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CROSS-27 新たなる強敵登場! マリク・イシュタール

遊戯王 デュエルモンスターズ Vol.23 [DVD]遊戯王 デュエルモンスターズ Vol.23 [DVD]
(2002/07/17)
風間俊介、津田健次郎 他

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 ようやく、予選1日目が終了であります。某キャラの登場は、これで最後となります。

「《古代の機械石像:攻撃力500・Lv2》を召喚。魔法カード《機械複製術》を発動し、デッキから攻撃力500ポイント以下の機械族モンスター《古代の機械石像》2体を特殊召喚します。《古代の機械石像》をリリースすることで、《古代の機械巨人:攻撃気力3000・Lv8》を召喚条件を無視して特殊召喚。手札から3体の《古代の機械巨人》を特殊召喚するであります!」

 ルドルフ・ハイトマン教頭が使用するのは、アカデミア伝統のアンティーク・ギア・デッキ。アスファルトを巻上げながら、3体もの機械巨人が立ちあがった。橙色が差しこんで、古風な雰囲気が引きだされているような感じがする。午後5時近く、これが今日最後のデュエルとなるだろう。ルアは《パワー・ツール・ドラゴン》で立ちむかう。

「《古代の機械巨人》で《パワー・ツール・ドラゴン》を攻撃。このカードが攻撃する場合、ダメージステップ終了時まで魔法&罠カードを発動できませんよ。アルティメット・パウンド!」

 歯車が不器用に噛みあう音。溜めきったバネを開放するかのように、一直線に鉄拳が貫いてくる。《パワー・ツール・ドラゴン》は破壊される場合、代わりに装備魔法を墓地に送れる。2枚もの装備カードを身代わりにして、2度にわたる攻撃に耐えられた。3撃目となると、そうはいかない。胸にめりこんだ拳が、黄色いボディにひびを走らせていく。ルアのライフは1900ポイントにまで削られた。戦闘破壊される間際、《パワー・ツール・ドラゴン》が反撃を試みる。

「《パワーツールD&C》の効果で、ダメージステップ終了時に《古代の機械巨人》を破壊するよ」

 壊れそうなボディのまま、《パワー・ツール・ドラゴン》が右腕の回転カッターを振りあげた。ぼとり、ぼとりとパーツが落ちていく。《古代の機械巨人》の1体を斬りさいた。力尽きた《パワー・ツール・ドラゴン》は、相手モンスターもろとも爆破した。

「《古代の機械巨人》の1体がやられましたが、仕方ないであります。魔法カード《レベルサンダー》を発動。私のフィールドにいるモンスターのレベル合計×100ポイントダメージを与えます。1600ポイントのダメージを受けなさい!」

 衝撃波がルアに叩きつけられた。残りライフは300ポイント。ふふんと鼻息を吹かして、ハイトマン教頭がエンド宣言をした。遊星の特別授業を受けてから、低レベルモンスターの価値を認めるようになっている。そのせいか、以前のような嫌味は感じられない。



【3ターン目:ルア】LP300、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
ルア:無し。

ハイトマン:《古代の機械巨人:攻撃気力3000・Lv8》2体が攻撃表示。


「オレのターン、ドロー。魔法カード《D・スピードユニット》を発動するよ。手札の《D・クロックン》をデッキに戻し、《古代の機械巨人》を破壊。デッキからカード1枚をドローする」

 《D・クロックン》のハイスピード・アタックを受け、《古代の機械巨人》の1体が砕かれた。これで、《古代の機械巨人》は残り1体。ハイトマン教頭が、あわわと焦りだした。

「《D・モバホン:攻撃力100・Lv1》を召喚。モンスター効果を発動。ダイヤル・オン! 出た目は3。デッキからカード3枚をめくり、その中にある《D・パッチン:攻撃力1200・Lv4》を特殊召喚する。《D・パッチン》のモンスター効果を発動。《D・モバホン》をリリースして、最後の《古代の機械巨人》を破壊するよ。これで、《古代の機械巨人》は全滅だ!」

 《D・パッチン》がスリングショットにメタモルフォーゼ。《D・モバホン》が弾代わりとなり、ゴムが引張られていく。収縮力をスピードに変えて、《D・モバホン》が発射された。《古代の機械巨人》に衝突し、がらがらと鉄身を崩していった。

「魔法カード《ジャンクBOX》を発動。墓地から《D・ラジオン:攻撃力1000・Lv4》を召喚。モンスター効果により、《D》の攻撃力は800ポイント上昇する。手札から速攻魔法《百機夜工》を発動。墓地から《D・スコープン》を除外して、《D・パッチン》の攻撃力は200ポイントアップ!」

 《D・ラジオン》は攻撃力1800ポイントに、《D・パッチン》は攻撃力2200ポイントになった。合計で4000ポイント。2体での直接攻撃が決まれば、ルアの勝利だ。勢いよく叫びあげる。

「《D・ラジオン》と《D・パッチン》でダイレクト・アタック!」



「とほほ……。本当に強くなりましたね。私の負けです。スターチップを渡しましょう」

 悔しそうにしょぼくれているが、スターチップを握った手先が弾んでいた。グローブを確認したルアが溜息をつく。同じのがダブっていたからだろう。狙ったスターチップを集めるのは難しい。5つのスターチップを確認して、教頭が優しく諭してきた。

「それだけ稼げば、十分に凄いじゃないですか。誇りにするであります。3種類集めていますし、決勝戦進出も遠くはありません。校長先生の情報によれば、アカデミア生徒の大半が1日目で脱落しました。もっとも集めたのは、十六夜アキさんでしょうか。4種類とリーチ状態であります」

「さすがは、アキねーちゃん。ハイトマン教頭は?」

「残念ながら、今のデュエルで脱落。2勝はできたのですが、仮面の決闘者コンビに敗北しました。響 紅葉と響 緑。間違いなくプロクラスと感じられました。圧倒的な強さに手足も出なかった。悔しいことに、『よくアカデミアの教師が勤まるわね』と哂われたのであります」

「ひっでーな。昔は嫌味な性格をしていたけど、今は善い先生なのにね」

「そう言われると、こそばゆい。2人とも、右手に奇妙な痣をつけていました。生徒たちから聞くに、そのようなデュエリストがあちらこちらで見られたそうですね。バンデッド・キースと名乗る決闘者もいて、スターチップを荒稼ぎしているようです。生徒たちが犠牲になりました」

 ルアも息を飲みこんだ。伊集院セクトにタイタン。右手甲にサインが刻まれたデュエリスト相手に戦ったからだ。他にもいたのか。遊星に相談したいけど、研究で忙しそうだし……。

「今日のところは疲れたでしょう。帰ってから、明日に向けて休息するのであります。カーニバルで楽しいですけど、寄道はいけません。ルアくんは、デュエル以外の宿題もするように。担任が愚痴っていましたよ。ルカさんも体調は大丈夫ですか? 少しでも悪くなれば、病院で診てもらうのであります。それでは、明日からのデュエルも応援しているのであります」

「はぁーい!」

 返事が重なった。橙色が濃くなってきた。MCによる放送が流れてきて、今日の予選終了を告げた。さぁて、家に帰ろうか。ハイトマン教頭に注意されたけど、ちょっとぐらいならいいかな? ディナーは外食にしよう。D・ボードを漕ぎながら、ルアを先導していく。さすがに疲れたのか、足どりが重くなっている。私が荷物を持とうとしたけど、断られてしまった。



 できるだけ大通りを進んでいく。夜の裏通りって危ないから。綺麗なお姉さんとすれ違った。眼鏡をかけて、ブラウンのショートヘアー。お医者さんなのだろうか、白衣を着ている。不思議な魂を感じられる人だったので気になった。ルアは歩きながらも、デッキと睨めっこ。《Sp》を含めて、サイドデッキが30枚もある。デッキをどう対応させていくかで悩んでいるのだろう。このままだと、人にぶつかってしまうかもしれない。注意しようとしたけど、ドカッとぶつかる鈍音が響いた。

「おいっ、この野郎! どこ見て歩いていやがるんだ!?」

 怒声が響き、通行人の視線が集まる。大柄な黒人のオジさんが、男性の髪をつかんでいる。今朝見たのを思いだした。たしか、堂々と信号無視をしていた気がする。さすがにルアも顔上げて、この状況をまじまじと眺めている。野次馬が集まり、ざわめきが湧いてきた。

「俺はなっ、予選失格して苛ついているんだ。ぶっ殺されてぇのか!」

 オジさんは鼻毛を千切って、男性の顔に吹きかけた。絡まれている男性は、デュエルグローブを着けている。WDGP出場者のようだ。怒鳴っているオジさんよりも、彼から恐怖を感じてしまう。褐色肌に、逆立った黄金色の髪。右手には黄金ロッドを握っている。そこから流れだしているのは闇。クリボンが心配そうに、ささやきかけてきた。指先から震えが這いあがってくる。

「どうやら、貴様は俺を怒らせたようだ。WDGP予選外となるが、デュエルをしようじゃないか。ただし、痛みがリアルとなる闇のデュエルをな。闇の生贄として、貴様を捧げてやるよぉ」

 貼りついた鼻毛を払いながら、ぎらついた双眸で睨みつけている。D・ディスクで選手情報を確認。マリク・イシュタールというネーミングで登録されている。

「大仰な言草をしやがる若造だな。いいぜ。デュエルを受けてやるよ」



『デュエル!』



「レベル3《C・スネーク》に、レベル3《C・コイル》をチューニング! 《C・ドラゴン:攻撃力2500・Lv6》を攻撃表示でシンクロ召喚!」

「《C・スネーク》のモンスター効果を発動。《レジェンド・デビル:攻撃力1500・Lv6》に装備して、その攻撃力を800ポイントダウンさせる。《C・スネーク》が装備されたモンスターが戦闘破壊された場合、装備モンスターのレベル分だけデッキ破壊を行なう」

「《C・ドラゴン》のモンスター効果を発動。墓地から《C》4体を除外して、エンドフェイズまで攻撃力を800ポイントアップさせる。このカードが戦闘ダメージを与えた場合、3枚のデッキ破壊を行なう。《C・ドラゴン》で《レジェンド・デビル》を攻撃する。チェーン・ブラスト!」

「そうはいかない。永続罠《拷問車輪》を発動。《C・ドラゴン》の攻撃を封じる」

 《C・ドラゴン》が複数のチェーンを撃ってきたが、ことごとく弾きかえされた。巨大車輪に絡めとられて、《C・ドラゴン》が動きを封じられてしまう。戦闘破壊も、デッキ破壊も失敗したようだ。焦燥を隠せないままに、鷹栖と名乗ったデュエリストはエンド宣言をした。

「俺のターン、ドロー。スタンバイフェイズだ。《拷問車輪》の効果により、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。さぁ、じっくりと苦しむがいい」

 マリクが哂った。車輪が回転を始め、《C・ドラゴン》の身体を締めあげていく。同時に、鷹栖が絶叫した。身を捩じらせながら、アスファルトでのたうちまわっている。私には視える。プレイヤーとモンスターをつなぐ糸が。モンスターへのダメージが、プレイヤーへの痛みとして伝っているんだ。

「闇のデュエルは始まったばかりだ。スタンバイフェズ毎に、《レジェンド・デビル》は攻撃力を700ポイント上昇させていく。速攻魔法《サイクロン》を発動し、装備されている《C・スネーク》も外す。《ダーク・ジェロイド:攻撃力1200・Lv4》を召喚し、《C・ドラゴン》の攻撃力を800ポイント下げる」

 グロテスクな悪魔が触手を伸ばして、《C・ドラゴン》を刺貫いた。野太い悲鳴が大きくなる。デュエルよりも、相手を苦しめることに悦びを感じているようだ。マリクの顔が持ちあがり、歪めた視線を私たちへと向けてきた。とっさに、ルアが私を庇う。

「ガキには興味はないが、俺と当たれば地獄を味あわせてやるよ。たっぷりとな。それまでに、スフィンクスの使徒どもから殺されないように気をつけるがいい」

 まるで、顔の輪郭そのものが揺らいでいるようだ。震える指先を、ルアが押えてくれる。時間もかからないうちに、闇のデュエルという拷問は終了した。通報を受けたクロウがついた頃には、鷹栖が意識を失っていた。マリク・イシュタールに、スフィンクスの使徒。いったい、何者なの……。





【エピソード3-WDGP予選編・その11】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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