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CROSS-106 古のデュエリスト降臨! ジャックVSアドビス3世

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(2008/09/17)
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 ジャック戦を増やします。

 川面が日光を反射させている。欄干にもたれながら、壊れた眼鏡を弄っていた。レンズが割れてしまい、フレームも歪んでいる。親友が残していったものだ。消えいく間際に、シャーディーが悲劇を伝えてくれた。邪悪な魂を埋めこまれて、アウスが闇決闘者にされたと。

「何てことをしてくれたんだよ。大切な友達なのに」

 あいつらへの憎しみに、心臓が握られたような不安。足先が震えてしまい、大人しく立ってすらもいられない。手にしている眼鏡までが小刻みに震えている。川底へ落とさないようにケースへとしまった。背後から嘆息が吹いてきた。ジャック・アトラスが見下ろしている。

「お待たせぇ。遅れて、ごめんなさぁい」

 ぐるぐる眼鏡が近づいてきた。申しわけなさそうに謝っているが、ちょっとの遅刻程度なら問題ないよ。何とか、言葉で表しておいく。ジャックが視線を流した。通行人がニュースについて話題にしているようだ。《デーモン・ビーバー》が大量発生したと。ソリッド・ヴィジョンを使った悪戯であろうか。少しばかり気になるけど、アウスを優先しなければ。



「炎城ムクロさんを倒したのは、間違いなくアウスさんだったよ。記事にはしなかったけど、記録だけは残しておいたから。真暗だけど、何となく分かるでしょ?」

「初めて目にする格好をしているけど、アウスだね。《ジェムナイト》を使いこなすあたり、いかにも彼女らしいよ。D・ホィールに乗れているから、肉体的には損傷していなさそう。その点だけは安心できる。でも、声音や雰囲気が変わっている。何かに憑かれているみたいに」

「グリーンとオレンジのオッドアイにもなっていた」

「シャーディーが言っていた。ユベルの魂片も《超融合》されたと」

 ジャックが寡黙にコーヒーをすすっている。飲食代はボクが払っておこう。2人とも協力してくれているから。黒衣の旧支配者は、ボクを成長させるために動いているようだ。これも試練なのか。青空を見上げた。魔法陣は浮かばなかったが、《時械神》とやらも観察しているのだろう。苛つくやつが多すぎる。どうして、アウスが犠牲にならなければいけないんだ! 彼女が何かしたのかよ!? ふざけやがって! 黒衣の旧支配に再会したら、手加減せずに殴ってやる!

「ダルク。気持ちは分かるけど、落ちつこうよ。カップを割っても解決しないよ」

 カーリーに右手を押えられた。真赤に染まっていた視界が、暴走していた鼓動が、ゆっくりと戻っていく。分厚いレンズから、心配そうな双眸が透けている。クリリー。ハネクリボーにもなぐさめられる。やってきた店員さんに謝って、カップ代の弁償を通しておいた。割音を出したせいで、周囲からの注目が集まっている。本当にごめんなさい。

「信じるんだ。お前が仲間を想うのなら、絶対に取りもどせると」

 優雅にカップを置きながら、ジャックが言葉を注いだ。真剣で優しげな表情をしている。

「そうだね。まずは、俺が冷静にならないといけない。絶望なんかしない。何が起ころうと、アウスを助けるよ。初めて出会ったときからの願いなんだ。彼女の幸せが」

 悲鳴があがった。野外席にいた客たちが、蜘蛛の子を散らすかのように逃げていく。店員さんまで。アスファルトを割って、ミイラソルジャーが立ちあがった。それらが迫ってきて、ボクたちを囲む。カーリーはスクープだとカメラを回している。記者魂に呆れてしまう。あまりにも心配だから、すぐにもカーリーとミイラに割りこんだ。ハネクリボーも威嚇体勢。

「何なの、あれは!?」

 カーリーにつられて、視線を傾ける。女神像デザインの黄金船が降りてくる。視界一面が閃光に塗りつぶされた。一瞬だけ、意識が途切れる。



 気がついたら、別場所に立っていた。はわわっ! カーリーが慌てている。周囲を確認するに、黄金船に乗せられたようだ。ぷっかりと青空高く浮かびあがっている。古代エジプトの衣装をまとった仮面男が、部下たちを従えている。額についているのは、ウジャトの眼だろうか。暗黒のファラオではないようだ。油断はできなけどね。

「我が名は、アビドス3世。顔無きスフィンクスの命により、そなたらを始末しにきた」

 抑揚のない口調で話しかけてきた。仮面奥から覗かれる瞳は、暗黒色に占領されている。この決闘者もナイアーラトテップの犠牲者なのだろう。シャーディーが教えてくれた。這い寄る混沌どもが、冥府で眠っていた神官団を支配したと。黄金色の決闘盤を装着しだした。

「始末しにきただと? ならば、俺が相手をしてやろう」

「俺は?」

「お前は興奮が治まっていないだろう。ジャック・アトラスのデュエルを観戦しているがいい」

「シグナーか。よかろう。ファラオのソウルで砕いてくれよう」



『デュエル!』



【1ターン目:ジャック】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「俺の先攻、ドロー。《インターセプト・デーモン:攻撃力1400・Lv4》を召喚。カード1枚をセットして、ターンエンド」

 アメリカン・フットボールな格好をしたデーモンさんだ。六本腕が蠢いている。相手モンスターが攻撃すれば、相手ライフに500ポイントのダメージを与えられる。



【2ターン目:アドビス3世】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
ジャック:《インターセプト・デーモン:攻撃力1400・Lv4》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード1枚がセットされている。


「余のターン、ドロー。儀式魔法《高等儀式術》を発動。デッキから通常モンスターを、合計レベル8となるように墓地へ送る。《大邪神レシェフ:攻撃力2500・Lv8》を儀式召喚!」

 《ファラオのしもべ》3体と《王家の守護者》1体が墓地へと送られた。レベル2の通常モンスターばかりだ。本来ならば、儀式魔法《大邪神の儀式》で降臨させるモンスターであるが、《高等儀式術》を活かしたのか。《大邪神レシェフ》はゴーレムみたいな岩石巨体をしている。胴体と両腕が途中で途切れており、浮遊球体がつなげているようだ。

「魔法カード1枚を捨て、《大邪神レシェフ》のモンスター効果を発動。エンドフェイズまで、《インターセプト・デーモン》を余の下部とする。これで、そなたを守護するモンスターはなくなった。2体のモンスターでダイレクト・アタック!」

 《インターセプト・デーモン》が、ゆらゆらと引寄せられた。相棒をぎりっと睨みつけ、タックルをぶちかます。1400ポイントの戦闘ダメージを受けて、ジャックのライフは2600ポイントにまで打たれた。《大邪神レシェフ》の直接攻撃が決まれば、敗北寸前に陥ってしまう。

「2回目の直接攻撃宣言時に、手札から《血涙のオーガ:守備力0・Lv4》を特殊召喚する。このカードの攻守は、最初に直接攻撃したモンスターと同じになる」

「《血涙のオーガ》を攻撃するまでだ」

 《血涙のオーガ》の守備力は、《インターセプト・デーモン》と同値である1600ポイントにまで上昇している。《大邪神レシェフ》の撃ちだした波動により、あっけなく叩きつぶされてしまう。いくらかのライフポイントは守れたようだ。

「《インターセプト・デーモン》は返さない。《大邪神レシェフ》が洗脳したモンスター1体をリリースして、魔法カード《アメンホテプの遠征》を発動。墓地から魔法カード《希望の断絶》を手札に加える。さらに、デッキから永続魔法である《強者の苦痛》を手札に加える」

 《希望の断絶》はモンスター効果発動のため、墓地に送られたものだ。

「魔法カード《希望の断絶》を発動。そなたのエクストラ・デッキから《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を除外する。エースモンスターがいなければ、そなたのパワーデッキとやらは威力を半減するであろう。永続魔法《強者の苦痛》を発動。相手モンスターレベル1つにつき、攻撃力が100ポイントダウンする。カード1枚をセットして、ターンエンドだ」



【3ターン目:ジャック】LP2600、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
ジャック:魔法&罠カードゾーンにカード1枚がセットされている。

アドビス3世:《大邪神レシェフ:攻撃力2500・Lv8》が攻撃表示。永続魔法《強者の苦痛》を発動中。魔法&罠カードゾーンにカード1枚がセットされている。


「この程度で威力半減だと? 舐められたものだな。ジャック・アトラスの実力を思い知るがいい。俺のターン、ドロー。魔法カード《コール・リゾネーター》を発動。デッキから《フォース・リゾネーター:攻撃力500・Lv2・チューナー》を手札に加える。攻撃表示で召喚!」

「永続罠《強化蘇生》を発動。墓地から《インターセプト・デーモン:攻撃力1400・Lv4》を特殊召喚する。蘇らせたモンスターの攻守は100ポイントアップし、レベルが1つ上がる」

「レベル5《インターセプト・デーモン》に、レベル2《フォース・リゾネーター》をチューニング!」

「新たなる王者の脈動、混沌の内より出でよ! シンクロ召喚! 誇り高き、《デーモン・カオス・キング:攻撃力2500・Lv6》!」

 《レッド・デーモンズ・ドラゴン》以外にも、ジャックには心強い仲間がいるんだ。痩身な背中からは、炎羽が燃えあがっている。《強者の苦痛》により、攻撃力は1900ポイントにまで落ちている。

「《デーモン・カオス・キング》で《大邪神レシェフ》に攻撃する。このカードの攻撃宣言時、相手モンスター全ての攻撃力と守備力が入替わる」

 《デーモン・カオス・キング》が痩身を屈めてから、船上を駆けていく。両腕から伸びあがった炎刃で、相手モンスターを何度も斬りつけた。《大邪神レシェフ》の攻撃力は1500ポイントになっている。硬質な肉体が崩されていき、豪炎に包まれていった。400ポイントの戦闘ダメージを与え、相手ライフを3600ポイントにまで削れた。

「ターンエンド」

「《大邪神レシェフ》など前座にすぎない。本当の恐怖は、ここから始まる。永続罠《第一の棺》を発動。相手エンドフェイズにより、デッキから永続魔法《第二の棺》を置く」

 実体化したダメージによろめきながらも、アドビス3世が哂いだす。少しだけ仮面が割れている。豪壮な石棺が浮かびだした。重そうな蓋がずれていき、新たな棺が出てきた。どことなく、マトリョーシカ人形みたいだ。不気味な気配が漂ってくる。





【エピソード6-古代神官の宴・その6】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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