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CROSS-O 最終決戦に向けて

遊☆戯☆王5D's ヴォーカルベスト遊☆戯☆王5D's ヴォーカルベスト
(2012/09/19)
TVサントラ

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 主人公がイメチェンします。デュエルなしのミニストーリー。

 お兄ちゃんは雰囲気を変えだした。私との区別をつける目的もあるだろうが、少女扱いされるのが嫌になったにちがいない。ショートヘアーにしたせいか、表情が引締まったせいか、元気盛りの少年ぽくなっている。とはいえ、可愛らしい顔をしているのだ。少女体型も相まってか、ボーイッシュなガールにも見えてしまう。

 普段着もチェンジしている。半袖カッターの上からは、ベストを着こんでいる。赤いネクタイを締めており、どこぞの坊ちゃんだと訊きたくなる。膝近くまであるハーフパンツをはいており、以前ほどには脚を出していない。ちなみに、私も似たような格好をしている。ネクタイの代わりにレッドリボンをつけており、ベストは着ていない。ハーフパンツは少しばかり短めかな。ジャックから奪いかえしたカチューシャで飾っている。あの野郎、私までも男ではないかと疑いやがった。

 お兄ちゃんはアウスさんと恋人関係になった。元々からして仲良しさんなので、あいかわらずな様子だ。アウスさんの彼氏として振舞おうと、お兄ちゃんは必死になっている。そのままでもOKなのに。ジャックの影響もあり、少女っぽい仕草を直そうとしている。女性用衣装あたりも私にくれた。寝巻きにしていたワンピースなどなど。着るつもりはないらしい。



 【CAFE LA GEEN】のホットチョコレートは美味しいものだ。お兄ちゃんに憑いていたが、解放されてしまった。自分自身の肉体を所有できて、あまりにも感動してしまう。お兄ちゃんに遠慮せず動きまわれる。なんて自由なんだ! フォークでチーズケーキを刺して、D・ナポレオンに食べさせる。ダークネスは私に懐いているみたい。ずっと一緒だよっ。

「しかし、この喫茶店も大きくなったわねぇ。席数も広がって、バイトさんも増えた。ダルクがいる影響かも。WDGPの優勝者だけあり、挑戦者が殺到しちゃうから。マスターも向上心あるようだし、メニューも美味しくなっている。休業は残念だけど、仕方がないわね」

「お兄ちゃんは可愛いです。そっち目当ても多いはずです」

「遠回しに自画自賛しているわね。マスコット扱いされていたから、あながち間違いでもないようだけど。アルマ・ウェイトリィが実在していたなんて驚いた。2人並んでいるところを見たことなかったから、ダルクの二重人格説も疑っていたわ」

「それには事情がありまして。察してください、カーリーさん」

「それよりも、あのシスター少女は母親かしら? あれで42歳なんて信じられない。人間じゃなくて、ホムンクルスなんですね? うーむ。人形ぽいと思っていたけど……」

 ぐるぐる眼鏡を透かして、思慮深げな表情が浮かびあがった。正確に表現すれば、特注品の愛玩用ホムンクルスなのだ。お兄ちゃんと私は、そこから産まれた【ヨグ・ソトースの仔】という存在らしい。ママの特性をたっぷりと受継いでいる。

「ダルクちゃんも、アルマちゃんも、人形じゃなくて人間だよっ!」

 勘違い気味に、ステファニーが注意をした。カーリーが謝罪する。避難勧告が始まっているせいか、お客さんは私たちしかいない。しばらくは喫茶店も閉じるそうだ。マスターもステファニーも避難準備で忙しそう。余ったケーキを胃袋処理している。ダークネスにもチョコケーキを食べさせる。甘さという洪水が広がって、溶けてしまいそうになります。こんな時期に、私は何をしているのでしょうか? お兄ちゃんの指示待ちをしているのです。

「集団避難の話題は以前からあったそうだよ。遊星さんがイェーガー市長に提案していたみたい。危なくなるからシティを脱出しろと言われても、急には無理だもんね。みんな生活もあるし、大邪神が降りてくるという保証もないし。アーククレイドル騒ぎみたいに迫っていなかったから。大蜘蛛が暴れまわったりして、市民意識も変わっていったみたい」

「アトラク・ナクアなのですね? お兄ちゃんに言われてか、被害者への謝罪活動をしていたのです。イェーガー市長にも叱られていました。協力して、シティを守ってくれるのです」

「取材してみたけど、粋がっている少年みたいな印象を受けたわ」

 アトラク・ナクアが味方側に来てくれたのは大きい。何たって、旧支配者様なのだ。お兄ちゃんとの真剣決闘は、全てが終ってからと決まった。記憶が曖昧になっているとはいえ、有力な情報も得られた。ゾーク・ネクロファデスが攻めてくる前に、こっちからやっちゃえ! ファラオ神殿にまで案内してもらおうとするも、転移機能がつながらないそうだ。よく分からないけど、守備に徹するしかなさそうで。あの蜘蛛怪人は少年姿でいれば、けっこうカッコいいのに。

「避難活動は進行中! みんな動いているようだし、私も取材頑張りましょう!」

「無理をしないでくださいね。危なくなったら逃げるのですよ。命あってのものですから」

「心得ていますとも!」

 カーリーに写真を撮られた。私への雑談兼ねた取材も終了したようだ。



「アルマ・ウェイトリィの肉体が還ってきたとは、本当のようだね」

 それまでの和やかな雰囲気が燃やされていく。ヒータが近づいてきたのだ。双眸が焔のごとく燃えあがっている。長身であり、鍛えあげられた肉体を張りあげている。迫力が半端ないのです。カーリーも冷汗を垂らしているみたい。手先が小刻みに震えてしまう。

「緊張するなよ。よぉく、知っている仲じゃないか。ちょっと調べさせてもらうよ」

 そう言いながら、私の近くでディスプレイを広げはじめた。この立体文字群の解読は、お兄ちゃんにもできないようだ。アトラク=ナクアが言うには、ヨグ・ソトースを操作するためのプログラム言語などが書かれているらしい。グラフっぽいのが確認できる。ヒータが眉をしかめだした。ゾラ親子が呆然としながら、私たちを眺めている。

「アルマでは操作可能領域が0のままか。あまり期待はしてなかったが、こっちは駄目だな。まぁいい。ダルクは著しく成長しているようだから……」

 私への興味を失ったようだ。振りかえって去ろうとする。ジョゼフ・カーウィンにしても、ヒータにしても、興味があるのはダルク・ウェイトリィのみ。できそこないの私は、オマケにすぎないのだ。私も心奥に隠れてばかりで、自己主張をしてこなかったな。私は声をかける。

「ゾーク・ネクロファデスが降りてきたら、一緒に戦ってほしいです。ヒータさんは強いから」

「あぁ。いろいろと忙しくなりそうだ……」

 返事が跳ねかえってきた。ステファニーもカーリーも気分悪そうにしている。あの立体文字は、人間にはきつそうだから。クトゥグァの畏怖も大きすぎる。優しく抱擁すると、2人とも精神が回復していった。私はママから特殊能力を引継いでいる。魂を癒せるようです。

「ありがとう。何だか、気分がいいわ」

「アルマちゃんは不思議な力があるんだね。ありがとう。今の人、感じが悪いなぁ。駄目とか言っていたけど、気にしちゃいけないよ」

「ありがとうなのです」

 ステファニーが呟いた。そういう人なのですよ。お兄ちゃんは好いているようだけど、どこか冷酷な部分がある。ゆっくりと息を吐いて、イライラを落ちつけていった。そろそろ、お兄ちゃんと落ちあおう。私自身の充電タイムも完了してきた。その前に、イチゴケーキも収めておこう。視線を伸ばすと、奇妙な酔っぱらいが歩いていた。両目が垂れていて、決闘盤を振りまわしている。そいつは奇妙な叫びをあげながら、裏路地へと消えていった。



『デュエルぅー。デュエルぅー』





【エピソードSP5-決戦前夜・その1】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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