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CROSS-13 燃えろ! ブラック・ローズ・ドラゴン!

遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【2】遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【2】
(2008/12/17)
宮下雄也、星野貴紀 他

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 「ゲットだぜっ!」だけは外せません。

「ほおぅ。この時代では、俺様は伝説のデュエリスト扱いか。これは、これは、光栄なことだよ。武藤遊戯に敗れはしたものの、盗賊王バクラは【顔無きスフィンクス】により復活できた。ファラオごときに仕える気はないが、いい機会だ。てめぇらを、闇底へと葬ってやるぜ。俺様のターン、ドロー。《通路を塞ぐ首なし騎士:攻撃力1450・Lv4》を攻撃表示で召喚」

 カチャリ、カチャリ。闇奥から、足音が木霊する。西洋甲冑に包まれた死霊騎士が、ゆっくりと歩いてきた。名前の通りだろうか。頭部は存在せずに、首穴には空洞が口開けている。攻撃力では、《ブラック・ローズ・ドラゴン》が勝っている。しかし、嫌な予感が拭えない。

「《通路を塞ぐ首なし騎士》をリリースし、モンスター効果を発動。2回目の俺様のスタンバイフェイズまで、お互いのプレイヤーは、1ターンに1度しか攻撃を行なえない。ターンを終了する」

 これでは、実質的に攻撃不可能となってしまう。1ターンに1度の攻撃すらも、《ダーク・サンクチュアリ》の効果で無効にされてしまうのだ。その間にも、死のメッセージは刻々と進んでいく。何という恐怖に満ちた戦術なのだろう。実体化したダメージにより、視界が霞む。



【7ターン目:アキ】LP400、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
アキ:《ブラック・ローズ・ドラゴン:攻撃力2400・Lv7》が攻撃表示。

バクラ:《人骨鬼:攻撃力1200・Lv4》が攻撃表示。フィールド魔法《ダーク・サンクチュアリ》&永続罠《ウイジャ盤》&永続魔法《死のメッセージ「E」》&永続魔法《死のメッセージ「A」》発動中。


「私のターン、ドロー。ターンエンド」

 ぐらつく足で踏みしめて、カードを引いた。奇跡は容易に掴みとれないもの。逆転のカードは引けなかった。巨大な目口が、けたたましく嘲笑を降らせてくる。闇の聖域全体が、私を圧しつぶそうとしているかのようだ。追い討ちをかけるように、バクラが宣告を叩きつける。

「フハハハッ! こうなったら、何もできねぇよな。大人しく、死を待っているがいい。ウィジャ盤は新たな死の文字【T】を指し示すぜ! あと1文字で貴様は終わりだよ!」



【8ターン目:バクラ】LP2800、ドローフェイズ後の手札1枚

(フィールド)
アキ:《ブラック・ローズ・ドラゴン:攻撃力2400・Lv7》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカードを1枚セットしている。

バクラ:《人骨鬼:攻撃力1200・Lv4》が攻撃表示。フィールド魔法《ダーク・サンクチュアリ》&永続罠《ウイジャ盤》&永続魔法《死のメッセージ「E」》&永続魔法《死のメッセージ「A」》&永続魔法《死のメッセージ「T」》発動中。


「俺様のターン、ドロー。《死霊騎士 デスカリバー・ナイト:攻撃力1900・Lv4》を召喚。モンスター効果が発動したとき、こいつをリリースすることにより無効にする。ターンエンドだ」

 闇の彼方から、いななきが聞こえてきた。鉄蹄が地面を抉る音が、規則正しく鳴っていく。乗馬しているのは骸骨剣士。《死霊騎士 デスカリバー・ナイト》の存在により、モンスター効果による逆転も封じられた。私を殺していくための包囲網を、着実に狭めてきている。最後の最後まで諦めてはいけない。遊星の言葉が、千切れそうになっている希望をつなぎとめてくれる。



【9ターン目:アキ】LP400、ドローフェイズ後の手札5枚

(フィールド)
アキ:《ブラック・ローズ・ドラゴン:攻撃力2400・Lv7》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカードを1枚セットしている。

バクラ:《人骨鬼:攻撃力1200・Lv4》&《死霊騎士 デスカリバー・ナイト:攻撃力1900・Lv4》が攻撃表示。フィールド魔法《ダーク・サンクチュアリ》&永続罠《ウイジャ盤》&永続魔法《死のメッセージ「E」》&永続魔法《死のメッセージ「A」》&永続魔法《死のメッセージ「T」》発動中。


「分かっているよな。このターンのエンドフェイズに死のメッセージは完成し、貴様は冥府へと導かれる。その後は、ヨグ・ソトースの仔を簡単に始末しておくよ。がたがたと震えやがって、臆病者丸出しじゃないか。ダークネスを倒したダルク・ウェイトリィとまるで別人物だぜ」

 バクラからの凝視を浴びて、アルマが悲鳴を漏らした。ぎゅっと閉じられた両目から、滂沱の涙が垂れている。あの凄まじすぎる表情を向けられたら、大人でも退くであろう。倒れそうになる身体を、無理矢理にも支えた。精一杯に絞りだした自信を、アルマへと向ける。

「大丈夫だよ。アルマさん。このデュエル、私が勝つから。私のターン、ドロー。魔法カード《シンクロ・キャンセル》を発動。《ブラック・ローズ・ドラゴン》をエクストラ・デッキに戻し、シンクロ素材となった《夜薔薇の騎士:攻撃力1000・Lv3》と《ロード・ポイズン:攻撃力1500・Lv4》を特殊召喚する」

「魔法カード《フレグランス・ストーム》を発動。《ロード・ポイズン:植物族》を破壊し、カードを1枚ドローする。植物族モンスターをドローできなかったけど、いいカードを引いたわ!」

「墓地から《ロード・ポイズン:植物族》を除外して、魔法カード《薔薇の刻印》を発動。《死霊騎士 デスカリバー・ナイト》のコントロールを奪う」

「レベル4《死霊騎士 デスカリバー・ナイト》に、レベル3《夜薔薇の騎士》をチューニング! 再降臨せよ! 《ブラック・ローズ・ドラゴン:攻撃力2400・Lv7》!」

「《ブラック・ローズ・ドラゴン》を、シンクロ召喚しなおしただとっ!」

「《ブラック・ローズ・ドラゴン》のシンクロ召喚により、フィールド上のカード全てを破壊する」

 《ブラック・ローズ・ドラゴン》が花翼を全開にした。四方八方と拡散していく赤き閃光。紅薔薇が舞いあがり、あらゆるカードを無差別に砕いていく。その破壊は、自身にすらにも及ぶ。

「馬鹿なっ! 《ダーク・サンクチュアリ》が崩されるだとっ。《ウイジャ盤》と《死のメッセージ》は、《人骨鬼》のモンスター効果により破壊されずにすんだが……」

 空間全体を覆いつくしていた暗黒に、亀裂が走っていく。浮遊していた屍人の眼が、狂乱に揺れていく。腐りきった口が、不気味な悲鳴を泡吹かしていく。闇が瓦礫として剥がれおち、《ダーク・サンクチュアリ》が崩れていった。瘴気に包まれた中庭であるが、解放感に安堵させてくれる。

「《黒薔薇の魔女:攻撃力1700・Lv4》を召喚。自分フィールド上にカードが存在しない状態で、このカードの召喚に成功したことにより、デッキからカード1枚をドローする。《薔薇の妖精:攻撃力600・Lv3》を引いたわ。モンスター効果により、そのまま特殊召喚!」

「そんなモンスターを出したところで、今さら意味はないぜ! 《通路を塞ぐ首なし騎士》により、攻撃は1度までに制限されている。さらに、教えてやるよ。《人骨鬼》のモンスター効果をな。自身を墓地から除外することにより、《ウイジャ盤》と《死のメッセージ》の破壊を無効する。もはや、貴様には死霊に飲みこまれる運命しかないんだよっ!」

「そうかしら? 魔法カード《リレイズ・シンクロ》発動。自分フィールドのモンスターを、シンクロ召喚の条件を満たすように墓地に送りこむ。墓地から《ブラック・ローズ・ドラゴン:攻撃力2400・Lv7》を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、墓地に送ったチューナーのレベル1つにつき、攻撃力が100ポイントアップする」

 大地を割って、《ブラック・ローズ・ドラゴン:攻撃力2800・Lv7》が飛翔した。バクラが唖然としている。相手フィールドにモンスターは存在しない。このまま、ダイレクト・アタックだ。


『ブラック・ローズ・フレア!』


 撃ちこまれるスカーレット・ブレス。嘔吐しているかのような、バクラの絶叫。石畳へと吹きとばされ、背中を激しく打ちすえた。2800ポイントもの残存ライフは、跡形もなく飛散した。勝利が確定すると、私たちを見守りながら《ブラック・ローズ・ドラゴン》は消えていった。力が抜けてしまい、倒れそうになってしまう。アルマが、背後から支えてくれた。海のごとく綺麗な青瞳をしている。

「アキさん。凄いのです。おっかないデュエリストに勝っちゃうなんて」

 クリクリー。そんな鳴声が、耳元で奏でられた。白翼の生えたクリボー? 一瞬だけだが、視えた気がした。さするように注がれる温光。激痛の渦巻く肉体が、だんだんと軽くなっていく。精霊というものだろうか。それだけでない。アルマからも、癒しが伝わってくる。恐怖を撒いていたのは、あくまでも仮の姿。朗らかな笑顔だ。これこそが、本来のアルマ・ウェイトリィなのだろう。



「白き羽のカーというものか。この世界にもいるとはな。これは興味深い。あまりにも憎たらしすぎて、この場で引き裂いてやりたくなるよ」

 ガラス扉を両開きにして、オールバッグの壮年男が近づいてきた。足を踏みだすたびに、威圧感が迫ってくる。地獄から湧きあがってきたような低音域の声音。悪魔めいた双眸が、喰らうように貫いてくる。太眉が傾き、あごひげに覆われた口が歪んだ。ぎろりと、倒れている敗者を見下ろす。

「ご苦労だったな。バクラ。楽しませてもらったぞ。役に立たなくなった駒は処分する主義であるが、エル・クルナという同郷出身のよしみだ。大事に扱ってやるよ」

 優越感に浸りながら、嘲笑を恵んでいる。バクラが吐きすてた。視線が私たちへと移動する。

「自己紹介しよう。俺はトラゴエディア。十六夜アキといったな。素晴らしいデュエルであったぞ。実力にして、エド・フェニックスに迫るものがある。もっとも、その力を発揮できるのは、今回で最期になるだろう。永遠の闇へと、落ちてもらうからな。後ろに隠れているのが、ヨグ・ソトースの仔という輩か。その肉体を、器として使ってやろう。大いなる力を得られるというものだ」

「器として使う? 力を得て、何をするつもりなの?」 

「目的などない。ただの退屈しのぎだ。そうだな。まずは、俺を葬ってくれた遊城十代と万丈目準に、復讐を果たそう。地球上でもっとも繁殖している、人間という虫けら。互いに憎悪をぶつけあわせ、殺戮というゲームをさせる。じっくりと楽しませてもらうよ」

「人間は、虫けらじゃないわ!」

「強靭なる意志で向かってくる勇敢さは、誉めてやる。しかしな。立っているのがやっとの状態で、この俺と戦えるのか? そもそも、決闘する必要すらもない。貴様たちを喰らえばいいのだからな。恐怖するがいい。俺の真なる姿を」

 壮年男がだらりと崩れていき、両膝を地面に着けた。傾いた背中から、禍々しい黒霧が立ちあがる。それは形をなしていき、輪郭をくっきりと描いていく。漆黒の巨大怪物が、睨みおろしてきた。背中には、無数の棘。鋏状の右腕を振りかざし、4本指が生えた左腕を蠢かしている。6対の節足で支えられた下半身は、蟲のようだ。数えられないほどの牙が覗かれる大口からは、悪臭が吹きこんでくる。涎がぼとぼと垂れおちており、不快感がくすぐってくる。

「貴様らを喰らいつくそう。安心しろ。できるだけ、痛みは与えぬようにしてやる」

 急速な勢いで、右腕を叩きつけようとする。アルマが虹色球体を放とうとかまえるも、上手く放出できないようだ。焦燥をぱくぱく零している。そんな切迫中。黒影が飛びこんできた。《D・ナポレオン》なのだろうか? それは急速に巨大化していき、ローブをまとった骸骨へと変化した。骨手が、トラゴエディアの攻撃を受けとめる。抵抗しようにも、右腕は小刻みに震えるだけで、それ以上は動けない。山羊状の頭蓋骨。眼窩で青炎が揺れている。機械的な低声が流れてきた。

「人間が虫けらだと? この世界の理である我から見れば、汝もまた虫けらに過ぎない。我はダークネス。12次元宇宙の影だ」





【エピソード2-バクラの罠・その4】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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