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CROSS-43 再会

遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【2】遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【2】
(2008/12/17)
宮下雄也、星野貴紀 他

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 デイビット・ラブも登場します。

 WDGP予選は、ついに3日目を迎えた。午前中は引続いて、スターチップをかけたデュエルが進められていた。87人の選手たちは、残り53人にまで絞られたようだ。決勝戦へのラストチャンスと奮起したデュエリストもいたようだが、大半が負けてしまったらしい。スターチップをコンプリートしているのに、ルアは積極的に対戦相手を探していた。街を駆けまわっていたのは、それだけが目的でないだろう。あちらこちらを歩いても、探し相手は見つからなかった。

 決勝戦進出の8人を決めるバトルロワイヤルが、午後1時から開かれる。場所はネオドミノ・パーク。動物園やら植物園が組みあわさったいうな楽しい場所だ。アトラクションもあり、アカデミアの友達と遊びにいったことがある。モノレールから降りてすぐに正門がある。デュエル・グローブを係員に見せて、ルアが得意気にゲートを通過していった。応援人の私はチケット購入と。体調も万全回復しているから、自由に走りまわれる。ぽかぽかな陽光がテンションを上げてくれる。自信のついたルアの背中を追いかけて、私は跳びついた。

「待ってよ。ルア」

「ごめんよ、ルカ。すっげーワクワクしてるから急ぎすぎたみたい。このデュエル合戦に生残れたら、決勝戦に出られるんだよ。ばんばん勝ちまくるぞ!」

「ルアなら決勝戦に行けるって信じているよ。でも、油断はしないでね。ルアの悪い癖なんだから」

「大丈夫だって。ルカと反省会もやって、戦略もパワーアップしたもんね」

 WDGPイベントの会場となっているせいか、ネオドミノ・パークは人でいっぱいだ。私が遊びにきたときよりも多いだろう。デュエル・グローブを着けているルアは注目の的で、周囲から応援を投げかけられている。私まで緊張してきたよ。ルアのドキドキは、こんなもんじゃないけど。

 戦う場所によってフィールド魔法が自動発生することもあるから、注意しないとね。このルールでは、1人を倒せばワンポイントをゲットできる。ポイント1つにつき、決勝戦進出者はレアカード1枚と交換してもらえるそうだ。太っ腹だけど、WDGP参加費用はブルーアイズ・マウンテンを5杯分。その他の収入も考えれば、シティもたんまりと儲かっている。20分につきワンデュエルをしないと、失格となるそうだ。他選手の位置情報も調べられるので、隠れてすごすのも無理だろう。定員は8人と決まっているために、敗北しても決勝戦に進めることもあるそうだ。補欠合格みたいな感じかな?

「やっべーっ。落ちついていたのに、また緊張してきたぁ」

 武者震いしているルアの背中をさすった。掌に鼓動が伝わってくる。この様子だと、デュエルが始まれば収まりそうだ。そうこうしているうちに、始まりのアナウンスが流れてきた。あのリーゼントのオジさんに違いない。あいかわらず、やたらとテンション高いのが特徴だ。



「YOUはシグナーだね。自己紹介させてもらうよ。MEはデイビット・ラブ。デュエル・アカデミアでもトップクラスの成績保持者さ。そんなMEとデュエルをしないか?」

 そう声をかけてきたのは、白い制服のお兄さん。ジャックみたいに金髪青目で、とっても背が高い。嫌な気配がむくむくと流れこんでくる。右手甲を迫るように見せつけてきた。

「お前もスフィンクスの使徒か?」

「そうだ。スフィンクス様の命により、YOUを闇のデュエルに沈まさせてもらうよ」

 ハンサムな顔が、悪魔のように笑んだ。イヤリングから闇霧が湧きだして、周囲一体を覆っていく。ギャラリーたちは反応していない。私たちにしか視えないものだろうか。気分悪そうにしているクリボンを抱きしめた。デイビットはうっとりと闇を味わっているみたいだ。

「いいよ。そのデュエルを受けるから。闇のデュエルは、何度もやったから怖くないよっ!」

 声音は勇ましいけれど、ルアの手先は震えている。ダメージが実体化されてしまうデュエル。怖くないはずがない。それでも、ルアは恐怖を乗越えて歩けるようになったんだ。パティたちは分からないと言っていたけど、だんだんと背中が大きくなっている。そんなルアの力になりたい。



『デュエル!』



【1ターン目:ルア】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「オレのターン、ドロー。《D・ビデオン:攻撃力1000・Lv4》を攻撃表示で召喚。装備魔法《D・レトロエンジン》を《D・ビデオン》に装備する。カード1枚が装備されていることにより、《D・ビデオン》は攻撃力800ポイントアップして、1800ポイントになる」

 ビデオカメラが人型へとメタモルフォーゼ。今にも暴発してしまいそうな《D・レトロエンジン》を背負う。攻撃表示ならば、装備すればするほど攻撃力がアップするモンスターだ。

「カード1枚をセットして、ターンエンド」



【2ターン目:ラブ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
ルア:装備魔法《D・レトロエンジン》を装備した《D・ビデオン:攻撃力1000→1800・Lv4》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。


「MEのターン、ドロー。オイオイ。これじゃ、MEの勝ちじゃないか!」

「魔法カード《パーツ補充》を発動。手札の機械族モンスター1体を墓地に送り、デッキから《パンドラ:攻撃力1500・Lv4・機械族》を手札に加える。そのまま、攻撃表示で召喚だ。ククク。墓地に送ったモンスターが気になるか? 今すぐに分かるさ。その時に、YOUはMEに敗北する」

 勝利への自信にあふれた哄笑をあげながら、デイビットはデュエルを進めていく。顔面だけのロボットがフィールドに浮遊しだした。

「魔法カード《プロトタイプ・チェンジ》を発動。《パンドラ:機械族》をリリースして、墓地から現れよ! 《The big SATURN:攻撃力2800・Lv8》! 《D・ビデオン》にアタック!」

 これが墓地に送ったモンスターか。土星のようなリングに囲われた、球体型の戦闘兵機。その周囲を旋回している両腕が、ロケットパンチのごとく《D・ビデオン》に向かって飛んできた。

「手札から《ガジェット・ドライバー》を墓地に送り、《D・ビデオン:守備力1000→1800》を守備表示にするよ。装備カード1枚があるから、守備力も800ポイントアップ!」

「手札から速攻魔法《アフター・レフェクト・オブ・インパクト》を発動する。機械族モンスターである《The big SATURN》は、このターンに貫通効果を得る」

 2本の鉄腕が《D・ビデオン》を叩きつぶした。紫電が竜巻のように回り、爆炎を噴きあげる。1000ポイントもの貫通ダメージを受けて、ルアのライフは3000ポイントまで減らされる。実体化したダメージのせいで、ルアが体を曲げて呻きだした。デイビットが露骨に悦んでいる。

「その痛みは現実ではない。だがね。闇のデュエルにおいては、モンスターの攻撃はYOUのブレインに錯覚を起こさせる。現実同様の痛みを起こさせるのさ。恐怖という感情が痛みを与えるのだよ。せいぜい、もがき苦しんでMEを楽しませてくれよ」

「こんな痛みなんて、ぜんぜん平気だよ。《D・レトロエンジン》の装備モンスターが破壊されたから、お互いに《D・ビデオン》の攻撃力1000ポイント分のダメージを受ける。闇デュエルの痛みというやつを、自分も受けてもらうからね!」

 今にも壊れてしまいそうなエンジンが大爆発した。広がったガソリン炎が両者を包みこむ。ルアのライフは2000ポイントに、デイビットのライフは3000ポイントにまで燃やされていく。煙が晴れていき、デイビットの哂顔が露わになった。血走った両目が、興奮に見開いている。

「クク。この緊張感と高揚感がたまらない。このちょっとした恐怖心が、MEにとって最高の快楽なのさ。魔法カード《強制発動》により、伏せられていたトラップ《ブレンD》を発動する。手札から速攻魔法《イグニッション》を発動。《ブレンD》の効果は、相手モンスター1体を破壊するとなる。《The big SATURN》を破壊し、モンスター効果により攻撃力2800分のダメージをお互いに受ける!」

 周囲のギャラリーが顔を隠した。あまりにも眩しすぎる輝きだ。《The big SATURN》が木端微塵に吹きとんで、閃光がプレイヤーを飲みこんでいく。相手カードにより破壊されれば、攻撃力分のダメージを両者に与えるモンスター効果。2800ポイントのダメージを受けても、デイビットは200ポイントだけ残る。でも、ルアのライフは0ポイントにまで落ちてしまう。1ターンKILLなんて。

「ルカのカードを使うよ。手札から《ハネワタ》を墓地に捨て、効果ダメージを0にする」

 恐怖心に踊らされることもなく、ルアはしっかりとデュエルを進めていく。試合前での震えは鎮まっており、心強い両目をしている。恐怖が楽しいらしいデイビットは、後ずさりだした。



「オレのターン、ドロー。手札の《D・クリーナン》を墓地に送り、装備魔法《D・リペアユニット》を発動。墓地から《D・ビデオン:攻撃力1000・Lv4》を特殊召喚し、このカードを装備。モンスター効果により、《D・ビデオン》の攻撃力は800ポイントアップするね。ダイレクト・アタック!」

 3ターン目。《D・ビデオン》のパンチがクリーンヒットした。ライフ200ポイントしか残っていないデイビットは、あっけなく敗北した。今までの使者と同じように、時空渦に吸いこまれて消滅していった。異様な光景に、ギャラリーがざわめきだす。デイビット自体がソリッド・ビジョンじゃないかという意見も飛びまわっていた。振りかえったルアと手を叩きあう。

「ダメージを受けたけど、大丈夫なの?」

「これぐらい大丈夫だもん。さっそく、次の対戦相手を探すよ。夕方に貰えるレアカードも増やしていきたいからね! でも、スフィンクスの使徒にも気をつけないと。本当に何者なんだろう」

 ルアのデュエル・ディスク端末で情報確認と。バトルロワイヤルの残り選手は46人だ。



 決闘者センサーを頼りに進んでいくと、アニマル・ゾーンに入りこんだ。動物特有の臭いが、むーんっと漂ってくる。アルパカたちが広々とした草原フィールドで寝ていた。遠くで森が茂っている。あまりにも不自然な光景かと思えば、フィールド魔法が発動されているようだ。ルアと一緒に駆けていった。デュエルが行なわれているようで、声が聞こえてきた。

「魔法カード《アルパカ・クエイク》を発動。手札から《デブアルパカ:攻撃力2400・Lv5》を特殊召喚して、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。《マジシャンズ・エイプ》に攻撃するね」

「私のフィールドには体重制限があるのだ。罠カード《進入禁止!No Entry!!》を発動。フィールドのモンスター全ては守備表示になる。《デブアルパカ》は攻撃できまい」

「その言い方。ちょっと、酷いよっ! カード3枚をセットして、ターンエンド」

 聞覚えのある声だ。近くに猿山があるせいか、キーキーうるさい。ギャラリーの合間をぬいながら、前方へと進んでいった。デュエルを見学しているのにゴメンなさい。ルアが叫びを飲みこんだ。ダルク・ウェイトリィがデュエルをしていた。笑顔爛々と楽しそうにプレイをしている。対戦相手のディマクにも吃驚したけど、ルアは無反応だ。



【3ターン目:ディマク】LP3500、ドローフェイズ後の手札3枚

(フィールド)
ディマク:《マジシャンズ・エイプ:守備力1200・Lv3》が守備表示。魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。

ダルク:《デブアルパカ:守備力1800・Lv5》が守備表示。魔法&罠カードゾーンにカード3枚をセットしている。

フィールド魔法《クローザー・フォレスト》が強制発動中(両プレイヤーが発動した扱い)。


「私のターン、ドロー。《マジシャンズ・エイプ》を攻撃表示に変更して、モンスター効果を発動。手札の《ファイターズ・エイプ》を墓地へ送り、《デブアルパカ:守備表示》のコントロールを得る。モンスター2体をリリースし、《森の狩人 イエロー・バブーン:攻撃力2600・Lv7》をアドバンス召喚!」

 《マジシャンズ・エイプ》がロッドを振りかざし、洗脳光線を撃ちつけた。ぐるぐると目を回しながら、《デブアルパカ》が千鳥足で相手フィールドへと歩いていく。どちらもリリースされ、巨大類人猿が唸りをあげた。近くから、お猿さんの悲鳴が響きわたる。

「速攻魔法《アルパカを呼ぶ笛》を発動。デッキから《ベビー・アルパカ:守備力300・Lv1》を守備表示で特殊召喚するよ」

「永続罠《吠え猛る大地》を発動。自分フィールドの獣族モンスターは貫通効果を得る」

「魔法カード《死者蘇生》を発動し、墓地から《ファイターズ・エイプ:攻撃力1900・Lv4》を攻撃表示で蘇らせる。このカードが相手モンスターを戦闘破壊した場合、攻撃力が300ポイントアップするのだ。《ファイターズ・エイプ》で《ベビー・アルパカ》に貫通攻撃!」

「《ベビー・アルパカ》が攻撃対象になったから、罠カード《涙パワー》を発動。《ベビー・アルパカ》以外の表側表示カードを全て破壊するの」

 《ファイターズ・エイプ》が両腕で胸を叩いて、猛突進してきた。その背後では、《森の狩人 イエロー・バブーン》がボーガンの準備をしている。《クローザー・フォレスト》により、どちらも攻撃力が100ポイント上昇しているはずだ。《ベビー・アルパカ》が大声で泣きだした。ものすごい涙を、噴水のように噴きあげている。ギャラリーたちが耳をふさいでいる。ちょっと頭に響いてきた。

「ライフを1000ポイント払い、カウンター罠《盗賊の七つ道具》を発動。罠カード《涙パワー》を無効にし破壊する。この道具で泣きやませてくれるわっ!」

 ナイフやらを両手に持ちながら、ディマクが全力疾走してきた。スキンヘッドのオジさんが向かってきたのだから、ダルクさんが吃驚しだした。凄い表情をしていたもんね。あれっ? ハネクリボーの精霊がいる。明らかにコミュニケーションをとれているようだ。私みたいに精霊が視えると聞いていたけど、本当なんだ。クリボンも興味深そうに眺めている。

「わ、わわっ! 近づいてこないでよっ! 手札の《だめクリボー》を墓地に捨て、カウンター罠《クリボー・ジャマー》を発動。カウンター罠《盗賊の七つ道具》を無効にし破壊するよ」

 いかにも、やる気のなさそうなクリボーさんだ。酒瓶を手にしている。ダルクさんが《だめクリボー》を投げつけた。ディマクの顔面にヒットして、そのまま倒れこんでしまう。《ベビー・アルパカ》は音波兵器と言えるほどの泣声を轟かせ、《ファイターズ・エイプ》&《森の狩人 イエロー・バブーン》はのびてしまった。永続罠《吠え猛る大地》もパリーンと砕けた。



「俺のターン、ドロー。魔法カード《馬の骨の対価》を発動。《ベビー・アルパカ》をリリースして、デッキからカード2枚をドローするよ」

「《アルパカマン・ブラウン:攻撃力1900・Lv4》を召喚。魔法カード《思い出のブランコ》を発動し、墓地から《デブアルパカ:攻撃力2400→2600・Lv5》を復活だっ!」

 強制発動している《クローザー・フォレスト》は、両プレイヤーが発動したことになっている。ダルクさんの墓地にはモンスター2体いるから、《デブアルパカ:獣族》の攻撃力は200ポイントアップしているようだ。ディマクは顔面に《だめクリボー》を張りつかせたままに倒れこんでいる。そこに、2体のアルパカ(?)が殴りこんできた。ライフポイントはみるみると失われていく。



「よしっ! ボクの勝ちだよ」

 ダルクさんが、白衣のお姉さんへと甘えこんでいた。眼鏡の女性、どこかですれ違ったことがあるような。ディマクは未だに倒れこんでいる。いかにも悔しそうな表情だ。歓声が湧きあがり、お猿さんの鳴声が高鳴っている。ルアがダルクさんへと近づいた。たしか、紅くて不気味な瞳をしていたと覚えている。癒されそうな青瞳が、私たちへと向けられた。





【エピソード4-WDGP決勝戦編・その1】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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