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CROSS-21 スフィンクスの使者! レジー・マッケンジー

遊・戯・王GX 6 (ジャンプコミックス)遊・戯・王GX 6 (ジャンプコミックス)
(2009/11/04)
影山 なおゆき

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 この2人の対戦は、以前にも書いていたり。

 中央病院での一件以降、しばらく入院するはめになった。闇のデュエルによるダメージが、予想以上に大きかったからだ。長期入院している難病で苦しむ患者さんを目にして、私も何とかしたいという気持ちが膨らんでいった。サイコパワーで癒せても、根本的な治療はできない。基礎から医学を学んでいくしかないだろう。医者の仕事ぶりを目にしたせいだろうか。将来への指針が、プロデュエリストから医療関係へと傾いていく。ドクターになるためには、デュエルをする時間も減らさなければならない。デュエリストとして思い残さないように、WDGPに出場することにした。

 周囲を見渡すと、さまざまなデュエリストが集まっている。アカデミアの同級生もいたけど、それほど親しくもなく、簡単な挨拶だけで済ませておいた。参加しているはずのルアくんは、視界に入ってこない。2400人を超える出場者が、あちらこちらに散らばっているんだ。別場所にいるのだろう。ソリッド・ヴィジョンのディスプレイに、馴染みのMCさんが映された。ざわざわとした喧騒の中、彼のハイテンションな解説を聴いていく。フィールド魔法の自動発動には注意が必要か。大会予選開始と同時に、デュエリストの咆哮が上がった。私も、思いっきり叫んでみる。



「いい声だったぜ、十六夜。気合が入っているのが伝わってきたよ」

 そう声をかけてきたのは、親友であるクロウだ。パトロールの制服を着込んでいる。たしか、WDGP予選では不正監視の仕事をしているそうだ。クロウも役目を果たすのだろう。それにしても、今のを聞かれてしまったのか。かーっと、頬が熱くなってくる。遊星でないのが、まだ救いだろうか。

「恥ずかしがるなよ。立場が立場だから、中立にいるべきなんだが。応援しているぜ、十六夜」

「ありがとう、クロウ。優勝するつもりで頑張るわ」

「その意気だ。鉄砲玉のクロウ様は、不正野郎を取り締まってやるぜ。安心してデュエルするんだな。そういえば、つい最近まで入院していたんだってな。体調の方は大丈夫なのか?」

「ばっちり。闇のデュエルでダメージを受けただけよ。すっかりと回復したわ」

「闇のデュエルか。十六夜が戦った相手は、獏良了らしいな。どうして、今になって伝説の決闘者が現れたんだ? それも、若い姿のままで。牛尾に訊いてみたんだが、同じ高校に通っていたらしいぞ。バクラが顔出すにしても、オッサンになっていないと辻褄が合わない」

「そうよねぇ。おかしいことだらけだわ。アルマさんについても気になるし」

「ダルクの妹か。カーリー情報によれば、ダルクは大会に出場しているらしいな。ま、考えこんでも仕方がないか。今はやるべきことを頑張っていこうぜ」



 クロウと別れて、大通りを歩いていった。シティあげてのデュエル・カーニバルだ。屋台までもが並んでいる。観戦者たちが駆けまわっている。クラスメイトに勝負を挑もうとしたが、慌てて逃げられてしまった。軽く溜息をついてしまう。ダルクさんも出場するのか。彼女とは会ったことないけど、どんな人だろう? なぜか、遊星を避けているらしい。デュエルの実力も相当らしいから、勝進めれば対戦できると期待している。三眼の魔女と恐れられているウィン・カーウィンは参加しているのだろうか? 自分自身のデュエルよりも思考を奪っていく要素が多すぎる。

「あなた。十六夜アキさんだね?」

 背後から、声を投げられた。ただものではないオーラ。背筋に震えが上っていく。慎重にふりかえると、白人女性が笑顔を向けてきた。私と同世代だろう。ずいぶんとグラマラスな体つきをしているせいか、男性陣の視線を集めている。余裕を称えた笑みで、私を見下しているようだ。

「あなたはシグナーの1人と聞いているわ。初めまして。ワタシはレジー・マッケンジー。いきなりで悪いけど、スターチップを賭けてデュエルをしてくれないかしら?」

 シグナーを知っている!? ふと彼女の右手甲が視界に這入りこんできた。何のマークだろう? 何者かは分からないけど、不審な気配が漂っているけど、私はチーム5D’Sのデュエリスト。

「いいわよ。あなたの挑戦を受けるわ」

「サンキュー。素晴らしいデュエルを楽しみましょう」



『デュエル!』



 レジーのピアスから、闇瘴気が湧きだしてくる。私にしか視えないのだろうか。観戦者は反応していない。暗黒が輝いた。冷酷なレジーの双眸が哂いだし、サインが大きく明滅した。それは一瞬のことだったが、印象に深く刻まれた。スフィンクスだ。彼女の右手甲に刻印されているのは、顔の空ろなスフィンクスだ。闇のデュエルが始まろうとしている。



【1ターン目:アキ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

 自動的にフィールド魔法《天空の聖域》が発動された。どこまでも続くような雲の大地に、浮遊する神殿。聖なる光にあふれた場所であるはずが、薄っすらとした闇霧に包みこまれている。そういえば、ここは大教会の間近にある。レジーが嫌みたらしい笑みを隠そうともしない。この表情からすると、彼女は天使族モンスターの使い手であろうか。

「私の先攻、ドロー。永続魔法《種子弾丸》を発動。植物族モンスターがフィールドに召喚・特殊召喚されるたびに、このカードにプラント・カウンター1つを乗せる」

「《イービル・ソーン:攻撃力100・Lv1》を召喚し、モンスター効果を発動。このカードをリリースし、相手ライフに300ポイントのダメージを与える。そして、デッキから同名モンスター2体を攻撃表示で特殊召喚する」

 桃色花を萎れさせている植物が伸びてきた。棘に覆われた黒実を爆発させた。黒粒が弾丸のように注ぎこんで、レジーのライフを3700ポイントにまで減らしていく。さらに、《イービル・ソーン:攻撃力100・Lv1》2体が地面から生えてくる。

「永続魔法《超栄養太陽》を発動。《イービル・ソーン》1体をリリースして、デッキから《ローンファイア・ブロッサム:攻撃力500・Lv3》を特殊召喚。《ローンファイア・ブロッサム》をリリースして、モンスター効果を発動。デッキから《椿姫ティタニアル:守備力2600・Lv8》を特殊召喚」

 《超栄養太陽》は、呼びだした《ローンファイア・ブロッサム》がフィールドから離れたことにより自壊した。気高き花女神である《椿姫ティタニアル》が守備表示で屈みこむ。

「魔法カード《フレグランス・ストーム》を発動。残りの《イービル・ソーン》を破壊して、デッキからカード1枚をドロー。ドローしたカードは《返り咲く薔薇の大輪:植物族》。よって、もう1枚ドロー」

「このターンに植物族モンスターの召喚・特殊召喚は4回行われ、《種子弾丸》にプラント・カウンターが4つ溜まっている。このカードを墓地に送り、プラント・カウンター1つにつき500ポイント、合計2000ポイントのダメージを与えるわ!」

 《イービル・ソーン》とは比べものにもならない弾丸嵐。レジーの全身が穿たれていき、痛みに踊っている。そのライフを1700ポイントにまで削りこんだ。観客からどよめきが巻きあがる。しかし、油断はできない。レジーが天使族モンスターを召喚してしまえば、容易に戦闘ダメージを与えられなくなるのだから。大ダメージを受けながらも、彼女は自信を崩さない。

「カード1枚をセットして、ターンエンド」



【2ターン目:マック】LP1700、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
アキ:《椿姫ティタニアル:守備力2600・Lv8》が守備表示。魔法&罠カードゾーンにカードを1枚セットしている。

フィールド魔法《天空の聖域》が強制発動中。


「1ターン目でライフを半分以下にまで削るなんて、やるじゃない。だけど、あなたの快進撃もここまでよ。ワタシのターン、ドロー。手札から《ヘカテリス:攻撃力1500・Lv4》を墓地に送り、デッキから永続魔法《神の巨城-ヴァルハラ》を手札に加え発動。自分フィールドにモンスターが存在しないとき、手札から天使族モンスターを特殊召喚できる。もちろん、高レベルモンスターもね」

 轟音が鳴響き、荘厳なる神殿が立ちのぼった。蔦の絡まった白柱に、ビロードの赤幕を背にした玉座。2体の石像が、仕えるように下段に設置されている。やはり、天使デッキだ。

「魔法カード《トレード・イン》を発動。手札から《The Splendid VENUS:攻撃力2800・Lv8》を捨て、デッキからカード2枚をドロー」

「《神の巨城-ヴァルハラ》の効果により、手札から《アテナ:攻撃力2600・Lv7》を特殊召喚し、《コーリング・ノヴァ:攻撃力1400・Lv4》を召喚。《アテナ》のモンスター効果を発動。《コーリング・ノヴァ:天使族》を墓地に送り、墓地から《The Splendid VENUS:天使族》を特殊召喚!」

 リング状のクリスタル天使が雲下に沈んでいき、黄金色の機械天使が飛翔してきた。2対もの白翼を広げ、雲海が波打つ。自然と溜息が震えてしまう。

「プラネット・シリーズ《The Splendid VENUS》の美しさに見蕩れているようだね。《アテナ》が場に存在するかぎり、天使族モンスターが召喚・特殊召喚されるたびに、相手ライフに600ポイントものダメージを与える。合計1200ポイントのダメージを受けなさい!」

 古代ギリシャの衣装をまとった美麗なる女性。腰まで届きそうな銀髪をなびかせながら、右手にした矛を振りかざした。衝撃波が私を貫いて、ライフは2800ポイントにまで砕かれた。リアルな痛みが、胸に鼓動している。指先を口につけながら、レジーが笑みを凍らせた。

「これは闇のデュエルよ。痛みは現実のものとなる。そろそろ気がついたかしら?」

 レジーの視線を追って、自分の体へ。私の腹部が消えている? 気がつけば、レジーも肉体の一部を消失している。そのこと自体を愉しんでいるかのように、レジーがターンを続ける。

「《The Splendid VENUS》がフィールドに存在するかぎり、天使族モンスター以外の攻撃力と守備力は500ポイント下がるわ。《アテナ》で《椿姫ティタニアル》に攻撃!」

 矛先から衝撃波がほとばしる。守備力2100ポイントにまでダウンさせられた《椿姫ティタニアル》。戦闘破壊はさせない。そういえば、プラネット・シリーズはトラゴエディアも使用していた。何かのつながりが、あるのだろうか?

「手札から《ガード・ヘッジ》を墓地に送り、この戦闘での破壊を無効にする」

「戦闘破壊を防げるのは、1度だけのようね。《The Splendid VENUS》でアタック!」

 黄金天使が握りしめたロッドから、同色の輝きが放たれる。オーロラのごとき閃光は、爆壁を天まで突上げて、《椿姫ティタニアル》を容赦なく飲みこんだ。圧倒的なパワーを有した天界の使者。《ガード・ヘッジ》の効果により、敗北から免れた。

「さすがに、2ターン目で勝利を奪えないようだね。カード1枚をセットして、ターンエンド」



【3ターン目:アキ】LP2800、ドローフェイズ後の手札3枚

(フィールド)
アキ:魔法&罠カードゾーンにカードを1枚セットしている。

マック:《The Splendid VENUS:攻撃力2800・Lv8》&《アテナ:攻撃力2600・Lv7》が攻撃表示。永続魔法《神の巨城-ヴァルハラ》を発動中。魔法&罠カードゾーンにカードを1枚セットしている。

フィールド魔法《天空の聖域》が強制発動中。


「私のターン、ドロー。《夜薔薇の騎士:攻撃力1000・Lv3・チューナー》を召喚し、そのモンスター効果により、手札から《返り咲く薔薇の大輪:攻撃力1300・Lv4・植物族》を特殊召喚」

「レベル4《返り咲く薔薇の大輪》に、レベル3《夜薔薇の騎士》をチューニング!」

「冷たい炎が、世界の全てを包みこむ。漆黒の花よ、開け! シンクロ召喚! 現れよ、《ブラック・ローズ・ドラゴン:攻撃力2400・Lv7》!」

 紅薔薇のごとき、ドラゴンがビル街に舞いあがった。魔女の使いと恐れられた《ブラック・ローズ・ドラゴン》も、今では拍手喝采を湧かせる。この戦況から逆転するためには、あなたに頼るしかない。

「《ブラック・ローズ・ドラゴン》のシンクロ召喚に成功したことにより、フィールドのカード全てを破壊する。ブラック・ローズ・ガイル!」

「この聖域での暴虐は許されない。《The Splendid VENUS》の怒りを受けなさい! 《天空の聖域》の存在により、カウンター罠《神罰》を発動。《ブラック・ローズ・ドラゴン》のモンスター効果を無効にして破壊するわ!」

 紅薔薇の暴風を受けながら、レジーが右腕を広げた。《The Splendid VENUS》がロッドを、天上に浮かぶ浮遊神殿へとかざす。神殿が眩光し、裁きの稲妻を《ブラック・ローズ・ドラゴン》へと下した。そんな……。





【エピソード3-WDGP予選編・その5】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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