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CROSS-P ファラオ神殿にて

遊戯王 デュエルモンスターズ Vol.23 [DVD]遊戯王 デュエルモンスターズ Vol.23 [DVD]
(2002/07/17)
風間俊介、津田健次郎 他

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 次回で最終決戦章に入ります。ぷちストーリー。

「パパって凄いね。何でも知っているんだもん。ボクも頑張って追いつきたいなぁ」

「魔導書って面白い。読んでいるだけで、心が躍ってくるよ。パパも一緒に読もう」

「このドレスって可愛らしいね。ありがとう。パパ、大好き!」

「死刑囚だからって実験台にしてもいいの? 泣叫んでいて、かわいそうだよ」

「お願いだから、アルマを虐めないでほしいの」

「パパ。ボクのことを殴らないでよ! ごめんなさい! パパの言うことを聞くから、もう止めてよ!」

「どうして、メアリをゾンビに変えちゃったの? 友達になれそうだったのに……」

「お前なんか大嫌いだ。パパじゃないよっ!」



「……パパ。……パパ、起きて。みんな集まっているよ」

「ウィンか。少しばかり、夢を見ていたようだ」



 ジョゼフ・カーウィンが広間に入った。その傍らには、ウィン・カーウィンがついている。ナイアーラトテップと契約したとはいえ、眠りは欠かせない。旧支配者アトラク・ナクアが暴れたせいか、ずいぶんと宮殿内が荒れているものだ。

 顔無きスフィンクスが浮いていた。前足を振りあげて、石床に叩きつける。広がった魔法陣から、決闘者たちが浮かびあがってきた。異世界から召喚されたのであろう。彼らの右手甲には、スフィンクスサインが刻まれている。仮面のマジシャン。光と闇の仮面コンビ。寡黙なるドール。スフィンクスは、シグナーどもを敵視している。ダルクの恐眼を奪ったのが許せないという。

 スフィンクスの使徒どもを眺めながら、マリク・イシュタールが鼻で笑っていた。興味を抱いていたこともあり、ジョゼフが近づいていく。ウィンもついてきた。不気味な哂顔が、松明の炎により照らされている。マリクが視線を刺しこんできた。

「驚いたぞ。ファラオとナイアーラトテップがグルだったとはな」

「暗黒のファラオは、ナイアーラトテップとの契約を結んでいる。ヴルトゥーム・ウェイトリィを成長させ、ヨグ・ソトースの扉を開放する。大いなる計画のために芝居をしていたのだ」

 計画が成功すれば、あらゆる知識がジョゼフに与えられる。世界の根源を求められる。ナイアーラトテップは、そう約束してくれた。覇王がデッキを整理している。ダーク・セブンスターズの生残りが、ヴルトゥームへの復讐に燃えあがっているようだ。貴様ごときにヴルトゥームを倒せまい。驚愕的な集中力と探究心は、私が叩きこんだものだ。ジョゼフがデッキを取りだした。

「マリク・イシュタール。君に面白いカードを渡そう。《旧支配者 シャド=メル》の意識がこめられたモンスターだ。人間を精神汚染させるエネルギーを秘めている。天馬夜行が創ったモノであるが、君にならば使いこなせるだろう。シティを混沌へ陥れるがいい」

「ほぅ。手にするだけで、精神が喰われてしまいそうになる。最高だよ。貰ってやる」

 マリクは興味津々なようだ。タイタス・クロウが苦戦したというシャド=メル。その威力がこめられたカードは、ネオドミノ全域を破滅に導くであろう。これも計画の一端である。ただの玩具程度に考えていたが、この世界でのカードは魔法に近いものだ。ジョゼフもデュエルを覚えておいた。実力こそは劣るが、それを補うだけの戦略ならば整えている。

 マリクはウィンを一瞥するも、興味なさそうに去っていった。ぼたりと涎が零れおちる。十六夜アキとのダークデュエルで、ウィンは多大なるダメージを受けた。彼女に憑いているハスターも、目覚めきっていないようだ。顔無きスフィンクスの命より、シグナーへ挑むことになるだろう。



「ダルク。見上げるがいい。美しい星空であろう。この宇宙はあまりにも広すぎる。そんな宇宙ですらも世界の一端にすぎない。この世界はどのように創られ、どのような原理で動いているのか。人間とは何であるか。好奇心に導かれるがままに、私は魔道に這入りこんだ」



 白昼夢が襲いかかる。両足をばたつかせながら、彼女は夜空を眺めていた。赤い恐眼は澄みきっていた。人命を研究の代償とすることに、ヴルトゥームは耐えられなかったようだ。クトゥグァに奪われ、ヨグ・ソトースの仔という研究対象も失った。

 ファラオは学生服姿でいる。胸に下げられているのは千年ピラミッド。玉座に座りこみ、魔力で広げられたディスプレイを観ていた。映されているのは、ヴルトゥームとアウス・ピースリー。公園でくつろいでいるのか。アウスは人間ではない。性別という概念すらもない精神生命体(エイリアン)である。女の表情で、ヴルトゥームに甘えこんでいる。興味深い光景だ。

 ジョゼフの知っているヴルトゥーム・ウェイトリィは、そこにはいなかった。少女姿をした青年が、愛する女性と過ごしていたのだ。言葉にできない感情に揺らされる。




 シティにデュエルゾンビが出現した。

「デュエルぅー。デュエルぅー」

 呻きながら酔っぱらいのごとくさまよう。若者が面白がって相手をした。そいつに勝利しても立ちあがって、再び挑んでくる。今度は敗北した。若者は魂を抜かれたかのように倒れこむ。仲間たちが駆寄ると、ゆっくりと起きあがった。その表情は、とろーんと垂れている。

「デュエルぅー。デュエルぅー」

 若者は仲間たちにデュエルを挑む。その様子を見守りながら、ジョゼフは哂っていた。





【エピソードSP5-決戦前夜・FINAL】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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