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CROSS-39 鋼鉄の襲撃者! バンデット・キース

遊☆戯☆王ZEXAL DVDシリーズ DUELBOX (4)遊☆戯☆王ZEXAL DVDシリーズ DUELBOX (4)
(2012/07/18)
畠中祐、入野自由 他

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 デッキはハイランダー仕様です。

 ネオドミノ・シティ主催で開催されているWDGP予選は、順調に進んでいる。2413名もの参加者は、現在200人前後にまで絞られている。スターチップをレアカードと交換できるために、スターチップを大量に集めまわっている参加選手もいるようだ。鬼柳京介は50を超えるスターチップを提出してきた。ここまでいくと、さすがに驚愕を禁じえない。チーム・ユニコーンのアンドレをもライディング・デュエルで倒したという。さすがは、アトラス様の旧友だけはある。残念なのは、そのアトラス様が参加しないことであろうか。私の知らない遠くへと武者修行に旅立ったまま帰ってこない。アトラス様が参加すれば、結果も大きく変わっていたであろう。

 アトラス様は、どこで何をしてらっしゃるのかしら。

 WDGPに不穏な空気が這入りこんでいる。空全体が暗黒に塗りつぶされて、黒太陽が浮かびあがるのを目撃した。たしか、昼頃であろうか。クロウ君は天馬夜行と戦い、大きなダメージを受けたそうだ。牛尾君も寝込んでしまったというが、すぐにも復帰した。気になるのは、【三眼の魔女】であるウィン・カーウィンまでもが、偽名で参加していること。シェリーをはじめとする強豪デュエリストを破りつづけ、すでに5種類のスターチップをそろえたという。相当の実力者であるだろう。パトロールたちが見張ろうとするも、黄衣の怪人により負傷させられたらしい。

 対戦相手を壊していくマリク・イシュタール。右手にサインの刻まれた決闘者集団。予選はただならぬ状況となっている。牛尾君が疑問を浮かべていた。マリク・イシュタールは数十年前に活躍したデュエリストであるらしい。それならば、もっと年をとっているはずだ。何かの間違いだろう。牛尾君は納得しようとしていたが、そうはいかなかった。デュエル・モンスターズの黎明期に全米チャンピオンになったという決闘者が現れたのだ。登録名はキース・ハワード。星条旗柄のバンダナを巻いた白人男性である。異常な怨念を感じてしまう。サングラス越しに、歪んだ双眸がぎらついていた。その右手甲には、スフィンクス・サインというものを確認できた。



 街中に仕掛けられた監視カメラに、キースのデュエルが映しだされていた。人通りが少なく、カーニバル騒ぎからも外れた場所だ。荒れくれた怒声が響きわたった。

「《TM-1 ランチャースパイダー》で裏守備モンスターを攻撃!」

 蜘蛛型の戦闘機械が、背中のロケットランチャーを放った。魔法カード《古のルール》により特殊召喚された通常モンスターのようだ。ミサイルが次々と着弾していく。轟音と爆風が弾けるも、伏せモンスターはびくりともしない。

「《スクラップ・ゴブリン》は戦闘で破壊されないんだよ」

 セットされた《スクラップ・ゴブリン》は、戦闘対象になったことによる自壊効果も発動しない。キースと戦っているのは、遊星さんの仲間であるラリー・ドーソンだ。少女のような少年である。その背後では、3人の男性が応援を投げかけている。キースが吐きすてた。

「この時代は贅沢なカードがそろっていやがるな! カード2枚をセットして、ターンエンド」

 違う時代から来たかのような言いまわしだ。昔と姿が変わっていない。まさか、タイムトラベルをしてきたのだろうか? イリアステルのように。



【3ターン目:ラリー】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
ラリー:《スクラップ・ゴブリン:守備力500・Lv3・チューナー》が守備表示。

キース:《TM-1 ランチャースパイダー:攻撃力2200・Lv6》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。


「俺のターン、ドロー。手札から速攻魔法《スクラップ・スコール》を発動。デッキから《スクラップ・ビースト》を墓地に送り、デッキからカード1枚をドロー。そして、《スクラップ・ゴブリン》を破壊する」

「《スクラップ・キマイラ:攻撃力1700・Lv4》を召喚。このカードの召喚により、墓地から《スクラップ・ビースト:攻撃力1600・Lv4・チューナー》を特殊召喚する」

「レベル4《スクラップ・キマイラ》に、レベル4《スクラップ・ビースト》をチューニング! 《スクラップ・ドラゴン:攻撃力2800・Lv8》を攻撃表示でシンクロ召喚!」

「まだまだいくよっ。魔法カード《ポンコツの意地》を発動」

 墓地から《スクラップ》3体を選択して発動する。相手が選択した《スクラップ・キマイラ:攻撃力1700・Lv4・》を再生召喚できた。残り2体は除外される。送りつけられサンドバックにされるのを警戒したのか、キースは《スクラップ・ゴブリン:攻撃力0》を選ばなかった。

「手札の《スクラップ・ソルジャー》を墓地に捨て、装備魔法《D・D・R》を発動。除外されている《スクラップ・ゴブリン:攻撃力0・Lv3・チューナー》を特殊召喚し、このカードを装備」

「レベル4《スクラップ・キマイラ》に、レベル3《スクラップ・ゴブリン》をチューニング! 《スクラップ・デスデーモン:攻撃力2700・Lv7》を攻撃表示でシンクロ召喚!」

 2体のシンクロ・モンスターを並べた。モニターを眺めながら、牛尾君が感心をついている。破壊と再生を繰返す《スクラップ》を使いこなし、モンスターを展開させた。《スクラップ・ドラゴン》と《スクラップ・デスデーモン》が金属音を擦りあわせながら、キースに迫っていく。

「カード1枚をセットして、《スクラップ・ドラゴン》のモンスター効果を発動するよ。セットした《スクラップ・カウンター》と、《TM-1 ランチャースパイダー》を破壊する」

 《スクラップ・ドラゴン》が羽ばたき、屑鉄を雨のように降らせた。《TM-1 ランチャースパイダー》を潰そうとするも、キースはニヤリと笑っている。

「速攻魔法《速攻召喚》を発動するぜ。通常召喚を行う。《TM-1 ランチャースパイダー》をリリースして、《振り子の拷問機械:攻撃力1750・Lv6》を攻撃表示でアドバンス召喚!」

 頭部に両腕が連なった殺人機械が浮かびあがった。頭部から三日月状の大刃を揺らせている。守備力2000のモンスターを攻撃表示で出したのか。誘っているようにも見えてしまう。破壊対象をリリース・エスケープされてしまったせいか、ラリーはわずかながら唇を曲げている。

「《スクラップ・デスデーモン》で《振り子の拷問機械》を攻撃するよっ!」

「速攻魔法《リミッター解除》を発動。《振り子の拷問機械》の攻撃力を倍にして、3500ポイントだ!」

 《振り子の拷問機械》が赤光りして、真上に飛びあがった。《スクラップ・デスデーモン》の両肩を掴みあげ、巨大刃を振りおろした。スクラップで構成された悪魔は、左右に分断されてバラバラに。800ポイントもの戦闘ダメージを受けて、ラリーのライフは3200ポイントにまで削られた。《スクラップ・ドラゴン》も攻撃できずに、そのままエンド宣言をするしかない。《リミッター解除》の効果により、《振り子の拷問機械》も自壊していく。キースが使うモンスターは、レトロな雰囲気がする。



【4ターン目:キース】LP4000、ドローフェイズ後の手札3枚

(フィールド)
ラリー:《スクラップ・ドラゴン:攻撃力2800・Lv8》が攻撃表示。

キース:無し。


「俺のターン、ドロー。魔法カード《名推理》を発動。ちょいと推理をしてもらうぜ!」

 通常召喚可能なモンスターが出るまで、山札のカードをめくる。相手が宣言したレベルでなければ、そのモンスターを特殊召喚できる。ラリーはレベル8を選択した。このカードにより現れたのは、《スロットマシーン AM-7:攻撃力2000・Lv7》。胸部分がスロットマシーンになっている歩行機械兵器だ。右腕がレーザーキャノンになっている。

「《ツインバレル・ドラゴン:攻撃力1700・Lv4》を召喚。モンスター効果を発動。コイントスを2回行う。両方表ならば、《スクラップ・ドラゴン》を破壊する」

 低確率なギャンブルだが、キースは乗越えたようだ。銃口状の顔面から煙吹き、弾が発射された。それは、《スクラップ・ドラゴン》を貫いた。巨竜がスクラップの残骸へと還っていく。それらが自動的に組みあげられ、新たなる形態へと組みあがっていった。

「《スクラップ・ドラゴン》が破壊されたことにより、墓地から《スクラップ・ソルジャー:守備力700・Lv5・チューナー》を守備表示で特殊召喚する」

「壁モンスターかよ。安心するのは、まだ早いぜ! 《ツインバレル・ドラゴン》をリリースして、魔法カード《モンスターゲート》を発動。通常召喚可能なモンスターが出てくるまで、自分デッキをめくる。きやがれっ、《リボルバー・ドラゴン:攻撃力2600・Lv7》!」

「こいつのモンスター効果を発動する。コイントスを3回行う。2回以上が表ならば、《スクラップ・ソルジャー》を破壊する。今度は確率も大きいぜ! ガン・キャノン・ショット!」

 黒い巨体が立ちあがった。戦車を連想させるような鋼鉄獣。頭部と両腕。3つの銃口が《スクラップ・ドラゴン》に標準を合わせている。牛尾君が唾を飲みこんだ。シリンダーの回転音が、静寂を破っていく。コイントスは3枚とも表。銃声が響きわたり、《スクラップ・ソルジャー》は砕かれた。壁モンスターを失ったラリー・ドーソンはダイレクト・アタックを受けて敗北した。

 勝利したキースは、スターチップを手にするだけで満足できなかった。ラリーに駆けよると、無理矢理にデッキを奪いかかる。抵抗したラリーは突きとばされ、アスファルトに後頭部を打ちつけた。意識を失ったようで、ぴくりとも動かない。仲間が取りかえそうとするも、返討ちに遭った。激しい暴行を受けた3人は、後に病院に運ばれたらしい。キースは哄笑しながら去っていった。

「けっ! 機械族じゃねぇのか!」



 キースの暴力行為は、市民から通報されていた。ラリーとのデュエルにも、いくらかの観戦者はいた。次なる監視カメラの映像に切替える。寂しげな裏通りにて、キースはパトロール隊数人に包囲されていた。ヒゲの隊長がキースを指差しながら、叫びあげる。

「暴力でカードを奪うとは許せん。こいつをデュエルで拘束しろ! デュエルで逮捕するのだ!」

「デュエルで逮捕だと? 普通に逮捕しないのか? まぁいい。てめぇらを新デッキの実験台にしてやる。俺様のマシンデッキで地獄に送りかえしてやるぜ!」

 そして、キースVSパトロールの逮捕決闘が始まった。キースはあまりにも強すぎた。



「《メタル化・魔法反射装甲》を装備した《デビルゾア:攻撃力2700・Lv7》をリリースし、デッキから《メタル・デビルゾア:攻撃力3000・Lv8》を特殊召喚する。手札から速攻魔法《アフター・レフェクト・オブ・インパクト》を発動し、《メタル・デビルゾア》はエンドフェイズまで貫通効果を得る。《サーチ・ストライカー:守備力1200・Lv4》に貫通攻撃!」

 裏守備表示の《メガトロン:守備力2000・Lv4》を効果破壊した代償として、《サーチ・ストライカー》は守備表示になっている。《拷問車輪》に拘束されていた《デビルゾア》は機械化し、メタルクロウで《サーチ・ストライカー》を貫いた。1800ポイントの戦闘ダメージを受け、最後の1人が吹きとばされた。倒れているパトロールたちから、キースがカードを奪っていく。

 これが強奪者。バンデット・キース。



 午後3時48分。録画したものではなく、現在進行形で撮られている監視映像を確認している。高層ビルディングに囲まれた噴水広場周辺だろうか。新たなる獲物へと、バンデット・キースが牙を向けていた。ルアがルカを庇うように、キースに立ちはだかっている。

「また、右手に痣のあるデュエリスト。お前ら、何者なんだ?」

「俺はバンデット・キース。貴様らシグナーを倒すというのが、【顔無きスフィンクス】との契約内容でな。ガキを痛めつける趣味はないが、悪く思うなよ。《パワー・ツール・ドラゴン》ってやつを手に入れ、城ノ内の糞野郎を地獄に落としてやる。さぁ、デュエルを始めろよ」

「狭霧さん。ちょっと行ってきます」

 牛尾君の眉がぴくりと動いた気がした。断わりを残して、部屋から出ていった。ドアの閉められた音が、職員たちのざわめきに消されていく。





【エピソード3-WDGP予選編・その23】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

スクラップ・ゴブリンは戦闘したバトルフェイズ終了時に自壊する。
機械族はほとんどいないデッキ。見た目で種族が分からないとはこのこと。

キースは本当にレトロなモンスターを使うね。そういえば昔はこれくらいのデッキが強いと言われていたほどだったし、カードプールが増加して色がついたと本当に思う。特にモンスターの性能は段違い。

実戦的なモンスターが出てきたのは3期から、5期後半あたりから本格的にテーマデッキの水準が上がった。
そういえばなんで御影さん?アトラス様って。
アトラスって鬼の巨人の意味だからデッキが悪魔、岩石主軸だったと気付いた人はどれだけいただろうか。

追加です。
スクラップゴブリンはセットされていたのね。見落とした。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 《スクラップ》は見た目が機械族ですね。遊星の使うモンスターも、機械族みたいな外見なのに戦士族もいますし。

 キースについては、文庫版原作9巻のモンスターを使用しました。これらが強い時期があったとは。《リボルバー・ドラゴン》は、過去に苦戦したかな。5期はテーマデッキも多くなり、シンクロが出る前で、なかなか楽しかったのを覚えています。《剣闘獣》や《エーリアン》、《電池メン》にお世話になりました。

 大会を監視している警察側も描こうとしたら、御影さん視点になってしまいました。出番を増やそうとしてかな。アトラスとデッキの関係で、納得しました。
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