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CROSS-130 ゾーク・ネクロファデス降臨

遊戯王 20 (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫 た 67-20)遊戯王 20 (集英社文庫―コミック版) (集英社文庫 た 67-20)
(2008/02/15)
高橋 和希

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 パンドラさんも登場したり。

 曇天に浮かびあがる魔法陣から、ぞくぞくと亡霊群が湧きだしてきた。古代エジプトの兵士が、そのままミイラ化したような容貌であろうか。それらがシティに降りて、無差別な捕食行為を果たそうとする。異世界のニューヨークにて、ダルクは地獄を体感させられた。ネオドミノでも虐殺劇が繰りかえされようとしている。殺意に満ちた狂笑が降りそそぐ。

 「再び訪れようとするフィンブルの冬。我らが阻止してみせる!」

 ハラルドが叫んだ。《極神皇トール》が《ミョルニルの魔槌》を振りおろして、亡霊騎士団を叩きつぶした。《極神皇ロキ》が指先から闇弾を撃ちはなつ。子供たちを喰らおうとしていた軍隊が、跡形もなく消滅させられた。はるか上空から《極神聖帝オーディン》が稲妻を落とした。広範囲にわたって、死霊群が焼きつくされていく。



「北欧神もやるねぇ。アルマが精霊を実体化しているのか」

 黒衣の旧支配者は、ゾーク・ネクロファデスの肩に立っていた。魔神が暴れまわったせいで、周囲のビルディングが崩壊しきっている。それでも、死傷者は誰一人も出ていない。ゾークが降臨した地区は、避難活動が完了していたようだ。黒衣の旧支配者は、ディスプレイに囲まれている。監視カメラを仕掛けたように、シティの各場所が映しだされている。アルマが瓦礫広場に座りこみ、必死に祈りつづけている。《暗黒界》どもが彼女を護衛しているのか。

「ゾーク。アルマを痛めつけろ」

 黒衣の旧支配者が、キーボードで命令コマンドを入力した。不可思議な立体文字群が、ディスプレイを流れていく。ゾークが両翼を開放した。腰に巻きつけられた邪竜が、アルマへと波動を撃ちおろす。《ブラック・フェザー・ドラゴン》がバリアを張って、アルマを守りきった。

「ゾークだか知らねぇが、鉄砲玉のクロウ様が攻撃を通さないぜ!」

 少しばかり油断をしていたようだ。《極神皇トール》が《ミョルニルの魔槌》を振りあげていた。ゾークが右腕によりガードするも、大衝撃が巨体を沈ませる。《極神皇ロキ》の撃ちだしたダークボールが、大邪神を次々と穿っていく。反撃のダークフェノメノンさえも、《極神聖帝オーディン》により消されてしまった。黒炎が冷汗のごとく流れだす。

「アルマは精霊を実体化させるだけでなく、大幅にパワーアップさせているのか……」

 レインボーバリアに包みこまれたアルマは聖女のようだ。彼女から安らぎの波動が、どこまでも広がっていく。混乱混沌に堕ちている群集から、恐怖が抜けおちていく。そのために、ポリスによる誘導が上手くいっているようだ。

「アルマのヤツ。ただの臆病者かと思っていたが、ダルク以上かもな。精霊実体の可能領域はシティ全土すらも越えているのか。《スターダスト・ドラゴン》までが死霊を破壊している。アトラク・ナクアのガキもうっとおしい。誰のために動いていると思っているんだ? まぁいい。あいつの行動自体も、ダルクを成長させているようだしな。目的には適っている」

 《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が亡霊軍団を粉砕する。ダルクが指示を回しこんで、連携をつなげているようだ。今度は犠牲者を出さないと、表情を引締めている。あどけなさは微塵も残っていない。ディスプレイのダルクを観察しながら、黒衣の旧支配者が大笑いをしだした。心から楽しむかのように。ゾークが北欧神に圧されだしている。虹色球体がゾークを貫いていく。はるか遠くから、ダルクが攻撃をしているのか。

「少しばかり手加減をしていたが、そうもいかなくなったな。ゾーク・ネクロファデスよ。あんたのステータスを全体強化してやるよ。私も戦闘に参加してやる。厳しい状況になるけど、ダルクも成長を見せてくれよ。そうでなきゃ、ここのヤツラをオールデリートするからね」

 キーボードを素早く叩きこんで、いくつものメニューウィンドを開いていく。大邪神が紅蓮に燃えあがる。大咆哮がネオドミノ全域に轟きわたる。彼女を包みこんでいた黒焔が薄くなった。かぼそい輪郭が露わになる。少女が指を鳴らすと、あちらこちらから爆炎が噴きあがった。



「ドラガン!」

 ジャックが叫んだ。黒焔にあぶられて、《極神皇トール》が墜落をさせられた。ゾークの叩きつけた炎撃が、《極神聖帝オーディン》を吹きとばす。ゾークが格段に強くなっている。遊星が援護しようとするも、巨大魔法陣が死霊を吐きだしている。ダルクの虹色球体による魔法陣破壊も、上手くいかないようだ。《ブラック・ローズ・ドラゴン》と《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》が亡霊騎士団を浄化させた。こうしている間にも、市民が避難をしている。

「ルア。お前たちも、ここから逃げるんだ! 子供が戦うべき相手じゃない!」

「いやだよ。俺たちだってチーム5D’Sだもん。シティをこんなにされて黙っていられない!」

 ジャックなりに心配をしているが、ルアもルカも引きそうにない。D・ボードを疾駆させながら、ゾーク・ネクロファデスに挑もうとしている。《ライフ・ストリーム・ドラゴン》がエナジーを爆流させた。ビルディング上空から攻めてきた死霊群が飲みこまれていく。オレだってできるんだよ。そう言いたげに、ルアがジャックへ視線を送りこんだ。



 チーム5D’Sはラグナロクと合流しようとしていた。ゾークへと近づくにつれ、人は少なくなる。信号機だけは日常的に働いているようだ。がらりとした交差点広場に突入したとき、名状しがたき気配が降りてきた。ライオンのようなボディ。豪壮なる三重冠が輝いている。

「顔無きスフィンクス!」

 遊星が怒鳴った。ナイアーラトテップの使徒であり、遊星自身も戦ったことがある。顔部分は虚空となっており、何を考えているのかも分からない。前脚を振りおろして、アスファルトに魔法陣を広げた。そこから、デュエリストたちが這いだしてきた。彼らの右手甲にはスフィンクスサインが刻まれている。どこからともなく、マジシャン衣装の仮面決闘者までが現れた。手甲を確認するに、そいつもスフィンクスの使徒だろうか。

「アドマイヤ・ダービー!」

「会津 大河!」

「アドルフ・ミューラー!」

「神楽 羅門! スフィンクスの命により、シグナーを叩きつぶす!」

 平行世界から召喚されたデュエリストが名乗りをあげていく。こんな状況だ。一分一秒でも時間が惜しい。遊星が覚悟を決めたとき、ハーモニカの音色が流れてきた。

「遊星たちは先に行け。顔無きスフィンクスが相手なら、満足できそうだぜ」

「こいつらの相手は、私たちが引きうけよう」

 鬼柳京介が独演しながら歩いてくる。彼だけではない。ボマーも来てくれた。

「俺たちも力になるぜ!」

 D・ホィールが次々に到着してきた。アンドレがヘルメットを脱いだ。宙中に浮かんでいる顔無きスフィンクスを睨みあげる。ブレオとジャンも続いた。デュエル・ディスクを装着して、アドマイヤたちに挑みかかる。闇雲の下では、ゾーク・ネクロファデスが暴虐のかぎりをつくしている。彼らの思いを無駄にしないためにも、遊星は疾走しだした。

「すまない。俺たちは前に進む」

 顔無きスフィンクスが逃がすはずもない。遊星を追いかけようとするも、三重冠に蹴りが叩きこまれた。重々しい衝撃を受けて、顔無きスフィンクスが揺れこんだ。ミゾグチが路面へと着地した。シェリーが立ちはだかる。その表情には、強い意志がこめられている。ナイアーラトテップの畏怖に負けまいとするかのように。

「遊星を邪魔するのなら、まずは私を倒してみなさい。できるものならね」

 交差点広場にて、いっせいに集団決闘が開始された。鬼柳京介は、パンドラと対峙していた。いかにもマジシャンといった容貌をしている。狂気の眼差しが、仮面下から覗かれる。シャッフルしてから、デッキを決闘盤に刺しこんだ。

「友好を深めるためにも、存分に楽しんでもらいましょう。これから始まる悪夢のショーをね!」



『デュエル!』



【1ターン目:鬼柳】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「おい。ショットガンシャッフルはカードを痛めるぜ。俺のターン、ドロー。《インフェルニティ・ガーディアン:攻撃力1200・Lv4》を召喚。カード2枚をセットして、ターンエンド」



【2ターン目:パンドラ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
鬼柳:《インフェルニティ・ガーディアン:攻撃力1200・Lv4》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。


「これが私のやり方でしてね。私のターン、ドロー。ライフ半分を払い、魔法カード《黒魔術のカーテン》を発動。デッキから《ブラック・マジシャン:攻撃力2500・Lv7》を特殊召喚します。魔法カード《千本ナイフ》を発動。《インフェルニティ・ガーディアン》には消えてもらいます」

「そいつは無駄だ。罠カード《全弾発射》を発動する。手札全てを墓地に送り、1枚につき200ポイントのダメージを与える。手札は3枚あるから、600ポイントのダメージを受けてもらう。ハンドレスが完成したことにより、《インフェルニティ・ガーディアン》は破壊されない」

 ダークカーテンが開いて、伝説に謳われし《ブラック・マジシャン》が跳びだした。武藤遊戯が使用したものではない。邪悪な顔つきをしている。《ブラック・マジシャン》がナイフをまとめて投げつけるも、《インフェルニティ・ガーディアン》が全てを弾きかえす。ミサイル3発が撃ちこまれ、パンドラがライフ1400ポイントにまで吹きとばされた。これは闇のデュエル。リアルなダメージにえぐられながらも、パンドラが狂嬉している。

「楽ちぃ! 最高! この死が迫ってくる緊張感を、あなたにも味あわせてあげますよ。装備魔法《魔術の呪文書》を《ブラック・マジシャン》に装備します。攻撃力が700ポイントアップ! 《インフェルニティ・ガーディアン》に攻撃です!」


『黒・魔・導!』


 伝説のマジシャンが、ロッドから衝撃波を放った。攻撃力は3200ポイントにまで上昇している。攻撃が通れば、戦闘破壊はできなくとも、2000ポイントのダメージを与えられる。

「《インフェルニティ》が攻撃対象になったことにより、罠カード《インフェルニティ・フォース》を発動! 《ブラック・マジシャン》を破壊して、墓地から《インフェルニティ・デストロイヤー:攻撃力2300・Lv6》を特殊召喚する」

 《インフェルニティ・ガーディアン》が閃光を放射して、《ブラック・マジシャン》を焼きつくした。どこからともなく、《インフェルニティ・デストロイヤー》が駆けてくる。《魔術の呪文書》が墓地に送られ、パンドラのライフは1000ポイント回復した。効果破壊も戦闘も成功できず、パンドラが歯噛みを鳴らした。モンスターを失ってしまえば、手札にある永続魔法《エクトプラズマー》も使用できない。このターンで速攻勝利するつもりであったが、狙いどおりにはいかないようだ。

「くっ! カード1枚をセットして、ターンエンド」



【3ターン目:鬼柳】LP4000、ドローフェイズ後の手札1枚

(フィールド)
鬼柳:《インフェルニティ・ガーディアン:攻撃力1200・Lv4》&《インフェルニティ・デストロイヤー:攻撃力2300・Lv6》が攻撃表示。

パンドラ:魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。


「俺のターン、ドロー。《インフェルニティ・ビートル:攻撃力1200・Lv2・チューナー》を召喚」

「レベル6《インフェルニティ・デストロイヤー》に、レベル2《インフェルニティ・ビートル》をチューニング! 地獄と天国の間、煉獄よりその姿を現せ! 《煉獄龍 オーガ・ドラグーン:攻撃力3000・Lv8》! ダイレクト・アタック!」

「罠カード《魔法の筒》を発動。残念ですねぇ。その攻撃力を、そのまま跳ねかえします。3000ポイントのダメージを受けてくださーい!」

「ハンドレス状態だ。《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》のモンスター効果を発動できる。《魔法の筒》を無効にして破壊する」

 《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》が圧倒的巨体で迫っていく。《魔法の筒》を容赦なく握りつぶして、パンドラに乗りかかった。仮面下から冷汗が零れだす。ふざけた態度も吹きとんで、マジシャンが絶叫をあげた。3000ポイントもの直接攻撃は、パンドラを敗北へと落としこんだ。スフィンクスの使徒は、徹底的に敗北すると元世界へと帰されてしまう。パンドラは次元渦へと飲みこまれた。勝利をしても、鬼柳は安堵をつかない。

「まだ満足できないようだな」

 鬼柳が振りかえると、寡黙な人形が笑っていた。





【エピソード7-最終決戦・その12】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント

No title

気付けば130話、凄い量だね。
これだけ書けるならオリジナルも3か月以内にラノベ1巻分くらい書けるんじゃない?
この章が区切りついたら、少しオリジナルを見てみたいかな。妖怪だったよね。ストーリーは危機迫るサスペンスホラー系? それともファンタジー系?

最近修正前と重複して見ているというのもあるけど、指摘すべき部分がほぼ見当たらないから感想に少し困る。
言ってみれば尖って削りやすい(指摘しやすい)石と研磨されて削りにくい(完成度が高い)丸い石みたいなもの。
精霊対戦の表現も見事、分かりやすい。
強いて指摘を言うならここで刺客4人を入れるか否か、省略使うなら気にしないけど、ダルクの戦いをメインに据えるならそこまでを引っ張らずテンポ良く流す方がいい。
章の長さ的にも150話くらいで完結させたほうがいいかなとも思う。

No title

 majesticさん、感想ありがとうございます。

 本当に凄い量になりました。ゾーク戦が終れば、ダルクが数戦をしますので、150話ぐらいになるかな。黒衣の旧支配者も、デュエルをします。4人の刺客は省略です。名乗りをあげるだけという、不遇な扱いかも。

 オリジナルは頭の中で、アイデアを温めている状態かな。書くとなれば、まとめあげるのに時間がかかりそう。
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