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CROSS-37 サティスファクション

遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【4】遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【4】
(2009/06/17)
宮下雄也、星野貴紀 他

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 ダルクにとって、WDGP予選での最大の試練となります。

 WDGP予選の2日目。デュエルに熱中したせいか、ランチタイムが大幅に遅れてしまった。午後2時を大幅に過ぎている。ピークを超えたとはいえ、お客さんがたくさんだ。ハンバーガーやホットドッグを中心に売られているファミレスといった感じかな。値段は高めだけど、そこいやのファーストフードと比べものにならないほどに美味しそうだ。具材豊富なサンドウィッチをトレイに乗せて、向かいあった2人席についた。イスもふんわりとして柔らかい。フリードリンクをオーダーしたので飲み放題だ。アウスの分も注いでこようとしたけど。

「ダルクくんは何がいい? 紅茶、コーヒー?」

「アイス・レモンティーがいいなぁ。味の濃そうなサンドウィッチだから、すっきりしたいの。でも、飲物ならボクが運んでくるよ。アウスもお腹空いているでしょ? 先に食べていてよ」

「それは駄目なの。ずっとデュエルして、ダルクくんは頑張ったよ。こういうのは私に任せて」

 ぽんぽんとボクの頭を撫でて、アウスはドリンクバーにまで行ってしまった。白衣姿で歩いていく親友を見送る。デュエルグローブを着けているせいか、テレビに顔を出したせいか、周囲から視線がぽつぽつと刺さってくる。ただでさえ、ボクの容姿は人形ぽいからね。タマゴたっぷりで、ハムとサラダがつやつやとしている。トマトの赤みも映えている。一口だけでもかじりつきたいけど、我慢しよう。アウスと一緒に食べたいのだから。

『ボマーさんの後もデュエルを続けたけど、スターチップは4種類のままなのです』

『5種類をコンプリートしなければいけないのが難しいところだね。時間もあるから頑張っていこう。それにね。たくさんデュエルできて、ボクとしても楽しい。ツァン・ディレさんって六武衆使い、本当に強かったね。アキさんに何度も勝ったことあるって実感できたよ』

『《ハネクリボー》がいなければ、スターチップを奪われていたところなのです。素敵に進化しちゃって、相手も吃驚仰天していましたね。武将たちが全滅しちゃいましたし。明日の午前中にもスターチップ集めはできますけど、期待しない方がいいらしいね』

『夕方にまで集めないと。闇カードの使用者もいるみたいだし、油断できないね。ボク、頑張るよ」

 アルマとの脳内会話。最後の部分だけ声に出してしまった。突然、大きな悲鳴がつんざいた。テーブルに座っていたハネクリボーが慌てだす。どうしたのだろう? 銃砲が鳴った。さらには、怒鳴り声が津波のように押しよせてくる。楽しげな雰囲気だったのに、恐怖一色で塗りかえられてしまった。

「てめーら全員、大人しく床に伏せろ!」



 自分でシド様と名乗っていたから、そういう名前なのだろう。スキンヘッドで、マーカーを顔面に走らせている。お洒落な場所に相応しくない、汚れきった衣装だ。目つきも危ない。

「お前ら、ずいぶんと美味そうなモンを食べているじゃねぇか。脱獄生活が続いて、まともなモノを喰ってねぇんだ。まずは、何か用意をしろ! 俺は両手がふさがっている。誰か、飯を運んでこい! 準備が整ったら、ジャック・アトラスの野郎をぶっ殺してやる!」

 両手が震えて、吐気までしてきた。シドはアウスを絡めとリ、人質にしていやがる。銃口を頭に突きつけて、下手に動けもしない。突然、シドがレーザー銃を撃ちだした。男性の悲鳴があがり、カラカランと落下音が転げまわった。目前で伏せっている人が大柄で、何が起こっているのか伺いにくい。顔を上げようものなら、すぐにも感づかれるだろう。どうすればいいんだ。

「間抜け野郎が。背後からフライパンで殴ろうとしやがって、何とかなると思ったのか? コックさんよぉ。まぁ、撃ったのは脚だから、命は助かると思うぜ。しかしよぉ。人質にとってみたが、こいつは特上の女だぜ。ふへへっ。連れまわしすだけでも、いろいろと楽しませてくれそうだよ」

 頭を銃先でかきまわされ、アウスの表情が苦痛で歪んでいる。視界が真赤になりそうだ。

『お兄ちゃん。冷静になってくださいよ。跳びだしてしまえば、アウスさんが怪我をするかもしれません。幸いにポリスが多いのです。今は大人しくしていましょう』

『だけど、あいつの目がやばいよ。飢えた獣みたいで、何をするのか分からない』

 誰にも聞こえないアルマとの相談。ひゅっと風を切るような音がし、野太い悲鳴が軋んだ。反射的に顔を持ちあげると、シドの右手にカードが刺さっている。隙を見て、アウスが落ちた銃を蹴った。ボクも駆けだし、逃げてきたアウスを抱きしめた。不安が急速に引っこんでいき、怒りよりも安堵が勝っている状態だろうか。どこからか、ハーモニカの音色が流れこんできた。



 トイレから出てきたのは、銀髪の男性。なぜかハーモニカを奏でながら、ゆっくりと歩いてきた。シドが殴りかかろうとするも、クロスカウンターを叩きこんだ。細身なのにパワフルなパンチだ。木床に倒れこんだシドは、口元の血をぬぐいながら睨みあげた。

「WDGPで盛りあがっている日に、下らない真似をするんじゃない。これじゃあ、満足できねぇぜ。表に出ろよ。どうせなら、この鬼柳京介とデュエルで決着をつけないか?」

「ふざけやがって。貴様は許せねぇ! いいぜ。デュエルしてやるよ」

 シドはデッキとデュエル・ディスクを持っていた。決闘が始まる。



【2ターン目:シド】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
鬼柳:モンスター1体を裏側守備表示でセットしている。永続魔法《インフェルニティ・ガン》を発動中。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。


「俺のターン、ドロー。魔法カード《マッド・ホィール》を発動。手札からホィール・モンスターを片っ端から特殊召喚できる。エンドフェイズに破壊されてしまうがな。出でよ! 《アサルト・ホィール:攻撃力2300・Lv4》2体に、《キャノン・ホィール:攻撃力500・Lv2・チューナー》!」

「レベル4《アサルト・ホィール》に、レベル2《キャノン・ホィール》をチューニング!」

「狂い咲け! 爆裂音! カードの荒野に戦列の轍を刻め! シンクロ召喚! 轟け、《コンバット・ホイール:攻撃力2500・Lv6》!」

「《キャノン・ホィール》がシンクロ素材にされたことにより、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。これで、てめーのライフは3500ポイントだ。さらに、永続魔法《ブロック・ダグアウト》を発動。自分レベルモンスターの合計が相手のを超えているとき、相手モンスターは攻撃できない」

「手札の罠カード《プランダー・デコイ》を捨て、《コンバット・ホイール》のモンスター効果を発動。《アサルト・ホィール》の攻撃力の半分だけ、エンドフェイズまで《コンバット・ホイール:攻撃力2500→3650》をパワーアップさせる。《アサルト・ホィール》で裏守備モンスターを攻撃だ! このモンスターは貫通効果を持っているぜ。このターンで貴様は死ぬんだよっ!」

「罠カード《インフェルニティ・インフェルノ》を発動。手札2枚を捨て、デッキから《インフェルニティ》2体を墓地に送る。これで、手札は0枚になった」

「自分から手札を失うとは、自爆行為としか思えねぇぜ。この間抜け野郎!」

 相応のデメリットは持っているようだけど、レベル4にしては攻撃力が高い。おまけに守備モンスターとのバトルでも戦闘ダメージを与える効果付きなんて。下半身が巨大車輪となっている人型兵機が猛ダッシュ。《インフェルニティ・ガーディアン:守備力1700・Lv4》が高馬力アタックを受けるも、踏んばっている。ガードできなければ、鬼柳が負けてしまう。

「手札が0枚のとき、《インフェルニティ・ガーディアン》は破壊されない」

「だが、貫通ダメージ600ポイントを受けてもらうぜ。《アサルト・ホィール》が攻撃したバトルフェイズ終了時に、次の自分スタンバイフェイズまで攻撃力が0となる。ターンエンドだ」



【3ターン目:鬼柳】LP2900、ドローフェイズ後の手札1枚

(フィールド)
鬼柳:《インフェルニティ・ガーディアン:守備力1700・Lv4》が守備表示。永続魔法《インフェルニティ・ガン》を発動中。

シド:《コンバット・ホイール:攻撃力2500・Lv6》&《アサルト・ホィール:攻撃力2300→0・Lv4》が攻撃表示。永続魔法《ブロック・ダグアウト》が発動中。


「俺のターン、ドロー。《インフェルニティ・ミラージュ:攻撃力0・Lv1》を召喚。このカードをリリースし、墓地から《インフェルニティ》2体を特殊召喚する」

 《インフェルニティ・ガン》の効果も合わせ、鬼柳のフィールドに《インフェルニティ》が並べられていく。そして、シンクロ召喚。モンスターレベルの合計は相手のを超え、《ブロック・ダグアウト》によるロックは問題にならない。総攻撃を受けて、シドは吹きとばされた。手札全てを失うことにより発揮されるコンボ。これがハンドレス・タクティクスなのか。わくわくと、鼓動が高まってきた。



 駆けつけてきたポリスたちが、シドを再逮捕した。すぐにも訊きこみは終了。風間という警官が、シドに耳打ちをしている。何かの因縁でもあったのかな? その表情がとても険しい。レストラン周辺は野次馬であふれている。ボクとアウスは、鬼柳に感謝を届けにいった。

「礼などいらない。ニコとウェストも危なかったんでな。お騒がせ野郎を倒したまでだ。それよりも、あんた大丈夫か? 銃を突きつけられていたんだろう?」

「平気だよ。ダルクくんが抱きしめてくれたから、痛みも消えたの」

 ボクの頭をなでなでしながら、アウスが答えた。鬼柳が微笑をわずかに零す。傍らにいる姉妹が、ニコ&ウェストなのかな。鬼柳さんと肌色が違う。どういう関係かは分からないけど、とても親しげだ。ボクとアウスみたいに家族なのだろう。鬼柳がボクのグローブを注視している。

「あんたもWDGPに参加しているのか。スターチップは4種類。俺とデュエルをしないか? 案外、いい目をしている。あんたなら、俺を満足させてくれそうだぜ」

「それは願ってもないことだよ。鬼柳さんは、スターチップ5種類をそろえているね」

「50連勝し、全部で51個のスターチップを集めている。だが、まだ満足できねぇぜ」

 じゃりっ。大量のスターチップ入りの袋を、鬼柳が開いた。キラキラと輝いている。はわわっ。予想をはるかに超えすぎていて、驚くばかりだよ。これだけの勝利を重ねているデュエリストがいるなんて、世界は広いんだね。この人と決闘したい。そんな気持ちが、猛烈に沸騰してくる。



『デュエル!』



【1ターン目:鬼柳】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「俺の先攻、ドロー。手札3枚以上あることにより、魔法カード《無の煉獄》を発動。デッキからカード1枚をドローし、エンドフェイズに手札全てを捨てる。《インフェルニティ・ビースト:攻撃力1600・Lv3》を召喚。カード2枚をセットして、ターンエンド」

 鬼柳の手札が無くなった。これで、ハンドレス・コンボが開始される。脱獄囚騒ぎの直後だからか、野次馬がそのままギャラリーになっている。レストラン前は、ものすごい人だかりだ。



【2ターン目:ダルク】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
鬼柳:《インフェルニティ・ビースト:攻撃力1600・Lv3》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。


「俺のターン、ドロー。《アルパカマン・ブラウン:攻撃力1900・Lv4》を攻撃表示で召喚するよ。《インフェルニティ・ビースト》を攻撃。このモンスターが戦闘破壊を行ったとき、デッキから攻撃力1500ポイント以下の《アルパカ》1体を特殊召喚できるの」

 ブラウンカラーの着ぐるみをまとったワイルドマンが参上。スキンヘッドなので、ちょっとだけシドを連想してしまった。《インフェルニティ・ビースト》に向かって、マッチョボディを全力疾走させていく。

「手札が0枚により、罠カード《インフェルニティ・フォース》を発動。攻撃してきた《アルパカマン・ブラウン》を破壊し、墓地から《インフェルニティ・デストロイヤー:攻撃力2300・Lv6》を特殊召喚する」

 《インフェルニティ・ビースト》が跳躍し、全身から光線を放った。《アルパカマン・ブラウン》の各所を貫いていき、巨躯を石畳に伏せさせた。ヴィジョンがガラス状に砕けちる。

「いきなり、やられちゃった。カード2枚をセットして、ターンエンド」



【3ターン目:鬼柳】LP4000、ドローフェイズ後の手札1枚

(フィールド)
鬼柳:《インフェルニティ・ビースト:攻撃力1600・Lv3》&《インフェルニティ・デストロイヤー:攻撃力2300・Lv6》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。

ダルク:魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。


「俺のターン、ドロー。カード1枚をセット」

 《インフェルニティ・ビースト》の攻撃に際して、ボクは魔法・罠カードを発動できない。《インフェルニティ・デストロイヤー》が戦闘破壊を行えば、ボクは1600ポイントのダメージを受けてしまう。手札0枚で、モンスター効果の発動条件も満たしている。おそらくは《インフェルニティ・ビースト》から仕掛けてくるだろう。このカードを発動するなら、今しかない。

「速攻魔法《クリボーを呼ぶ笛》を発動。デッキから《ハネクリボー:守備力300・Lv1》を守備表示で特殊召喚するよ。このカードが破壊されたターン、俺は戦闘ダメージを受けない」

「《インフェルニティ・デストロイヤー》で攻撃するまでだ」

 クリクリー。《インフェルニティ・デストロイヤー》が走りぬけ、ハンマーのように両腕を振りおろした。《ハネクリボー》がなぐりとばされ、衝撃波がボクに吹きつける。1600ポイントのダメージを受けて、残りライフは2400ポイントだ。鬼柳は、そのままエンド宣言をした。

 次のターン。カード1枚をセットするだけで終った。





【エピソード3-WDGP予選編・その21】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

未だに鬼柳を越えるキャラは表れない。
ゼアル見ていてわかったけど、シリアスな作風のほうがキャラに面白みをつけやすいのが分かる。

シドのレーザー銃はモーメント内臓型だろうね。あれ、たま切れないから無敵じゃね。
なんかおかしいけどデュエルすれば解決展開、まあ、ロットンとは違うしこれでいいか。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 鬼柳は強烈なキャラでしたね。VSロットン編は、シリアスなのかギャグ狙っているのか分からないほど凄まじかったです。彼を出すと、こちらも変なテンションになってしまいます。デュエルで解決なら、遊戯王世界で日常ですからOKかな。

 弾切れない銃。ある意味、チートですね。
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