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CROSS-76 第3の刺客! 吸血美女カミューラ

遊戯王5D's SOUND DUEL 03遊戯王5D's SOUND DUEL 03
(2011/02/16)
TVサントラ

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 修正前と比べて、ライナはキャラチェンジしています。

「私のターン、ドロー。《暗黒界の狂王ブロン:攻撃力1800・Lv4》を攻撃表示で召喚。《怒れる類人猿:攻撃力2000・Lv4》にアタックなのです!」

 精霊ブロンが立ちあがり、ニヤリとした笑みを向けてきた。夕日に染められ、不気味さが倍増している。フィールド魔法《暗黒界の門》により、攻撃力は300ポイントアップしている。《暗黒界の狂王ブロン》が長腕をふりおろし、《怒れる類人猿》を引裂いた。

「《暗黒界の狂王ブロン》が戦闘ダメージを与えたことにより、手札から《暗黒界の武神ゴルド:攻撃力2300・Lv5》を捨てます。モンスターエフェクトにより、このカードを特殊召喚。《暗黒界の武神ゴルド》でダイレクト・アタック!」

 相手フィールドにセットカードは残っていない。《暗黒界の武神ゴルド》が戦斧を叩きつけた。打撃音が迫力となり、相手デュエリストに悲鳴をあげさせる。吹きとばされて、石畳を転げまわった。苦戦させられたけど、アルマの勝利だ。青年が起きあがり、ふぅと嘆息をつく。

「ダルク・ウェイトリィの妹さんで、アルマちゃんだね。本当に強いなぁ」

「お、お兄さんも強いのですよ。《暗黒の守護者ギゴリ》が無ければ負けていました」

「そのカードを手にできたのも、君の実力だよ」

 敗北への悔しさを、デュエルの達成感が押しのけている。そんな表情を晴れさせながら、手を差しだしてきた。おずおずしながらも、アルマが握手を受けとった。通行人たちがコウモリに騒ぎをあげている。ぽつぽつと窓明りが点きだした。拍手に包まれながら、アルマは笑顔を浮かべているだろう。ボクには視えないけど、しっかりと気持ちが伝わってくるんだ。

「あ、ありがとうございました。また、デュエルをしましょう」



 デュエル・モンスターズには奇跡がつまっている。きっかけは、アキさんとの交流だろうか。人見知りが激しいアルマも、決闘をワンクッションとして、他人と話せるようになってきた。緊張しながらも、積極的にぶつかっていける。妹の成長ぶりに、ボクも胸が踊ってきた。

「《暗黒界》って面白いカードなのです。このシリーズをマスターしたいです」

 見せびらかすようにデッキを振りあげた。街灯が《暗黒界の狂王ブロン》を輝かせる。彼らはアルマを主と認めたようだ。ブロンたちには警戒が必要だが、アルマは使いこなしている。赤い双眸を光らせながら、コウモリがついてくる。それを視線で流しつつ、デッキケースにしまった。ドレスショップのショーウィンドに、半透明なアルマの微笑が映りこんでいる。

「私たちのこと、アキさんに話しちゃいましたね。信じてくれて嬉しいですよ」

 口に出した。歩道を過ぎていく通行人には、ひとりごとに聞こえるだろう。頷きを返した。説明すると複雑になるけど、遊星さんたちにも伝えていこう。そういう話になった。アルマ・ウェイトリィという存在が認められていき、重りが外れた解放感でいっぱいだ。

「そろそろ、真暗になってきました。帰ってアウスさんに甘えましょう」

 紅くて綺麗なドレス。その手前には、満面の笑顔が輝いていた。アウスは海馬コーポレーションに通っている。科学知識を買われて、フォーチュン改良を手伝っているようだ。アウスはモーメントに興味津々。ついていきたい一方、妹にもデュエルをさせたい。ボクもライディングを勉強中なんだ。寂しくて仕方ないけど、昼間は別行動することになった。

「お兄ちゃん。気がついていますか? アウスさん、可愛らしくなりましたね」

 からかうような口調で呟きだす。そんなの、とっくに分かっているよ。D・ナポレオンを抱えながら、アルマが歩きだした。ショップが並んでいて、ずいぶんと華やかな街通りだ。夜風を吸いこんで、うーんと背伸びをする。幸せそうなアルマを抱きしめたい。

「よぉっ。ダルクちゃんじゃないか。暗くなってきたから、子供は帰りなよ」

 そう話しかけてきたのは氷室さんだ。矢薙さんは一緒じゃないようだ。アルマが挨拶を返すと、うんと首を傾げだした。ボクと雰囲気が違うので、困惑しているのかもしれない。厳つい大男相手なせいか、アルマは少しだけ震えている。ブロンの方が強面だと思うけどなぁ。

「あんたに姉妹がいるか? ついさっき、瓜二つな少女を見かけたがな。髪は総銀髪で、シスターみたいな格好をしていた。何というか、不思議なオーラが漂っていたよ」

「どこで目にしたのですか? 教えてほしいのです」

 アルマの緊張が吹きとんだ。もしかすると、ママかもしれない。アキさんの屋敷を訪ねてから3日目。ボクそっくりな少女の噂は、何度か耳にした。カーリーさんに情報を頼んでみるも、上手く探しだせなかった。話からすると、そう遠くにはいないようだ。逢いたい気持ちが、こみあげてくる。急いで追うことにした。新興宗教の信者たちを押しのけ、アルマが駆けていく。



 ラヴィニア・ウェイトリィ。愛称はライナ。錬金術師ノア・ウェイトリィに造られたホムンクルスである。ボクを産んだことで重態に陥って、ずっと入院生活を余儀なくされてきた。ボク自身が毒になるらしい。それゆえに、ずっと隔離されてきた。今のボクたちなら、会っても大丈夫だろう。恐眼は消えており、こうして街中も歩けるからね。

 12歳頃、ママとの文通を始めた。その頃から、ママの容態が良くなりだしたようだ。迷惑をかけてゴメンナサイ。最初に贈った手紙に、謝罪のメッセージをつめこんだ。産まれたことを謝るな。返ってきた便箋には、文章が清流のように綴られていた。こめられていたのは感謝の気持ち。読みかえすたびに涙流れてくる。許されたのは、文章オンリーのメールまでだった。逢いたい! すごく逢いたいよっ! アルマと想いが共鳴して、心臓が高鳴ってくる。

「あららっ。見つかっちゃっタ」

 アルマが訊きこみを繰りかえし、ついにママと対面できた。18年ぶりの再会になるだろうか。緑豊かな中央公園で、芝生にぺたんと座りこんでいた。猫さん十数匹に囲まれて、ほのぼのとした雰囲気を漂わせている。ミーミー。寄ってきた仔猫を、アルマが撫でこんだ。

「困ったナ。心の準備ができていなかったのニ。私を探してくれるなんて嬉しいワ」

 街灯が涙跡を光らせている。笑顔のままに、両手で目元をぬぐった。その仕草は子供のようだ。ホムンクルスは年取らないと聞いている。アルマが駆けよると、真正面から抱きしめられた。ホムンクルス特有の肌触りが柔らかい。アルマが嗚咽を漏らしだした。

「あなたを抱きしめたのは初めてだワ。アルマ、ダルク。2人とも大きくなったネ」

 仔猫が母猫に甘えこんでいた。そんな光景がぼやけている。

「ねぇ。どうして、この世界に来ているの? RPGに参加するため?」

 アルマと交替して、ボクが質問をぶつけてみた。疑問を浮かべることもなく、桃色瞳がボクを見つめてくる。嬉しさに浸っていたいけど、重要なことだからね。微笑を湛えて、ボクそっくりな顔を近づけてきた。額同士が合わさり、温かさが浸透してくる。

「ダルクは逞しくなったネ。その質問にはイエスと答えるワ。ウルタールに連れてこられたノ。ナイアーラトテップには気をつけてネ。あなたを利用して、何かを企んでいるようダカラ。ゆっくり話をしたいけど、私は去るワ。こうして抱擁するだけで満足できたヨ」

 閃光が眩しい。公園が真白に染められていく。気がつけば、ママが跡形もなく消えていた。吃驚した野良猫たちが、きょろきょろ戸惑っている。涼風が木々を静かに揺らせている。心奥に刻まれたのは、ママの素敵なスマイルフェイス。なんで……?

「逢えたばかりなのに、どうして行っちゃうのですか!?」

 アルマが表面に出てきて、怒鳴りだした。投げおろした拳が震えている。ママを追いかけたいけど、そうもいかないようだ。ふぅーっ! 猫たちが威嚇をあげだす。その視線先には、怪しげな女性が立っていた。ショーウィンドのドレスを思いだす。夜闇を切裂くように、美脚で歩んでくる。伸ばした緑髪を払いながら、自己紹介をしだした。



「今回の御相手は、わたくし、ダーク・セブンスターズの貴婦人、ヴァンパイア・カミューラ」

 ニヤリと開いた口元には、牙が生えていた。露出した肩には、コウモリが止まっている。赤瞳が不気味に灯っている。最悪のタイミングで、ダーク・セブンスターズが襲ってきたものだ。アルマと同じく、怒りが泡立ってくるよ。カミューラがミニドールを取りだし、アルマに見せつけた。よくよく観察してみれば、ボクそっくりのデザインをしている。

「勝者は次なる道へ。敗者は、この人形に魂を封印される。元々からして、あなたは人形みたいなルックスだけどね。ヴァンパイア一族復活のため、最高のエナジーとなるわ」

 獲物を狙うような目つきだ。その中心には真剣さが通っている。ヴァンパイア一族? この決闘者も、デ・ザードのように目的があるのだろう。

『お兄ちゃん。このデュエルは私にやらせてください!』

「カミューラ! あなたと決闘するのは、アルマ・ウェイトリィなのです。手に入れたばかりのデッキだけど、すっかり使いこなせるのですよ! 絶対に負けないのです!」

「それは楽しみだわ。私はブロンのように、いかなくてよ」

 乾いてない涙をぬぐって、デュエル・ディスクをセット。紫霧が周囲を覆いつくす。野良猫たちに見守られながら、ダークデュエルが始まろうとする。



『デュエル!』



【1ターン目:アルマ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「私の先攻、ドロー。カード1枚をセットして、ターンエンド」

 何ということだ。召喚できるモンスターがいない。ブラフを仕掛けたけど、アルマのポーカーフェイスは見透かされているだろう。それでも、アルマの悪賢さに感心してしまう。怖がりながらも、自信をみなぎらせている。その理由が納得できたよ。そんな妹を支えていきたい。



【2ターン目:カミューラ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
アルマ:魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。


「モンスターが手札に来なかったのかしらぁ? 私のターン、ドロー。《ヴァンパイア・バッツ:攻撃力800・Lv2》を召喚。このカードが存在するかぎり、アンデット族モンスターのパワーは200ポイントアップする。舞えっ! 《ヴァンパイア・バッツ》でダイレクト・アタック!」

 《ヴァンパイア・バッツ》もアンデットだから、攻撃力1000ポイントにまで上昇している。夜空から急降下しての爪攻撃。アルマのライフは3000ポイントにまで削られた。

「カード2枚をセットして、ターンエンド」



【3ターン目:アルマ】LP3000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
アルマ:魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。

カミューラ:《ヴァンパイア・バッツ:攻撃力1000・Lv2》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。


「私のターン、ドロー。やばっ……。カード1枚をセットして、ターンエンド」

 アルマのデッキは調整されているけど、こういう不運もあるだろう。うかつすぎる。うっかり表情に出してしまった。カミューラが見逃すはずもない。牙剥きだしの口元を曲げている。



【4ターン目:カミューラ】LP4000、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
アルマ:魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。

カミューラ:《ヴァンパイア・バッツ:攻撃力1000・Lv2》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。


「手札事故? あまりにも不運すぎるわねぇ。私のターン、ドロー。《不死のワーウルフ:攻撃力1200・Lv4》を召喚。《ヴァンパイア・バッツ》により、攻撃力1400ポイントにまでパワーアップするわ。切裂け、《不死のワーウルフ》! 2体のモンスターでダイレクト・アタック!」

「手札から《クリボー》を捨て、バトルダメージを0にします」

「永続罠《ダーク・オブ・デストラクション》を発動。手札から墓地に捨てられるモンスターは除外されるわ。その《クリボー》も復活できなくなる」

 クリクリー! 《クリボー》が巨大化して、《不死のワーウルフ》の猛突進を受けとめる。それでも、《ヴァンパイア・バッツ》のアタックまでは防げない。1000ポイントの戦闘ダメージを受け、アルマのライフは2000ポイントにまで減らされていく。《クリボー》はブラックホールへと吸いこまれた。勝利を確信したかのような表情で、カミューラが見下してきた。

「どうやら、あなたは弱くて無様なデュエリストのようね。ターンエンド」

 アルマが歯軋りした。勝利を諦めていない。次なるドローに希望をこめている。ターンを始めようとするも、野良猫たちが悲鳴をあげだした。一目散に逃走していく。夜空に巨大すぎる光柱が立っている。その中を巨獣が降りてくる。六本腕の怪人が生えた巨大蜘蛛だろうか? 夜気全体が畏怖するかのように震えている。カーミュラが冷汗を垂らしながら、かぼそく呟きだした。

「旧支配者アトラク=ナクア……」





【エピソード5-D・セブンスターズ・その10】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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