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CROSS-112 アウスを取りもどせ! アルパカ・フリードの一撃!

遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【1】遊☆戯☆王5D’s DVDシリーズ DUELBOX【1】
(2008/09/17)
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 ある意味で【沙耶の唄】っぽい部分もあるかな。

 真白な日光が射しこんでいる。森が白色に染められている。円錐形の生物が、ナメクジのごとく巨体を這わしていた。頂頭部分からは触手数本が伸びあがっており、目玉や鉤爪が備えられている。全身を玉虫色に輝かせながら、アウスがさまよっている。彼女は人間でない。【イースの偉大なる種族】と呼ばれる精神生命体である。女性の肉体に憑いて、8年間を生きてきた。

「君はダルクを愛しているんだろう? 12の次元全てを、君たちの愛で塗りかえるんだ」

 いくつもの巨眼が開いては、執拗に囁いていく。鉤爪同士を鳴らすという言語表現で、彼女は言いかえす。そんなことをしたくない! そう聞こえてくるようだ。破滅の光が注いでいき、じりじりとアウスを焼いている。ボクは腕を届かせようとした。触手が波打って、目玉が振りかえってきた。ダルクくん? 容姿が異なっていても、彼女を愛しく感じることに変わりはない。視界一面が揺らめいていく。心を開いてくれた。アウスの本心へと吸いこまれていくようだ。





「これが、イースの憑いた少女か。精神転移に失敗したようだな。上手く肉体を動かせないのか。言語は理解しているんだろう? あんたをダルクのところに連れていくよ。動物を飼わしているけど、あんたを世話させた方が成長も早くなるだろう。はははっ。いいモノを手に入れたよ」

 クトゥグァの化身は、嬉しそうに笑っていた。森奥へと連れこまれて、ダルク・ウェイトリィから世話をされることになった。イースのしての誇りが汚され、屈辱に塗れた日々であった。排出や食事を自分だけでは行なえない。ダルクに何もかもを依存していた。でたらめな暴力で抵抗するも、ひたすらに優しくしてくれた。気がつけば、彼女を受けいれていた。

「あんたは女の肉体に這入りつづけている。イースとしての魂を抱こうが、女性脳からの影響を受けるんだろうな。そのうちに」

 ヒータさんが呟いていた。14歳のころであろうか。森中にまでショゴスが侵入してきた。ミスカトニック大学探検隊がアーカムに運ぼうとするも、逃げられたようだ。私たちに牙を向けてきた。列車のごときスピードで、不定形が駆けてくる。ダルクくんが助けてくれた。虹色球体を撃ちこんで、ショゴスを気絶させたのだ。彼女に唇を押しつけた。映画のミヨウミマネで感謝を表してみた。鼓動がドキドキと踊っていたのを覚えている。抱きしめた感触が気持ちよかった。



 ネオドミノに来てからというもの、ダルクくんは大きくなっている。身長が伸びたわけではない。どういうわけか、背中が頼もしく見えてくるのだ。たくさんの決闘者に触れていくたび、感情が豊かになってくる。ほわほわとしたマシュマロハートが、次第に引締まっているようだ。WDGPの決勝戦あたりだろうか。その勇姿を目にするだけで、心臓が高鳴ってきた。熱病のごとく顔が熱されてしまう。彼と一緒にいても落ちつかない。私はどうすればいいのだろうか?

 【光の結社】に拉致されてしまい、ライトニングにデュエルで敗北した。それでも、不安は薄かった。ダルクくんが助けてくれると信じていたからだ。やっぱり来てくれて、クリボー号に乗せられた。ちっちゃくて勇敢な背中を抱きしめるだけで、鼓動が激しくなってくる。このまま1つになりたいなぁ。そう願った。みんなは可愛らしいと微笑むけど、私には理解できない感覚だ。イースとして生きてきた私は、人間と感覚がずれすぎている。

 十六夜アキが不動遊星に向ける眼差し。それだけは、理解できてきた。





 ボクはD・ホィールで疾走していた。背後からは、ジャックと霊体が追走してきている。アウスの精神を覗いた時間は一瞬であったようだ。とても長く感じたけど。曇天を見上げてから、視線を前方へとおろした。アウスが走っている。それが君の想いなのか。ファラオたちに弄ばれたダークデュエルを終わらせよう。君を連れて帰るよ。もう、ずっと離さないからね!



【8ターン目:ダルク】LP1000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
アウス:《ジェムナイトマスター・ダイヤ:攻撃力3100・Lv9》&《ジェムナイト・ジルコニア:攻撃力2900・Lv8》&《ジェムナイト・ルビーズ:攻撃力2500・Lv6》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード1枚がセットされている。

ダルク:無し。

スピード・カウンター:アウス+6 ダルク+2


「俺のターン、ドロー。スピード・カウンターは2つある。《Sp-エンジェルバトン》を発動。デッキからカード2枚をドローして、手札の《ボム・クリボー》を墓地に送る」

「勝利のピースはそろったようだね! 《Sp-オーバー・ブースト》を発動。スピード・カウンターを4つ増やすよ。スピード・カウンターは5つ以上になった。《Sp-デッド・シンクロン》を発動。墓地からシンクロ召喚を行う。レベル4《アルパカマン・ブラウン》とレベル1《ボム・クリボー》に、レベル5《アルパカ・ナイト》をチューニング!」

「伝説に謳われし、アルパカの先導者よ。聖剣を振りかざし、新たなる希望を切開け! シンクロ召喚! 《剣聖アルパカ・フリード:攻撃力3000・Lv10》!」

「《Sp-スピード・エナジー》を発動。スピード・カウンター1つにつき、自分モンスター1体のパワーは200ポイントアップする。《剣聖アルパカ・フリード》は攻撃力4200ポイント!」

「《アルパカマン:攻撃力1600・Lv3》を召喚。《剣聖アルパカ・フリード》のモンスター効果を発動。《アルパカマン》のパワーを吸収するよ。攻撃力は5800ポイントにまで上昇した。《ジェムナイトマスター・ダイヤ》にアタック!」

 《剣聖アルパカ・フリード》が攻撃するとき、相手フィールドのカード効果は無効になる。《ジェムナイトマスター・ダイヤ》は攻撃力2900ポイントにまで戻される。一瞬だけ視線が交差した。相棒がアルパカを駆り、攻撃対象へ突撃していく。お互いが得物を振りおろして、剣同士が火花を散らした。相手モンスターから宝石剣が弾かれていく。それはコース後方へと落ちていった。甲冑ごと斬られ、《ジェムナイトマスター・ダイヤ》は光条を吐きながら爆散した。2900ポイントもの戦闘ダメージを受けて、アウスのライフは500ポイントにまで激減した。


 白光に焼かれている森。さまよっていたアウスに手が届いた。彼女も全身を振りかえす。


 悲鳴をあげながら、アウスがよろめいていく。《剣聖アルパカ・フリード》の剣閃が、彼女に憑いているモノを吹きとばしたようだ。真白なエネルギーが霧散していく。アウスがスピードを落として後退してきた。ボクと並ぶと、じっと見つめてきた。その双眸はオッドアイでなくなっている。クラッシュの心配はないようだ。自我を回復したばかりだけど、アウスは乗りこなせている。

「ダルクくん。私……」

「アウス。そのまま、D・ホィールを走らせつづけるんだ。このデュエルを終らすよ。次のスタンバイフェイズ、ファラオの敗北でね。カード1枚をセットして、ターンエンド」

 《Sp-デッド・シンクロン》の代償として、《剣聖アルパカ・フリード》が除外されていく。親指を立てながら消えていった。ありがとう。アウスに両目を向けると、しっかりと頷いてくれた。ボクの意志は伝わった。このセットカードが脱出のキーとなるんだ。

「ダルクくん……。私のターン、ドロー」

「罠カード《破壊指輪》を発動。自分フィールドの《アルパカマン》を破壊して、互いに1000ポイントのダメージを受ける。これで、どちらも敗北しない!」

 2人ともライフは1000ポイントを割っている。《アルパカマン》が指輪を装着して、跳びあがった。アウス使用の《スピード・ワールド2》には、オレイカルコスの欠片が含まれている。敗者の魂を飲みこもうと、巨大魔法陣が広がった。そこに《アルパカマン》がドロップキックを叩きこむ。悲鳴のごとく紫電を吐きながら、フィールドの呪縛は砕かれた。ボクたちは引分けとなった。



 互いのD・ホィールが減速していき、道路中央でストップする。アウスがボクに駆寄ろうとするも、途中で倒れてしまう。かなりのダメージを受けているようだ。急いで支えて、アウスを寝かせた。子供のように泣きながら、甘えこむように抱きついてきた。ブラウスがびちょびちょに濡れる。ボクも嬉しくて号泣したかったけど我慢した。アウスが安心して寄りかかれる。そんな大木になろう。

「私は、とんでもないことを……」

「アウスは、まだ何もしていないよ。悪夢を見せられていたんだ」

 アウスに両腕を回しこんだ。疲れきった彼女は、沈むように意識を落としていく。おやすみ、アウス。ファラオの驚愕顔が、霊体に透けている。ジャックが踏みだして、怒鳴りあげた。

「ファラオがどんな決闘者かと思えば、姑息な小者だったようだな! 貴様はダルクたちを貶めようとしたが、2人は貴様に勝利した。このジャック・アトラスがデュエルを申しこむ。伝説の神を使いこなすというが、我が魂が砕いてくれよう!」

「はん! えらそうに。こういう結末も予想して、アウス・ピースリーに猛毒を仕掛けておいた。どちらにしろ、その女は死ぬんだよ。今から始まる絶望劇が愉しみだぜ!」

 霊体が歪に哂いこんだ。アウスの両目が見開いた。苦悶の絶叫をあげる。かきむしるように右手が伸びた。顔面が蒼白に抜けていく。毒だって!? ハネクリボーがキラキラを注ぐも、いっこうに回復しない。すぐに病院に向かわなくては。ファラオの哄笑が響きわたる。


「安心しな。死なないように、回復魔法を打ちこんであるからよ」


 ボクたちの視線が、いっせいに後方へと回される。蜘蛛怪人が立っていた。空中に浮かんだメニューウィンドウを、指先で弄っている。奇妙な立体文字が蠢いている。希望から奈落に流されていったが、すぐにも救いあげられた。聖光が湧きだして、アウスを優しく抱擁する。彼女から苦しみが消えて、安らぎが広がっていく。

「アトラク・ナクア。生きていたのか……?」

「次元の狭間に飛ばされたが、この通りに帰ってきたぜ。あんたが何をするのか、だいたいは予想していたんだよ。アウス・ピースリーが死傷しないように、マジック仕掛けて成功だったな。つーかよぉ。お前、うざいから消えろや! ぶっ転がすぞ!」

 アトラク=ナクアが殴りつけると、霊体が霧散した。分かりにくい部分もあったけど、彼がアウスを助けてくれたようだ。複眼がボクを見下ろしてきた。蜘蛛顎が開閉を繰りかえしている。ジャックがアトラク=ナクアを怪訝そうに見ている。

「あ、ありがとう……」

「アウスの体力は完全回復しておいたが、精神的に疲れきっている。ちゃんとした場所で休ませないとな。礼をするのは早すぎるぜ。空を見上げてみな。厄介なモノが降りてきやがる」

 大陸雲には茜色が射しこんでいる。空一面に魔法陣が広がった。その中央に巨大眼球が開いて、明らかにボクをにらみつけている。前々から見てきた光景だけど、今度だけは違った。神々しい何かが、ゆっくりと降臨してくる。燃えあがるような夕日が、壮大さに拍車をかけているようだ。ジャックは知っているのか、ぼそりと呟いた。

「《究極時械神セフィロン》だと? どうして、ここに……」





【エピソード6-古代神官の宴・その12】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

No title

《破壊指輪》と来たか。前にあった重たい話を簡略的に絡めて説明したわけね。
確かにこれなら長ったらしくなくて自然。

もうそろそろ話が終わりそうだけど、2章の主人公やそのデッキはどうするか決めた?
ダルク続投で多少新カード追加でもいい気がしてきた。
今更だけど主人公らしいエクシーズコンセプトは難しい。ランク3~6で小奇麗にまとまると地味だし
かといって7~10の大型主体だと敵役っぽい。ランク1、2はむしろダルク向き
シンクロと違って強弱が付けにくい。となるとレベルバラバラで自身の仲間を自身と同じレベルにする共通効果あたりが妥当か。レベル・ランク1~10を色々出せて素材でも戦える柔軟さがあると理想的で楽しいんだけどね。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 引分け落ちにしました。敗者が出ないようにと。過去回想のまとめ方なども、何となくコツがつかめてきました。

 2章の主人公。初期案に拘るのもアレですね。一度リセットして考えなおしています。2パーティーで考えています。片方は遊馬(平行世界ヴァージョン)+十代と決まっています。アルマも押しだそうと思いますが、彼女はデッキ的にクロウっぽくなりそう。
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