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CROSS-M ラヴィニア・ウェイトリィ

遊☆戯☆王デュエルモンスターズ ヴォーカルベスト遊☆戯☆王デュエルモンスターズ ヴォーカルベスト
(2012/09/19)
TVサントラ

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 設定説明するような回です。主人公の体質などについて。

 背後関係を調べるためにも、アトラク=ナクアを探していた。遊星さんを助けてくれた件もあり、話しあえそうな気がする。ファラオに反抗したから、敵陣営にもいられないはず。覇王が降臨した場所では、さっそく復興作業が開始されていた。死傷者が出なかったのは幸いだけど、仕事場や住居を追われた人は大変だろう。ネット情報に頼るも、蜘蛛怪人は見つからない。

 その代わりに、ママを発見した。その容姿はシスタードールといった感じだろうか。群集に紛れても見つけやすい。逃げたいのか、止まりたいのか、迷っているような態度をしていた。なので、容易に捕まえられた。背後から抱擁すると、独特の柔らかさが跳ねかえってくる。ママが振りかえって、ほっぺ同士が触れあった。ぽかぽかする。

「逃げないで。訊きたいことが、たくさんあるの」

「ふえぇっ! 分かったけど、ちょっと離してほしい。みんなが見ているカラ」

 困ったように紅潮している。もじもじと親指同士を絡めている。通行人の視線を惹いているようだ。ボクたち親子はそっくりさんだ。髪色と瞳色のみが異なっている。ママは42歳だけど、少女姿を保っている。物腰すらも中年女性には見えない。



「ここなら大丈夫。人形みたいな容姿をしているから、人目を惹いちゃうのヨ。ふぅわぁ、恥ずかしかった。ダルクが産まれたときは、こうして抱っこできなかったナ……」

 完全個室のレストランでくつろいでいる。遠くへと目を泳がせながら、ママがボクを抱きしめていた。ボクとアルマの2人分を愛するかのように。涙こそ流していないけど、ちょっぴり泣いているみたい。窓外には和風景色が控えている。畳上に寝転ぶと心地よい。このまま眠りに落ちたいけど、そうはいかない。気を引締めて、質問タイムを始めよう。

「人質をとられているの?」

「ジョゼフ・カーウィンにね。大いなる計画に協力しろ。でなければ、さらった子供を実験材料にする。そう脅してきたノ。ウルタールも噛んできた。戦災で両親を失くしたけど、あの子たちは元気に成長しているんだ。逆らえないヨ」

「いかにも、アイツらしい。最低すぎる……」

「本当にねぇ。そのおかげで、ダルクとアルマに再会できたのは嬉しい。シグナーの奇跡って凄いんだネ。母親としても、十六夜アキに感謝をしないといけないワ。こうして抱きしめても、恐怖は響いてこない。両眼から瘴気が湧きだしてこない。むしろ、気持ちが和んでくル」

 何度も頭を撫でられた。ママには、魂を癒す能力がある。焦がされたアルマが、次第に安らいでいく。ゆっくりと眠れば回復していくだろう。店員さんが注文料理を運んできた。とろーんとした視線で固まっている。仔猫を眺めるような目つきだ。そそくさと出ていく。

「お姉さん、キュンとしていたネ。愛玩用ホムンクルスだから仕方ないか」

 蠱惑的な眼差しのまま、起きあがった。一緒に寿司を食べていく。ナイフで一口サイズに切りわけて、フォークで刺しこんだ。生魚なのに臭くない。こんな美味しいものを食べ放題って、日本人は羨ましいなぁ。あれっ? 愛玩用ホムンクルスって何だろう? うっかり思考が漏れる。

「私のルーツを聞かされていないのよネ。そろそろ、教えてあげるワ。あなたは、私の性質を色濃く引継いでいる。自分自身の特質ぐらいは受けいれられるネ。もう、子供じゃないようだから」

 こうして、ママは説明を始めだした。



「16世紀初頭に錬金術師パラケルススがホムンクルスを開発したの。私のパパ、ノア・ウェイトリィも協力をしていたというワ。【フラスコの中の小人】だったホムンクルスは進化を遂げていった。ゴーレム製造技術が発展していたから、重労働や戦争使用には消極的だったカナ。その代わり、対人仕事に使われたわ。メイドや執事にホムンクルスが多いんだヨ」

 この世界にも錬金術はあるようだ。デュエル・アカデミアでも教えられていたという。ホムンクルスが教師として紛れていたという都市伝説もあるぐらいだ。それでも、この世界はボクのいた場所と違いすぎる。魔術師同士が決闘する光景も見られない。

「性愛用のホムンクルスも製造されていたけど、20世紀後半の日本で革命が起こったノヨ。愛玩用ホムンクルスが開発されて、進化を爆走させたていったの。ここからが重要。私たちに関することだからネ。御主人様を心地よくさせるのが存在目的。えんえんと少女姿を保ちながら、献身的に尽くしていくんダ。特殊構造の肌をしていて、触れるだけで絶大な快感を与えられるノ」

 何それ……?

「アイドルとしても崇拝され、信者を獲得していった。喫茶店でメイドとして働いているのも少なくないワ。映画でも起用されていった。ていのいい集金装置ダヨ。愛玩用ホムンクルスを前面に出すだけで、大金が集まっていくの。いい財布を錬金術協会は得たものヨ」

「この愛玩用ホムンクルスをベースにして、ナイアーラトテップからの技術も総動員されて、私は製作された。ナイ神父が教えてくれたけど、極度な従順さを目的にして愛玩用が選ばれたそうヨ。その性質を、ヨグ・ソトースの仔に植えつけるために。残虐性が這入りこんだけど、ナイアーラトテップに満足されるような母体にまで成長できたワ」

 残虐性? ボクは破壊本能を抑えているけど、ママにもあるのだろうか?

「悲しいことだけど、愛玩用ホムンクルスに反発している人が少なくないノ。映画女優として押しよせすぎたのも原因かな? 伝統的な歴史映画までもが愛玩人形まみれになって、ファンは激怒したわ。監督さんの個人的趣味が入りすぎて、内容も最悪なものだったそうよ。一部のマニアが暴走しているのも大きいネ。私たちのイメージは最底辺にまで堕ちていった」

「だから、私は行動を起こした。ナイ神父が味方をしてくれて助かったヨ。魔術師として自らを高めていき、【星の知恵派協会】の権力も使用した。酷すぎる従属本能も払ってもらった。同胞集団を集めて、ボランティア活動を始めたの。捨てられた孤児を助けてたりしたワ。愛玩用ホムンクルスの地位向上のために、努力を惜しまなかった」

 ナイ神父には会ったことがある。鉄仮面をかぶった漆黒男だ。ママの語りは続いていく。ジョゼフ・カーウィンやヒータは、ここまで教えてくれなかった。ママからの手紙でも触れられていなかった。森奥に隔離されていたとはいえ、あまりにも無知だったと実感してしまう。携帯装置を取りだして、集合写真を覗かせてくれた。ママは車椅子に座りこんでいる。

「私たちみたいのが集団で吃驚したでしょう? ここに映っているのは、みんな親友ダヨ。歪みきった私なんかよりも、いい性格をしているんダ」

 歪んでいるようには感じられないけど。憂鬱そうな表情に圧されてしまい、言葉のタイミングを逃してしまった。ごまかすように穴子寿司を、口に含ませる。

「愛玩用とまとめて説明したけど、多様だよ。私は従属性が最高値のチャイルドタイプ・ホムンクルス。そうそう。オンナノコばかりに見えるけど、オトコノコもいるからネ。私たちのタイプは、性差が実質的にないようなものだから。生殖機能があるのも、特別製作された私ダケ」

 ジョセフに弄られて、ボクはオトコノコとして産まれた。女性と結ばれれば、子供ができるのだろうか? ボクがパパになるのか。ママが鮭寿司を味わいながら、じっとボクを観察している。口直しに緑茶をすする。面白い話が聞けたけど、今はアウス救出に役立つ情報を集めていきたい。ナイアーラトテップや旧支配者について、話題をシフトしていく。



「ごめんなさい。黒衣の旧支配者については、何も知らないノ」

「ううん。ありがとう。いろいろと教えてくれて。ママはジョセフ・カーウィンに挑まない方がいいね。人質を取られているのだから」

「そうだネ。これ以上の反抗も危なくなってきた。ダルクの力になりたいのに……」

 正面から抱きしめられた。独特の柔らかさは、意図的に造られたものだったのか。そんなことは、どうでもいい。温かい気持ちが、焦燥しているボクを癒してくれる。夕日は沈んでいく。大窓を通して、ライトアップされた中庭が見える。かさかさ。触手を生やした化物蜘蛛が駆けていった。

「中途半端に希望を抱かせるのも辛そうだけど、教えておくワ。ナイ神父から聞いたことだけど、アルマの肉体は無くなっていないの。消化されずに、ヨグ・ソトースの仔に内蔵されている亜空間に置かれているそうヨ。もしかしたらだけど……」



 芽生えた希望を抱きながら、夜街を歩いていく。涼風が気持ちいい。ローブも着ていないから、全身で隈なく味わえる。ママの出自には驚いたけど、知ったことでスッキリとした。これまでに造られたヨグ・ソトースの仔は、何かと反抗的で自滅していったよ。そうウルタールが零していたのを思いだす。だから、都合のいい駒となるように造ったのか。ボクは愛玩用ホムンクルスでないけど、その性質を色濃く引いている。どういうわけか、従属本能は剥がれていっているらしい。

 空一面に魔法陣が浮かび、すぐにも消えた。クリクリー! ハネクリボーが真剣に見上げている。どうやら、大いなる精霊に見張られているらしい。D・ホィールにまたがり、ヘルメットをかぶった。





【エピソードSP4-黒衣の旧支配者・その2】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

No title

なんか生々しい話が出てきたね。リアルでもIPS細胞に力入れているし数十年後にはその手の技術もあり得なくはない。
ライナは少し歪みを入れつつも良心部分を考慮したわけね。

次のパックのアニメ枠で№66以外の№がすべて無効ってどういうことやねん、おまけにランク4ばかり。
無個性極まれりってくらい酷いな。
OCG枠がシンクロ、デーモンや日本神話の武神で魅力的なのが救いだが、デーモンも性能が段違いだし、スピリットネタもテーマに変更。過去のテーマを1から作り直すのはまあ、嬉しいね。結局アマテラスのスピリットが出ず終いになってしまったが

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 倫理的な問題とかありますね。リアルじゃ二次元でやっていますけど、あまりに酷いのは規制されそうな勢い。修正後のライナは、危険ながらも善人面も抱いています。

 ゼアルって、えらく無効が多いですね。古代中国の次は日本神話。スピリットを推すかと思えば、新たに作りましたね。《デーモン》も躍進ですね。何気に植物族モンスターも。
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