ・カーウィンと名乗った。





【エピソード1-ダークネス降臨・その9】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

平行時間的な複数視点をやっているわけね。やり過ぎると進まなくなるから気をつけて。
クリフォトの樹を調べて思いついたんだけどさ、時戒神(天使)の逆の悪魔を10体のエクシーズで再現してみるのはどう?虚数のiをランクに置き換えて、ランク10のモンスターが10体、効果は傲慢や色欲などモチーフにそっている。ラスボス的な要素満載。
ただ、ダルクに使わせるにしてはダーク過ぎる。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 クロウのイベントに関しては、ちょこまか挟まずに、纏めて入れておきました。クロウって、短縮デュエルをやらすのに向いている面がありますね。

 「生命の樹」の正反対ヴァージョンですね。エクシーズ10体は出すのが大変そうで、サポートカード必須。這い寄る混沌に使わせると面白そうです。
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