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CROSS-67 冥府からの刺客! プロフェッサー・コブラ

遊戯王5D's SOUND DUEL 02遊戯王5D's SOUND DUEL 02
(2009/12/23)
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 TF世界では生きていたそうですね。

 WRGPでは激闘を繰りひろげ、アーククレイドルへ昇るために協力してくれたチーム・ラグナロク。彼らがシティへと来てくれた。目的は予想していたとおりだ。

「ルーンの瞳が、世界の終焉を感じとった。新たなる【フィンブルの冬】が訪れるかもしれない」

 真剣な面持ちで、ハラルドが述べた。湯気を香らせているレモンティーを飲みこむ。ちらちらと通行人が視線を送っている。ラグナロクは有名チームである。注目を集めるのも仕方がないだろう。チーズケーキを堪能していたブレイブが、フォークを置いた。

「オシャレな喫茶店なのに、野郎ばかり集まるというのもアレだよなぁ。この件については、ダルク・ウェイトリィかアウス・ピースリーが詳しいんだろう? 何か情報を得られたか?」

「この世界の他にも、無数の異世界が存在しているらしい。驚いたことに、彼女のいた世界ではデュエル・モンスターズが存在しないんだ。問題が起こってもデュエルをしない。似たようなカードゲームは存在するが、プレイするのは少数派だという」

「本当かよ! 信じられねぇよな」

 衝撃が3人を呑みこんだ。ダルクが語った異世界について、ハラルドたちに伝えていく。彼らの顔色が青ざめていく。星の知恵派教会を通して、ナイアーラトテップが支配している地球。科学文明もネオ・ドミノより進んでいるという。旧支配者を復活させるキーとして、ダルクは造りだされた。想像するだけでも、常識そのものが覆りそうだ。

「デュエル・モンスターズが存在しない文明があるとはな。彼女が来てから1ヶ月ほどしか経っていない。つまり、ダルク・ウェイトリィは初心者ということか。WDGPで優勝を果たしたのであろう。よく短期間で実力をつけたものだ」

 それまで黙りこんでいたドラガンが、疑問を挟んできた。

「ダルクは特殊なホムンクルスだという。疲れにくく、睡眠時間も少ないらしい。たくさんの時間をデュエルに当てることが可能だ。それを差引いて考慮しても、凄まじいほどの努力をしている。ライディング・デュエルの特訓にも熱心でな。教えがいがある」

 狭霧に頼みこんで、D・ホィールの練習許可も取れた。正式免許を得られるように邁進するのみだ。午前中は怒鳴りっぱなしであった。より速く走れるように、より《Sp》を使いこなせるようにと。厳しすぎないかと牛尾が口出しをしてきたが、かまわずに続けた。それがダルクの意志であるからだ。

「不動遊星のコーチぶりか。見てみたいものだな」

 ハラルドが口元で笑んだ。橙色が差してきた窓外を見やり、言葉を続ける。

「ダルク・ウェイトリィとは面識はないが、その懸命さは伝わってくる。ゾーク・ネクロファデスとナイアーラトテップ、邪神同士の戦いに巻きこまれたようだ。ファラオを倒すという目的も理解できた。しかし、不審な点もある。顔無きスフィンクスがファラオサイドにいたのだろう? ナイアーラトテップの使徒同士は連携がとれていないといえども、旧支配者の復活という共通目標がある。どうも、ダルクはナイアーラトテップに騙されているのではないか? 彼女の生みだされた理由を考えると、ナイアーラトテップはダルク・ウェイトリィを使って、何かを企んでいるような気がする」

「ジョゼフ・カーウィンといい、顔無きスフィンクスといい、ナイアーラトテップの使徒は胡散臭い。とてつもない悪意を感じる。少なくとも信用はできない。ダルクは人間慣れしていなく、騙されやすい性格のようだ。ハラルドの推理通りかもしれない」

 ストレートティーを飲みほして、大窓へと視線をずらした。白修道服の集団が行進している。茜色に染められてた光景が不安定だ。通行人が不審気に眺めこんでいる。

「光の結社か。ニュースで聞いたけど、信者数は1000を超えているらしいぜ。見張っていたパトロールまでもが洗脳されている。こいつらも要注意だな」

 カーリーが撮ったという映像。そこには教祖ライトニングが映されていた。《N・グロー・モス》が筋肉質になったような姿であろうか。光が凝縮されたかのごとく輝いている。真紅に染まった双眸からは、たぎるような破壊欲が響いてくる。邪悪さにかけてはマリクをも上回るだろうか。

「ライトニングに敗れたデュエリストは少なくない。その全員が信者になっている」

 ブレイブを補足するように、ドラガンが言葉を足した。ラグナロクも情報を集めているようだ。雑賀も行方不明となっている。不安が増していくなか、ハラルドたちの応援は頼もしい。いずれはダルクにも紹介したい。よき仲間同士になってくれるだろう。

「きゃっ! 大きな蜘蛛がいる!」

 ウェイトレスが悲鳴をあげ、客たちが逃げだす。蜘蛛程度なら珍しくもないが、あの慌てようは気になる。視線を伸ばすと、黒蜘蛛がフローリングを歩きまわっていた。拳ぐらいの大きさであろうか。グロテスクな造形をしており、食事中にはきついものがある。ただの蜘蛛ではない。邪気を漂わせながら、俺たちを観察している。ハラルドが歩いていき、ぐしゃりと踏みつぶした。悲鳴が湧きたつ。死体は蒸発するように消えていった。

「ファラオかナイアーラトテップかは知らないが、私たちを偵察していたようだ。遊星も気をつけた方がいい。相手も本格的に動きだしている」

 3人とも、ルーンの瞳が輝いていた。



「うんうん。怪しい蜘蛛は見かけなかったよ。でも、注意をしておくね。なかなか電話をとらなくて、ごめんなさい。氷室さんとデュエルをしていたから、中断するわけにもいかないし」

「あれから、ずっとデュエルをしていたのか?」

「ずっとじゃないよ。アウスとD・ホィールを弄っていたんだ。故障したときに、ボクだけでも修理できるようにって。デュエルをたくさんしたけど、アウスは強くなった。瓜生さんにも勝ったからね。《ジェムナイト》もそろって、デュエル・モンスターズも手馴れてきた頃合かな」

「興味深いな。そのうちにアウスとも戦いたい。相手側は大人しくしていたが、そうでもなくなったようだ。光の結社というのもある。充分に気をつけてくれ」

「うん。ファラオの使徒も出てきたわけだね。遊星さんも気をつけて」

 挨拶を残して、携帯通信装置をオフにした。午前中はライディング特訓にあけくれていたのに、疲れは声音に表れていない。彼女からの影響だろうか。フォーチュン開発により離れていたが、決闘欲がたぎってきた。ゾークの破壊活動を止めるためにも、常軌を逸するほどに頑張っている。ダルクが何を守りたいのか。接していくうちに、輪郭が明確になってきた。



 街灯が闇を照らしている。かさかさ。何かが植えこみへと潜っていった。人通りはなく、霧が視界を霞ませている。今のは蜘蛛だろうか? ルドガーとの戦いを思いだす。いや、死者の臭いがする。苦しそうな嘆きに包囲されていく。闇が噴きあがり、中から人型が浮かびあがった。尖らせた髪が特徴的だろうか。巨体の黒人が語りかけてきた。

「私はプロフェッサー・コブラ。貴様自身に怨みはないが、大神官デ・ザードとの契約がためだ。シグナーを冥府に引きずりこませてもらう。デュエル・ディスクを装着したまえ」

 黄泉から響いてくるような低音声。荒々しく息つくたびに、瘴気が吐きだされている。ダークシグナーのように、両目が黒染まりしている。凄まじい怨念が迫ってくるようだ。

「大神官デ・ザード? カードの精霊か?」

「私の知らないところだ。リックに逢うためにも、貴様を葬らなければならない」

 デュエルは避けられない。シグナーを攻撃対象としているのか。入院しているアキが心配だ。ダルクたちも狙われるだろうが、彼女なら大丈夫だと信じている。研ぎすまされた双眸で、コブラが見下ろしてきた。決闘者としても実力が高いのだろう。そんな印象をぶつけられた。



『デュエル!』



【1ターン目:コブラ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「私の先攻、ドロー。《ヴェノム・スワンプの主:攻撃力1600・Lv4》を召喚。このカードの召喚により、デッキからフィールド魔法《ヴェノム・スワンプ》を手札に加える。そして、発動」

 コブラの足元から、赤紫色の沼が広がった。異臭が立ちこめ、空気が重くなる。泥水を跳ねながら、大蛇が這いあがってきた。黒鱗で覆われており、額からは角が突きでている。

「手札の《ヴェノム・ボア》を捨て、魔法カード《スネーク・レイン》を発動。デッキから爬虫類族モンスター4体を墓地に送る。カード2枚をセットして、ターンエンド」

 夜空から落ちてくるのは、さまざまな蛇類だ。ばらばらと雨のごとく降ってくる。沼中へと落ちて、そのまま沈みこんでいく。



【2ターン目:遊星】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
コブラ:《ヴェノム・スワンプの主:攻撃力1600・Lv4》が攻撃表示。フィールド魔法《ヴェノム・スワンプ》発動中。魔法&罠カードゾーンにカードを2枚セットしている。


「俺のターン、ドロー。手札の《ボルト・ヘッジホッグ》を墓地に送り、手札から《クイック・シンクロン:攻撃力700・Lv5・チューナー》を特殊召喚する。《チューニング・サポーター:攻撃力100・Lv1》を召喚。カードはシンクロ召喚の素材とするとき、レベル2として扱うことができる」

「レベル2《チューニング・サポーター》にレベル5《クイック・シンクロン》をチューニング」

「集いし思いが、ここに新たな力となる。光さす道となれ! シンクロ召喚! 燃えあがれ、《ニトロ・ウォリアー:攻撃力2800・Lv7》!」

「《チューニング・サポーター》がシンクロ素材となったことにより、カード1枚をドロー」

「魔法カード《調律》を発動。デッキから《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップからカード1枚を墓地に送る」

「《ニトロ・ウォリアー》で《ヴェノム・スワンプの主》を攻撃。自分ターンで魔法カードを発動しているから、ダメージ計算時に攻撃力が1000ポイントアップする」


『ダイナマイト・ナックル!』


 エンジン噴射。加速を爆発させての突撃。《ニトロ・ウォリアー》の拳が大蛇にめりこんだ。悲鳴を泡吹かせながら、《ヴェノム・スワンプの主》が沼底へと沈んでいく。2200ポイントの戦闘ダメージを与え、相手ライフを1800ポイントにまで削った。

「ぐふっ! ダメージは受けたが、それに見合うだけのモンスターを降臨させられる。永続罠《ダメージ=レプトル》を発動。受けた戦闘ダメージ以下のパワーを持つモンスター1体を、デッキから特殊召喚する。来い! 《毒蛇王 ヴェノミノン:攻撃力3000・Lv8》! 自分墓地の爬虫類族モンスター1体につき、攻撃力が500ポイントアップする」

 水面が揺れて、蛇人間の王が立ちのぼってきた。ローブから毒水を垂らしている。両肩に蛇を巻きつけ、両腕も蛇塊と化しているようだ。ざわざわと蠢いている。無数の視線が《ニトロ・ウォリアー》に喰らいついていく。《スネーク・レイン》を活かしてハイパワーを出している。

「カード1枚をセットして、ターンエンド」

「《ヴェノム・スワンプ》の効果を発動。この毒沼に立つ者たちは、互いのエンドフェイズに500ポイント攻撃力が下がる。この効果でパワー0となったモンスターは命尽きる。《毒蛇王 ヴェノミノン》は効果を受けない。猛毒を受けよ《ニトロ・ウォリアー》!」

 液状の蛇が水面から跳びあがった。《ニトロ・ウォリアー》の足首に噛みついた。その部分が紫状に腫れあがっていく。片足をぶらして、攻撃力を2300ポイントにまで落としていく。効果破壊される前に、容易に戦闘破壊されるだろう。ターンが長引くほどに不利になるフィールドだ。

「リック、待ってろよ……」

 コブラが呟いた。死者の瞳には、希望が灯っていた。





【エピソード5-D・セブンスターズ・その1】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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