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CROSS-80 旧支配者アトラク=ナクア

遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【3】遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【3】
(2009/03/18)
宮下雄也、星野貴紀 他

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 アトラク=ナクアは、やはり昆虫使いで。

 シティはパニックに陥っている。旧支配者アトラク=ナクアの化身(アバター)が降臨したからだ。怪人の生えた巨大蜘蛛。そんなものが動きまわれば、この騒乱も仕方がない。高層ビルの森では、張りめぐらされた蜘蛛糸が結晶模様を描いている。

「蜘蛛野郎めっ! やりたい放題に暴れやがって!」

 クロウが吐きすてた。グリップを握ったまま、前方を見すえている。渋滞しているせいで、なかなか目的地まで進められない。歩道は避難者により、ごったがえしている。ビルの壁面には、蜘蛛糸で巻かれたデュエリストが張りつけられている。悲鳴がざわめきに飲みこまれていく。何て酷いことをするのだろうか。可哀相だけど、助けるだけの余裕もないんだ。

 カミューラとの決闘直後、ボクはアトラク=ナクアへと向かって走っていた。そこでクロウと合流して、D・ホィールに乗せてもらった。きちんとヘルメットをかぶっての相乗り。無線連絡をしながら、クロウは情報収集をしていた。アトラク=ナクアは強引にデュエルを挑んでいるらしい。蜘蛛糸を決闘盤に絡ませて、逃げられないようにするという。

「デュエル・ディスクを拘束して挑むなんて、決闘者として許せないよね」

「えっ。あぁ……」

 こんな状況なのか、そっけない返事が呟かれた。隙間を縫いながら、ブラック・バード号が疾走していく。落ちてしまわないように、クロウの背中にしがみついた。アウスが心配で連絡してみたけど、海馬コーポレーションで待機しているようだ。そのまま大人しくしているように頼んだ。クロウの背中は広くて、子供たちが慕うのも理解できてくる。ボクなんて、まだまだ小さいからね。

「免許を取れたら、クリボー号で駆けつけられるのに」

「ダルクなら、すぐにもゲットできる。遊星だって誉めていたぞ。ここまで頑張るデュエリストは見たことないって。そのうちに、俺とも戦おうなっ!」

 厳しいコーチぶりだったけど、遊星さんも誉めてくれたのか。ウサギさんみたいに、心臓が跳ねてしまう。緊張まみれの返事を零してしまった。壁面から泣声が降ってくる。見覚えのある黒服トリオが張りつけられている。彼らも襲われてしまったのか。

「あれはチーム・カタストロフの3人じゃないか」

 クロウが複雑に表情を歪ませている。ボクもデュエルしたことあるけど、前向きに歩こうとしている人たちだった。怒りのボルテージが上昇してくる。大通りに出ると、光の信者集団が詠っていた。こんな非常時にまで、何をしているのだろう? 悲鳴と豪笑が大きくなってくる。

「あれがアトラク=ナクアかよ。とんでもない怪物だな」

「俺も見るのは初めて。クロウさん、気をつけて。かなり獰猛だと、ヒータから聞いているの」

 ここまで近づくと、避難車も見られない。遠慮なく加速していく。テンション高いデュエルヴォイスが響いてきた。青年ぽい声をしている。蜘蛛の巣が広がっている夜空に、どこか幻想的な雰囲気を感じてしまう。粘性糸がネオン光を反射しているせいもあるだろうか。交差点広場を占領している旧支配者が、ボクたちを見下ろしてきた。悪寒が這いあがってくる。



「《古代種族の騎士 カブト:攻撃力1900・Lv4》のモンスター効果を発動。《ゴロゴル:攻撃力1350・Lv3》を攻撃表示に変更する。このまま、攻撃するぜっ!」

 和風特撮で観たようなデザインをしている。カブトムシの剣士が、岩石モンスターを角で突上げた。球形の巨顔が投げとばされる。オーラほとばしるソードを、《古代種族の騎士 カブト》が振りあげた。腰を屈めて、落下してくる相手モンスターを斬りはらう。《ゴロゴル》は爆散炎上。アトラク=ナクアと対戦していたポリスが吹きとばされた。

「俺の勝ちだっ! 連戦連勝で盛りあがってくるぜ!」

 はるか上方から、歓喜が撒かれる。アトラク=ナクアが糸吹雪を放った。ポリスに勢いよく絡みついて、街路樹に括りつける。風間! クロウが叫んだ。別の木々にも、敗者たちが拘束されている。誰もが悔しそうに項垂れている。巨大蜘蛛から生えた怪人が、視線を下ろしてきた。

「ヴルトゥーム・ウェイトリィか。本命さんが来てくれるとはな。こいつは、探す手間が省けたぜ」

「君がアトラク=ナクアだね。どうして、こんなことをするの? 蜘蛛の巣でシティを滅茶苦茶にして。どうしてダーク・セブンスターズとして、ファラオについているの?」

「俺様のアートをディスるなよ。面白いからに決まってるだろ。デュエル・モンスターズは活けているし、街で暴れるとスカーッとするんだよっ! 顔無きスフィンクスに誘われたから、ファラオ陣営にいる。飽きてきたら、ゾーク何たらもボコるけどな」

 六本腕を大仰に動かしながら、アトラク=ナクアが唾飛ばしている。旧支配者の化身(アバター)とはいえ、ヒータと雰囲気が違いすぎる。楽しむために暴れるなんて、迷惑極まりない蜘蛛さんだよ。アルマも怒っているようだ。クロウが乗りだして、怒鳴りあげた。

「おいっ、蜘蛛野郎! 風間たちを解放しやがれっ!」

「俺を倒せたら、そうしてやるよ。2人がかりでこいや。俺が勝ったら、お前らを糸まみれにしてやる。ただし、禁止カードを1枚だけ使わせてもらうぜ。その条件でどうだっ!?」

「上等だ!」

 クロウと頷きあった。アルマが交替要求をしてきたが、きっぱりと断った。たしかに、闇属性使いという共通点はあるけどね。クロウと組んでみたいんだ。D・ナポレオンが足首を突いてきた。《D.D.ナポレオン》というカードを差しだしてくる。アルマ向きのモンスターだけど、せっかくだからデッキに入れておこう。ありがとう。交差点広場での変則タッグ・デュエルが始まろうとする。

「こいつは燃えるぜ! さぁ、祭りの始まりだっ!」



『デュエル!』



【1ターン目:アトラク=ナクア】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「俺の先攻、ドロー。《代打バッター:攻撃力1000・Lv4》を召喚」

「手札から《スパイダー・スパイダー》を墓地に送り、魔法カード《闘虫仮装》を発動する。デッキから昆虫族モンスター《古代種族の幼虫》を手札に加える。《代打バッター》を破壊して、モンスター効果を発動。手札から《グランド・スパイダー:守備力1500・Lv4》を特殊召喚!」

「カード2枚をセットして、ターンエンド」



【2ターン目:クロウ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
アトラク=ナクア:《グランド・スパイダー:守備力1500・Lv4》が守備表示。魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。


「ダルク。俺からいかせてもらうぜ。ドロー」

「罠カード《第六感》を発動。【5】と【6】を宣言する。サイコロを振り、宣言した目数が出れば、その枚数分だけドローできるんだぜ」

「何だとっ!? いくらなんでも、インチキすぎるぞ!」

「だから、禁止カードに指定されたんだろうな。言っただろう? 禁止カードを1枚だけ使わせてもらうって。安心ろよ。このカードにも、外れた場合のリスクがある。サイコロの目数だけ、デッキからカードを墓地に送らなければならない。墓地肥やしになるよなっ!」

 アトラク=ナクアが笑いあげる。ソリッド・ヴィジョンにより投影されたビッグ・サイコロ。車道を転がっていく。外れるように祈るも、夜空に顔向けしたのは【5】であった。

「よっしゃーっ! カード5枚をドローさせてもらうぜ。2人相手で手札アドバンテージは不利だったが、その差分は埋まったようだ。遠慮なく攻めてやるから、覚悟しておけよ!」

「覚悟するのは、あんたの方だ。《BF-蒼炎のシュラ:攻撃力1800・Lv4》を召喚」

「表側守備表示で存在する《グランド・スパイダー》のモンスター効果を発動。召喚された《BF-蒼炎のシュラ:守備力1200》を守備表示に変更するぜ!」

「その戦略は読んでいた。《BF》が存在することにより、手札から《BF-疾風のゲイル:攻撃力1300・Lv3・チューナー》を特殊召喚する。守備表示にされても、シンクロ召喚すれば問題ない」

「永続罠《不協和音》を発動。このカードがあるかぎり、お互いにシンクロ召喚はできない」

 《グランド・スパイダー》の放出した粘性糸により、《BF-蒼炎のシュラ》は絡みとられている。闇夜に響きわたる不協和音。シンクロ召喚まで封じられ、クロウが歯軋りを鳴らした。蜘蛛糸で絡めるかのように、クロウの戦術を縛っている。

「《BF-疾風のゲイル》のモンスター効果により、《グランド・スパイダー》の守備力を半分にする。そのまま、《BF-疾風のゲイル》でアタック!」

 《BF-疾風のゲイル》が両翼を広げて、猛烈風を走らせた。守備力750ポイントにまで落とされた敵蜘蛛は、あっけなく吹きとばされる。八本足をヒクヒクさせながら、《グランド・スパイダー》は息絶えた。戦闘ダメージも受けていないせいか、アトラク=ナクアが余裕を湛えている。

「カード1枚をセットして、ターンエンド」



【3ターン目:アトラク=ナクア】LP4000、ドローフェイズ後の手札7枚

(フィールド)
アトラク=ナクア:永続罠《不協和音》を発動中。

クロウ:《BF-疾風のゲイル:攻撃力1300・Lv3・チューナー》が攻撃表示。《BF-蒼炎のシュラ:攻撃力1800・Lv4》が守備表示。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。


「俺のターン、ドロー。スタンバイフェイズだ。手札から《黄金の天道虫:攻撃力0・Lv1》を公開して、自分ライフを500ポイント回復する」

 黄金軌跡がアトラク・ナクアの周囲を旋回しだした。ライフが4500ポイントにまで回復していく。《黄金の天道虫》が手札にあるかぎり、毎ターンのようにライフ回復ができる。積もっていけば、相当もの回復量に膨れあがるだろう。早く勝負をつけなければ。

「手札から《古代種族の幼虫》を、《BF-疾風のゲイル》に装備する。装備モンスターを昆虫族モンスターとして扱う。《古代種族の騎士 カブト:攻撃力1900・Lv4》を召喚。このカードは昆虫族モンスターの表示形式を変更できる。《BF-疾風のゲイル》を守備表示にするぜ!」

 《ゴロゴル》を粉砕したモンスターだ。グロテスクな芋虫が、《BF-疾風のゲイル》に触手で絡みついている。《古代種族の騎士 カブト》が角突きだしながら猛突進。《BF-疾風のゲイル》を転がした。クロウのフィールドには、2体もの《BF》が表側守備表示で倒れている。

「相手フィールドの表側守備モンスター2体を墓地に送り、手札から《マザー・スパイダー:攻撃力2300・Lv6》を特殊召喚する。こいつを出すために、何枚かのカードを仕掛けたんだ。その威力を、たっぷりと味わえよ。2体のモンスターでダイレクト・アタック!」

 《マザー・スパイダー》が、《BF-疾風のゲイル》と《BF-蒼炎のシュラ》を食べてしまった。咀嚼音が夜街を不快感で満たしていく。《スターダスト・ドラゴン》でも防げないモンスター除去。《不協和音》もシンクロ封じだけでなく、蜘蛛餌を確保するものか。

「何てコンボなんだ! 相手の直接攻撃宣言により、手札から《BF-熱風のギブリ:守備力1600・Lv3》を特殊召喚する」

 先陣を切っていた《マザー・スパイダー》が、《BF-熱風のギブリ》を喰らいつくす。《古代種族の騎士 カブト》がオーラソードでクロウを斬りおとした。1900ポイントもの戦闘ダメージを受け、ライフは2100ポイントにまで減らされていく。

「けっこう! けっこう! 盛りあがってきたぜっ! この程度で倒れてもらっては、張りあいがないからな。カード1枚をセットして、ターンエンドだ」

 アトラク=ナクアが哄笑を叩きつけてくる。こんな性格をしているけど、旧支配者の化身(アバター)なんだ。踏みつぶされそうな悪寒が、全身を駆けめぐる。





【エピソード5-D・セブンスターズ・その14】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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