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CROSS-14 闇の激突! ダークネスVSトラゴエディア

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(2008/08/20)
KENN、小林沙苗 他

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 ダークネスの出番は、ちょこまかあったり。

 十六夜アキさんは、デュエルに勝利した。実体化したダメージは小さくないもので、ハネクリボーからの癒しを注がれても、立っていられない状態に陥っている。片膝をついて、石畳に座りこんだ。闇のデュエルに敗北したバクラも、木にもたれかけていた。焦燥しきって、虚ろな眼差しを泳がせている。瘴気に包まれた、病院のミドルガーデン。丸時計が、こちこちと針を進めている。

「ダークネス。どうして、あなたが……」

 壮年男性に戻ったトラゴエディアが、じっと見上げている。ぎらついている双眸に宿っているのは、泡立つような憤怒。痛みに苛立っているようだ。私たちを喰らおうと乗りだしてきた怪物は、ダークネスによって阻止された。つかまれた右腕から、闇色の煙が昇っている。

「真実を語ろう。1枚のカードから、この世界が生まれた。カードの表と裏から、光と闇が現れた。広大なる宇宙が創造され、やがては、1つの星から知的生命体が進化していった。デュエルモンスターズの発展は、必然的なものである。トラゴエディアよ。己の意志を通したければ、この世界の根源であるデュエル・モンスターズで勝負をつけよ」

 ダークネスが、荘厳的な口調で語りかけていく。トラゴエディアも、圧倒されてはいない。余裕を全身に湛えながら、堂々とした言葉を投げあげる。

「この世界がカードにより創造されただと? ふん。面白い戯言をほざく骸骨だ。よかろう。デュエル・モンスターズで余興を楽しんでやろうじゃないか。シグナーの小娘には、決闘ができる体力も残っていまい。ならば、ダークネスよ。貴様が相手をしてくれるのか?」

「ダルク・ウェイトリィに敗北し、ほとんどのダークネスを喪失している。デュエル・モンスターズを進めていくだけの力すらも、我自身には残されていない」

 そう言葉を吐きだすと、ダークネスは《D・ナポレオン》へと縮小していった。目玉から羽足が生えているようなデザインだ。ぱたぱたと羽ばたいている。その姿に、トラゴエディアが苦笑する。立ちあがろうとするアキさんを制するように、ダークネスが地面へと降りてきた。

「十六夜アキよ。汝が決闘を行っても、敗北は必至。みすみすと命を落とすのみであろう。だが、ここに有力なるデュエリストがいる。アルマ・ウェイトリィよ。汝がトラゴエディアを倒すのだ」

 ダークネスが、私の肩に飛びのってきた。ローブ越しに伝わってくる、足爪の感触。何気ない呼びかけに、心臓がぎゅっと絞られてしまう。氷塊を体内に入れられたような気分だ。

「え、えぇっと……。何を言っているのですか? あんな怪物と私が戦えるわけないじゃないですか。怖くて震えるしかないのです。それに、私はダルク兄さんとは違うのですよ。デュエルの才能なんて、ぜんぜんないのです。私なんか、負けてしまうに決まっているのです」

「何が違う? 汝が使用している肉体は、ダルクと同じものである。根源なる才能差など、わずかながらも存在しないはずだ。あのデュエルで、我は汝らの魂を読みとった。ダルクのデュエルを体感しながら、汝は観察していた。デュエル・モンスターズの知識を吸収しているはずだ。汝の未熟さについては、我がサポートする。十六夜アキを救いたければ、デュエルをするしかない」

「アキさんを助けたい。でも、私なんかにデュエルなんて……」

「ダルク・ウェイトリィではなく、汝からダークネスに招くべきであったな。汝の可能性を狭めているのは、汝自身である。汝こそが、汝自身を最も否定している存在である」

「あなたに、私の何が分かるのですか!? そもそも……。どうして、あなたが手を貸してくれるのですか? 世界をダークネスで包みこみたい存在なのでしょう?」

「そんな力は、とっくに消失している。新たに生まれたのは、ヨグ・ソトースに対する興味。その仔であるダルク・ウェイトリィを失うわけにはいかない。そして、我はダークネス。知的生命体が抱える闇を知りつくした存在だ。汝の抱えているものなど、容易く読みとれる。恐怖しながらも、十六夜アキを救うための覚悟を固めはじめている。汝に合ったデッキを与えよう」

 手渡されたソレは、闇の眷属たちで構成されている。これが私にマッチしたデッキだというの? クリクリー。宙に浮きながら、ハネクリボーが私を注視している。

「何を考えているのか分からないけど、ダークネスの言うとおり。今は、君が戦うしかないんだ」

 そう言っているようだ。何が、闇の理だ。人の境遇も知らずに、ずかずかと踏みこんできやがって。でも、劣等感を盾にして逃げてしまえば、アキさんが殺されてしまう。自分を認めてくれた人を見殺にすれば、私は本物のクズになる。お兄ちゃんも、絶対に許さないであろう。勝てるかどうかなんて、予測できない。ドラコエディアを視界に入れるだけで、心臓バクバク。膝が震えてしまい、涙が止まらない。そんな私を見下して、壮年男が哂っていやがる。

「ちくしょう……」

 イライラする。トラゴエディアにではない。この期に及んでも、ビクビクするばかりの自分自身に。甘えやがって。怒りがふつふつと湧きあがってきて、ついには沸騰しだした。心線が切れてしまい、頬に衝撃が走る。自分自身の拳で、殴りつけてしまった。痛みは感じられないけど、気合が入る。獣のごとく、喉一杯に叫びだした。アキさんだけでなく、トラゴエディアまでがきょとんとしている。

「ア、アルマさん……?」

「アキさん。今から、あの調子に乗っているオッサンを倒すのです。安心して観戦してください。あぁーっ、もう! 腹が立ってきたのです。小動物みたいに、コソコソ生きてきたなんて!」

 もう1度だけ、喝を入れておいた。息も激しくなってくる。《クリボー》たちをデッキに加えた。

「笑っているだと? 恐怖のあまり、ついに壊れてしまったようだな。いいだろう。アルマ・ウェイトリィといったな。狂気に陥ったまま、永遠の退屈へと堕ちていくがいい」

「ヨグ・ソトースの仔を舐めるなよっ! 産まれたときから、とっくに壊れた存在なんですよ。そんな私を認めてくれたアキさんを守りたい。だからこそ、この決闘に負けるわけにはいかないのです! 行きますよ、ダークネス! あなたは信用していないけど、協力してもらうのです!」

「吹っきれたようだな。アルマ・ウェイトリィよ。汝も興味深い存在である。勝つぞ!」



『デュエル!』



【1ターン目:トラゴエディア】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「俺の先攻、ドロー。モンスター1体を裏側守備表示でセット。カードを1枚セットして、ターンエンド」



【2ターン目:アルマ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
トラゴエディア:モンスター1体を裏側守備表示でセットしている。魔法&罠カードゾーンにカードを1枚セットしている。


「アルマよ。まずは、リリース素材を確保せよ。上級モンスターへの足がかりにするのだ」

「了解なのです。私のターン、ドロー。モンスター1体を裏側守備表示でセットして、ターンエンド」

 大目玉を傾けながら、アドバイスをくれる。闇の大半を剥がされてしまったダークネスは、どこか変化したのかもしれない。貰ったカードにも、怪しげな力は感じられない。頭が切れてしまって吹きとんだ恐怖感も、じわじわと戻ってきている。手先が震えてきたけど、ハネクリボーやアキさんだって見守ってくれているんだ。あんなヤツに負けるものか!



【3ターン目:トラゴエディア】LP4000、ドローフェイズ後の手札5枚

(フィールド)
トラゴエディア:モンスター1体を裏側守備表示でセットしている。魔法&罠カードゾーンにカードを1枚セットしている。

アルマ:モンスター1体を裏側守備表示でセットしている。


「攻撃はしてこないか。まあよい。俺のターン、ドロー。手札からモンスター1体を墓地に送り、魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。デッキから《一眼の死霊:攻撃力300・Lv1》を攻撃表示で特殊召喚する。《一眼の死霊》と《千眼の死霊》をリリースして、《The supremacy SUN:攻撃力3000・Lv10》を攻撃表示でアドバンス召喚」

 黒太陽の化身が、漆黒色の輝きを放っている。がっしりと男性的な体格をしており、両足は存在せずに浮遊している。背後からは、黒太陽が燦々と照りかがやいている。

「《千眼の死霊》がフィールドから墓地に送られたことにより、デッキからレベル4以下の《三眼の死霊:攻撃力900・Lv3》を特殊召喚する。《三眼の死霊》のモンスター効果を発動。自身をリリースして、デッキから《黒太陽の使者:攻撃力0・Lv1》を手札に加える」

「《The supremacy SUN》がフィールドに存在するという条件は満たしている。《黒太陽の使者》を手札から墓地に捨て、デッキからカードを2枚ドロー」

「永続魔法《漆黒の太陽》を発動する。俺のモンスターが破壊されるたびに、その攻撃力分だけ自分ライフポイントを回復させる。さらに、俺の墓地から特殊召喚されたモンスターの攻撃力は、1000ポイントアップする」

「魔法カード《守備封じ》を発動。貴様の裏守備モンスター1体を攻撃表示に変更する」

 《インヴェルズの斥候:攻撃力200・Lv1》が強制的に引きずりだされて、攻撃態勢を取らされる。

「雑魚モンスターか。《The supremacy SUN》により、叩き潰してくれるわ!」


『SOLAR FLARE!』


 黒太陽から、圧倒的な破壊光が解きはなたれた。凄まじい衝撃が《インヴェルズの斥候》を貫いていく。その肉体は、イカロスの翼のごとく、粉々に砕かれていった。

「これで、2800ポイントの戦闘ダメージが貴様に与えられる」

「アルマよ。今こそ、精霊の力を使うといい」

「はいっ! 手札の《ボムクリボー》を墓地に捨て、モンスター同士の戦闘により発生するダメージを0ポイントにします。そして、相手ライフに800ポイントのダメージを与えるのです」

 クリリー! 頭から火花を散らした《ボムクリボー》。ぐるぐる回転しながら、《The supremacy SUN》に体当たり。派手に爆発し、襲いかかる黒太陽の衝撃をかき消す。トラゴエディアが爆風に巻きこまれて、ダメージを負ったようだ。残りライフは、3200ポイントへと焦がされていく。

「おのれ……。《ハネクリボー》以外にも、《ボムクリボー》というカーがいたのか。カードを1枚セットして、ターンエンド」



【4ターン目:アルマ】LP4000、ドローフェイズ後の手札5枚

(フィールド)
トラゴエディア:《The supremacy SUN:攻撃力3000・Lv10》が攻撃表示。永続魔法《漆黒の太陽》が発動中。魔法&罠カードゾーンにカードを2枚セットしている。

アルマ:無し。


「私のターン、ドロー。魔法&罠カードゾーンにカードが存在しないので、墓地から《インヴェルズの斥候:攻撃力200・Lv1》を特殊召喚します。破壊されても、リリース素材は確保できるのですね」

「アルマよ。《The supremacy SUN:攻撃力3000》が破壊されたとき、《漆黒の太陽》の効果により、トラゴエディアはライフを3000ポイントを回復する。さらに、次の自分スタンバイフェイズに、手札を1枚捨てることにより特殊召喚される。《漆黒の太陽》の効果で攻撃力1000ポイントアップした状態でな。だが、心配する必要はない。そのコンボを回避するためには、《The supremacy SUN》を破壊しなければいいだけの話だ。破壊せずに除去するのだ」

「ダークネスさんの言いたいことが、とても分かりました。《インヴェルズの斥候》をリリースし、《インヴェルズ・モース:攻撃力2400・Lv6》を攻撃表示でアドバンス召喚!」

 蛾のデザインをした悪魔さんだ。大羽を振りながら、優雅に舞いおりてきた。鞭状の長尻尾を、ゆらゆらとさせている。これが《インヴェルズ》なのですか。恐ろしい相貌をしているが、味方になると頼もしい存在なのです。

「《インヴェルズ・モース》のアドバンス召喚に成功により、ライフを1000ポイント払い、相手フィールド上のカード2枚、《The supremacy SUN》とセット・カード1枚を持ち主の手札に戻します」

 私のライフは、3000ポイントにまで減少していく。《インヴェルズ・モース》が蛾羽を舞わせ、黒鱗粉を含んだ大風を巻きおこした。黒太陽の化身も耐えられずに、フィールドから吹きとばされていく。破壊されたわけではないので、《漆黒の太陽》の効果でライフ回復はできないのだ。

「これで、あなたを守るモンスターもいなくなりましたね。《インヴェルズ・モース》でダイレクト・アタック! 2400ポイントの戦闘ダメージを受けるのですよ!」

 《インヴェルズ・モース》が、トラゴエディアに向かって猛スピードで羽ばたいていく。

「ライフを半分払い、罠カード《破滅の未来》を発動する。《インヴェルズ・モース》を破壊して、その攻撃力分だけのダメージを貴様に与える」

「手札から速攻魔法《侵略の一手》を発動。アドバンス召喚に成功した《インヴェルズ・モース》を手札に戻して、カードを1枚ドローするのです」

 ライフを無駄に支払って、残り1600ポイント。トラゴエディアが呻きだす。

「カードを1枚セットして、ターンエンド」

 ダークネスさんがついているとはいえ、ここまで私が戦えるなんて。アキさんを助けられそうだ。……いや、トラゴエディアが哂っている。嫌な予感が漂ってきた。





【エピソード2-バクラの罠・その5】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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