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CROSS-Q AFTER OF LAST BATTLE

明日への道〜Going my way!!〜 / YAKUSOKU NO MELODY明日への道〜Going my way!!〜 / YAKUSOKU NO MELODY
(2010/12/22)
遠藤正明

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 その後のネオドミノを描いて行きます。エピローグへの準備回かな。

 ゾーク・ネクロファデスを倒したとき、私は意識朦朧としだした。目玉グルグルという漫画表現があるが、そんな状態だったにちがいない。地面が傾いてきて、クロウに抱きかかえられた。無理もないだろう。とてつもない数の精霊軍団を実体化してしまったのだから。大邪神と戦えるぐらいにまで強化させたのだから。これだけの奇跡を起こしてしまうなんて、自分でも信じられないぐらいだ。ブロンが世界征服を誘ってきたが、アホらしいので却下しておいた。

 それはいいとして、お兄ちゃんこそが心配だ。ヒータは黒衣をまとって、私たちを騙していたという。黒焔を浴びせられたせいで、私の精神までが全焼されかけた。アウスさんを洗脳して苦しめやがった。親のように慕っていただけに、お兄ちゃんの傷は深すぎるだろう。私といえば、今にも憤怒で沸騰してしまいそうだ。再会したとたんに殴りつけるかもしれない。理由があったらしいが、家族として接しておきながらの裏切り。許せるものではない。

「お兄ちゃんは大丈夫ですか? 落ちこんでいるのなら、私がヒールしちゃいます」

「ありがとう。俺は大丈夫。10日も意識不明になるなんて、アルマこそ心配になるよ」

「たっぷりと睡眠をとったので、元気いっぱいなのです!」

「その様子なら大丈夫そうだね。その元気さを振りまいて、みんなを安心させなよ」

 そおっと頭を撫でられた。少女姿でいるのが勿体ないほどに、抱擁にあふれた手をしている。戦いを潜りぬけたせいか、眼差しに鋭さが差しこんでいる。

「街の復興が早すぎますね。シティの土木部隊は凄すぎます」

「彼らも頑張っているけど、アトラク・ナクアがやってくれたんだ。不思議なアイテムで、崩壊したビルディングを次々と戻していったよ。さすがは旧支配者!」

「アトラク・ナクアはヒータについて、何か知っているのですか?」

「この世界群を創造したアザトース教授の助手だと教えてくれた。アザトースはノーデンスによりデータ攻撃を受けて、精神を崩壊させられたらしい。ログアウト機能を凍結されてしまい、ヒータは脱出するために活動している。ヴァーチャルゲームに閉じこめられた感じかな? ヒータは教授を慕っていたからこそ、必死になっていたらしいよ。アトラク・ナクアもログアウトを望んでいるけど、犠牲者を出すのはアウト! それゆえに、ボクたちと一緒に歩いてくれるんだね」

「私たちがいる世界は、上位次元の人間が創った箱庭にすぎないのですか。あまりにも突飛すぎて、実感できない物語ですね。私たちがRPGワールドの住人だったとは」

「お前たちはリアルに生きているから安心しろ! この世界は偽物じゃない! そうアトラク・ナクアが言ってくれたんだ。俺も信じているよ。ヨグ・ソトースもコンピューターという訳ではないらしいね。俺たちはデータじゃないんだ。これまでどおりに生きていこう!」

「そのアトラク・ナクアはどうしているのですか?」

「《オシリスの天空竜》を攻略しちゃったしね。その様子も実況されていた。復興作業が終れば、挑戦者に絡まれまくっているみたい。俺もアトラク・ナクアと再戦したくてたまらない!」

 白歯を剥きだしながら、お兄ちゃんは拳同士をぶつけあわせた。こういう表情も板についてきた。ボーイッシュになっているだけに、ヤンチャな少年に見えてくる。表情の転がりようで、少年らしさと少女らしさが入替わっていく。不思議さに打たれてしまう。

「言い忘れていた。連絡先を教えておくから、ママにも挨拶しなよ。泣いていたんだから」

「ゾーク戦では市民を守っていたのですね」

「ヒータは裏切ったけど、私が母親として頑張るって。俺としては嬉しいけど、結婚も約束している恋人がいるしね。そろそろ19歳の青年というわけで、ママに甘えるには恥ずかしいかも。愛情はアルマに注ぎまくってと頼んでおいたよ」

「何を大人ぶっているのですかい? 私とタメなのですよ」

 お兄ちゃんは澄空を見上げていた。嬉しそうに小鳥が飛びまわっていた。通行人が朗らかに歩いている。あれだけの危機を迎えても、犠牲者を出さなかったんだ。目的を果たしたヒータは、同様な行為を繰りかえすはずもないだろう。日常が宝石のように輝いている。活気に満ちている都市空気を、胸一杯に吸いこんだ。気持ちよさに喘いでいると、デュエリストたちが挑んできた。

「アウスが買物を終えたら合流する予定だけどね。それまでに楽しくやっちゃうよ!」

「威勢がいいじゃねぇか。三幻神すらも破れなかったクリボーウォール。この俺が通してみせる!」

「簡単には通さない。どんなデッキで来るのか、ワクワクしてきたよ。デュエルを始めよう!」

「アルマちゃんも、一戦やらないか?」

「気をつけろよ。この子は大人しそうだけど、ガチで来るからな……。悪魔だ……」

 《ダーク・アームド・ドラゴン》を使っただけで、この言われようは何ですか? お兄ちゃんへの挑戦者は多いけど、私だって本気戦を挑みたいのだ。記念デュエルなんてもんじゃない。クリボーウォールを突破して、兄貴を乗越えるんだ。お兄ちゃんを守備重視のデュエリスト扱いしては勝利できない。《剣聖アルパカ・フリード》に敗北してしまう。ヒータから託された《クトゥグァ・フレア・ナイト》も使いこなしている。モンスターには罪がないからね。

 お兄ちゃんから離れて旅立ちたい。この人についていると甘えてしまうから。その前に……。



 デュエルタイムが終了すると、私たちはアウスさんと合流することにした。さすがは兄貴だ。剣闘獣デッキや雲魔物デッキに全勝しやがった。私は次元帝に負けてしまった。除外されてしまうと《暗黒界》を回せなくなるのです。気持ちを切替えるためにも、話題を変えていこう。私は家出をしており、お兄ちゃんとは別居している。アキさんやルカちゃんの家に泊まっているのだ。妹がくっついては、カップルとしても邪魔であろう。

「こういうアウスもいいね。うん、似合っている」

 噴水から跳ねてくる水滴が、陽光を反射している。アウスさんがキラキラと輝いていた。赤くなってやんの。純白のワンピースからは清純さが伝わってくる。カーディガンを羽織っており、ホワイトハットが様になっているようだ。すっかりと恋する乙女の表情にほぐれており、精神生命体の欠片も見当たらない。衆人環視の中だというのに、ベタベタとしあっていやがる。お兄ちゃんが男性的な容姿をしていれば絵になっていたのにね。仲良し姉妹扱いに加えて、アウスさんはスーパーシスコンの称号を得ている。そんな悪評ごときなど、2人とも歯牙にもかけないが。

 視線が気になりますので、ショッピングモールの噴水広場から移動することにした。近くにカードショップがあるようなので、足を運んでみる。またまた、挑戦者に絡まれるだろうなぁ。それが楽しみでありますけどね。ガンガン、かかってこい。返討ちにしてやるのです。

「アウスさん。変身した姿を彼氏に魅せたいとは、ずいぶん変わっちゃいましたね」

「あなたの方こそ、別人のように変わっているよ」

「そうかなぁ。自分では分かりにくいのです」

「俺もアルマは明るくなったと思うよ。自信も積みあがってきて、兄としては嬉しいかぎりだ」

「お兄ちゃんも成長しているのです。今から思えば、昔はオカマみたいでした。ふぇーっ!」

「今のは、俺の真似をしたつもり? 恥ずかしいから止めてよ」

「はわわっ! ふぇーっ! ふぇーっ! ボクは遊星さんが好きなの。ぷっ……」

 クリクリー! ハネクリボーが呆れているみたい。お兄ちゃんの真似をしていたら、笑いが止まらねぇ。口を塞ごうとしてきたので、スウェイバックで避けた。そうこうしているうちに、カードショップに着いた。話しかけてくる決闘者も多いことで。カード情報を教えてくれるので、とても助かります。広々としたスペースで、カードも充実しているようだ。

「いいカードがありますね。お兄ちゃん、マネーを貸してください」

「アルマの功績は大きいからね。遠慮なんていらないよ」

 ブルーアイズ・マウンテンが十数杯も飲めそうなほどの大金だ。太っ腹! ダークネスも喜べ! お兄ちゃんも、新たな仲間を迎えるようだ。ニッコリと微笑んでいる。

「《ぴよコッコ》に《アルパカ・フラワー》ですか。あいかわらず、可愛らしいカードが好きなのですね」

「見かけだけじゃないよ。どちらも、俺のデッキと相性がいいんだ」

 気になるシンクロモンスターがありましたので、こっそりと購入しておこう。何となくだけど、自己紹介をしているような気分になるネーミングだ。攻撃力こそは微妙だが、《クリボー》を封じられるのは美味しすぎる。密かにガッツポーズ! お兄ちゃんを倒すのです。精霊ブロンが背後から笑いかけてくる。楽しみにしてくださいね。ダルク・ウェイトリィこそは、最も乗越えなければいけない決闘者ですから。いつまでも背中を追いかけたくはない。



 店内デュエルとはいかずに、大画面テレビで疾走決闘を観戦している。ユニコーンとラグナロクがチームバトルをしているようだ。ブレオはデッキ破壊ではなく、バーンを多用しているのか。獣族のサポートを駆使しながら、《三極神》に立ちむかっている。ライディングだけに迫力満点であり、店内を歓声が響きわたる。《サンダー・ユニコーン》たちが結束して《極神皇トール》を稲妻で貫いていく。それでも、復活してしまうので厄介なこと極まりない。

「ウィンっているだろう? えらくイメチェンしたよなぁ。すっげー不気味だったのに、さわやかな感じになってたわ」

「そくりさんの別人じゃね? 【三眼の魔女】って呼ばれてたんだろ? 額の目がなくなっているぜ」

「子供シスターに連れられて、あちらこちらで謝罪をしているらしい。真剣に謝っていたから、本人だと思うわ。俺の推理だけど、呪いのカードに憑かれていたにちがいない。今のが本当の姿であり、アレは死霊のせいなのさ。三眼も呪縛によるものだ」

 男子3人が話しこんでいた。君の推理は当たっているよ。旧支配者ハスターが憑いていたせいで、あんなキャラになっていたようだ。アキさんたちとのダークデュエルで、ハスターが剥がれたらしい。会話してみると、笑顔が太陽のごとき少女である。これならば、こちらからキスを仕掛けたい気分になってしまう。ママに懐いており、償いのために巡行をしている。記憶喪失のようで、ジョゼフ・カーウィンに捕まる以前について覚えていないという。

「ハラルド強すぎ! 《極星邪竜ヨルムンガンド》と《極星邪狼フェンリル》のコンボが……」

 MCの実況解説が最高潮に達する。ラグナロクの勝利に終ったようだ。全力を出しきったのだろう。敗北したとはいえ、アンドレたちは気持ちよさそうだ。ジャンとハラルドが握手をしている。店内に拍手が湧きあがってくる。ハラルドがアップとなりだした。

「次はダルク・ウェイトリィに挑みたい。《三極神》が《クリボー》を倒したいと昂ぶっている」

 落ちつきながらも、ハラルドは闘志を燃えあがらせている。お兄ちゃんへと注目が集まっていく。ジャックやアトラク・ナクアに加えて、ハラルドからも挑戦予告ですか? もてる男なのです。そんな色男といえば、拳同士を突きあわせて息巻いていた。悪いですけど、ダルクを倒すのは私ですから。《暗黒界》の生贄になってもらうのです。





【エピローグへと続く】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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