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TF-10 十六夜アキVS大庭ナオミ

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コナミ

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 久々にシグナーがデュエルをします。

 大庭ナオミさんは私を憎んでいる。記憶は失われているが、過去の私に苦しめられたのだろう。憎悪と恐怖に塗れたデュエルであった。勝利できたのに、あまりにも後味が悪すぎる。彼女は私を睨みあげていた。彼女の呪言が、何度も脳内をリピートしていく。

「私が大庭さんに何をしたのか教えてほしいです」

「ウィンは何もしていないよ。やったのは、あんたに憑いていた化物でしょ。たしか、ハスター?」

「それでも、知りたいです。大庭さんが苦しんでいる原因を」

「分かったわ。あくまでも、ハスターの悪行だからね」

「ありがとう」

 ツァン・ディレさんが気を遣ってくれている。ベンチに並びながら、私たちは話しあっていた。木陰になっており、校庭でも過ごしやすいポイントだ。男子が間近を通りすぎたせいか、言葉が止まってしまう。ランチタイムを終らせた生徒が気晴らしをしている。吐息を合図にして、説明が始まる。

「大庭さんには、野坂リナというルームメイトがいたの。自主退学したけどね」

 どこか、遠くを見ているようだ。千切れ雲が校舎上を泳いでいる。私が彼女を追いこんだのだろうか? ツァン・ディレさんが唾を飲みこんだ。両手を握りだす。

「プロデュエリストへの道って厳しいのよ。アンドレやハラルドみたいに目立っているのは一部だけ。決闘だけで食べていくのも大変で、大半の人は兼業しながら頑張っている。企業に就職して、アマチュア大会で活躍って人も多いわ。アルバイトをしながらストリート・デュエルをやっている人もいるけど、ほとんどが絶望的だよね」

「アカデミアを途中で辞めていく生徒も少なくない。卒業できても、プロとして続けられているのは一部だけ。ランク入りができても、スランプから抜けだせずに落ちていくプレイヤーもいる。趣味としては最高に楽しいけど、自分の人生を支えていこうとしたら、並大抵の努力じゃ勤まらないの」

「デュエル以外にも資格や特技がないと、人生が積むかもしれない。噂では、ジャック・アトラスですら仕事探しで苦労したそうよ。ボクもプロを目指しているけど、不安で仕方がないわ。本当にボクなんかでやっていけるのか。保険を積むべきかなって。藤原先輩に敗北したときも、勝つ方法を考えながらも焦っていた。厳しい世界で昇っていけるのかな……」

 ツァン・ディレさんの拳に右手を乗せた。吐息が漏れてくる。

「多かれ少なかれ、みんな将来が不安なのよ。野坂さんは入学してから白星を得られなかった。アカデミアに入ってくる人は、それなりの自信家が多いの。いつかは決闘王になれるって、ボクだって信じていた。強豪たちと戦っているうちに、それが崩されていくのよ。本気の努力を重ねていかないと、1勝すらもできない。大庭さんは協力したけど、野坂さんの実戦成績は下がっていくばかり。WDGP予選で、闇のデュエルに遭ってしまい……」

「私が追いこんだのですね。デュエリストへの夢を砕いたのですね」

「あんたじゃないって言っているでしょ! 同じ姿をしているけど、ぜんぜん違うからっ!」

 ツァン・ディレさんが怒鳴り、女子生徒たちが振り返った。

「……ごめん。大声を出してしまって」

「大庭さんが言っていたわ。野坂さんを守れなかったと。闇のデュエルが怖くて逃げてしまったと。彼女自身も罪悪感があるみたい。責任感がある子だから」

 言葉が止まり、ざわめきが静寂さを浮かばせる。前向きに目指しているだけじゃないんだ。ツァン・ディレさんほどの優等生でも、目標に恐怖している。未来への可能性には、絶望も含まれている。私もどうすればいいのか、思考迷宮にはまってしまう。



「話は変わるけど、ウィンは強いと思うよ。少しずつだけど、勝率も上げてきている。宮田さんや大庭さんを倒せるなんて、立派な実力者だよ。《ガスタ》も見事に使いこなせている」

「ありがとう。友達に誉められると嬉しいです」

「べ、べつに誉めてないから……」



 教室に戻ろうとしたら、十六夜アキさんと会った。途中から会話を聞かれていたようだ。挨拶はしたものの、気まずそうにツァン・ディレさんが黙りこむ。

「しっかりと考えているのね。私はディヴァインに依存していて、思考停止をしていた」

「今は考えているじゃないですか。お医者さんになろうと、十六夜先輩は頑張っています」

「そうね。私は黒薔薇の魔女として、たくさんの人を傷つけてきた。自分の意志で破壊衝動を満たしていた。そんな私に何ができるだろうか。ずっと悩んだ末にね」

 十六夜アキさんと目が合った。私へヒントを送ってくれているようだ。傷ついた人を治していくことを、自分の道にしたのか。ツァン・ディレさんが言葉を続ける。

「十六夜先輩ならプロ決闘者としてもやっていけそうですね」

「プロデュエリストも考えたけど、誰かを治したい気持ちが高まっている。あの日から……」

「ツァン・ディレさん。決闘者として生きたいのなら、これだけは絶対に忘れないでね。デュエルを楽しむ心を。遊星もクロウも、デュエルを純粋に愛していた」

「そうですね。ボクはデュエルが好きだから、ここまで来れました。それを忘れないようにします」

 ツァン・ディレさんが安堵を吐くも、不安が落ちたわけではないだろう。これからも、葛藤しながら歩いていくのだろう。人生の方向は分かれてしまいそうだけど、お互いに居場所を確認しあいたい。時々でもいいから、手をつなぎあいたい。素敵な微笑に見蕩れてしまう。

「大変だぁ。大庭さんが暴走している。やべぇよ!」

 クラスメイトの男子が慌てながら逃げていく。表情から察するに、ただごとではないようだ。大庭さんが暴走って、どうしたのだろうか? 私たちはデュエル・フィールドへと向かった。



「あはははっ! 汚物は消毒だぁっ! 男なんて消えてしまえっ!」

 数人の男子が苦しんでいた。冷汗を浮かべながら、苦悶を吐きだしている。ダークオーラが渦巻いている。胃底から吐気が這いあがってきそうだ。コナミくんたちが、被害者を抱えこんで運んでいく。嶺開花さんが必死に止めようとしている。宮田ゆまさんとレイン恵さんが駆けてきた。

「どうなっているのか、私にも分かりません。エクシーズ召喚? それをやってから、大庭さんの言動がおかしくなってきました。一瞬だけど、額に変なマークも浮かびあがりましたし」

「どう考えても、闇のデュエル」

 2人のセリフに、十六夜アキさんが大庭ナオミさんを見やる。邪悪に得意気といった感じだ。ぎらりとした双眸で、私を睨みつける。二房にまとめられた緑髪を揺らしながら、叫びあげた。

「あははっ! ウィンがいるよっ。あなたを消毒してあげる。新しいカードを貰ったから、三眼の魔女も怖くないわ。リナの仇を討てるわ。アタシとデュエルをしなさいよ!」

 カードを貰った? 誰から? 右足を踏みだそうとするも、十六夜アキさんに止められた。代わりに、彼女が大庭ナオミさんと向かいあう。真剣な表情でデュエル・ディスクをセット。

「十六夜先輩。退いてくださいよ。アタシはウィンを潰したいのです」

「それはできない。あなたは闇のカードに支配されている。止めなければ……」

「まぁ、いいでしょうか。アタシは十六夜先輩が好きです。自分の過去から逃げないで立ちあがっていく十六夜先輩に憧れています。そんな十六夜先輩とも戦ってみたかった」

「ウィンだって、自分の過去と向きあっているわ」

「そんなわけないよっ! いつも、ヘラヘラしているくせに! 十六夜先輩を倒して、ウィンを殺す!」



『デュエル!』



【1ターン目:アキ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「私の先攻、ドロー。モンスター1体を裏側守備表示でセット。カード1枚をセットして、ターンエンド」



【2ターン目:大庭ナオミ】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
アキ:モンスター1体を裏側守備表示でセットしている。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。


「アタシのターン、ドロー。フィールド魔法《ジャスティス・ワールド》を発動。カードがデッキから墓地へ送られるたびに、このカードにシャインカウンター1つを乗せる。シャインカウンター1つにつき、《ライトロード》の攻撃力は100ポイントアップする」

 あちらこちらから、白亜の神殿が立ちのぼっていく。青空と緑地に囲まれた、天国のような空間だ。

「魔法カード《ソーラー・エクスチェンジ》を発動。手札から《ライトロード・ウォリアー ガロス》を捨て、デッキからカード2枚をドロー。さらに、デッキからカード2枚を墓地に送る。さっそく、シャインカウンター1つが増えましたね」

「《ライトロード・サモナー ルミナス:攻撃力1000・Lv3》を召喚。手札の《ライトロード・シーフ ライニャン》を捨て、モンスター効果を発動。墓地からレベル4以下の《ライトロード・ウォリアー ガロス:攻撃力1850・Lv4》を特殊召喚。セットモンスターに攻撃!」

 褐色肌の女性召喚士が魔法陣を描いて、聖騎士を蘇生させる。ホワイトアーマーがゴールドで縁取りされている。《ライトロード・ウォリアー ガロス》が聖槍を突きだしてきた。セットカードが表返り、コミカルなトマトモンスターが舞いあがる。床に落ちて潰された。

「《プチトマボー》が戦闘破壊されたので、デッキから《プチトマボー:守備力400・Lv2・チューナー》と《トマボー:攻撃力1400・Lv3》を特殊召喚する」

「それってシンクロ素材にできないんでしょ? カード1枚をセットして、ターンエンド。《ライトロード・サモナー ルミナス》の効果により、デッキからカード3枚を墓地に送る。《ライトロード・ウォリアー ガロス》のモンスター効果により、デッキからカード2枚を墓地に送る。《ライトロード・パラディン ジェイン》を墓地に送れたみたい。デッキからカード1枚をドロー」

 トマトモンスターを増殖させる結果になるので、《プチトマボー》への攻撃はストップ。シャインカウンター2つが追加され、合計3つとなっている。《ライトロード》モンスターでデッキカードを墓地に捨てるたびに、《ライトロード・ウォリアー ガロス》のモンスター効果が発動されるようだ。《ライトロード》は強力だけど、大庭ナオミさんのデッキは24枚にまで減っている。自らデッキ破壊をしているようなもの。短期決戦を強いられるデッキだ。



【3ターン目:アキ】LP4000、ドローフェイズ後の手札5枚

(フィールド)
アキ:《トマボー:攻撃力1400・Lv3》が攻撃表示。《プチトマボー:守備力400・Lv2・チューナー》が守備表示。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。

大庭ナオミ:《ライトロード・ウォリアー ガロス:攻撃力2150・Lv4》&《ライトロード・サモナー ルミナス:攻撃力1300・Lv3》が攻撃表示。フィールド魔法《ジャスティス・ワールド:シャインカウンター+3》が発動中。魔法&罠カードゾーンにカード1枚をセットしている。


「私のターン、ドロー。植物族モンスター《トマボー》をリリースして、《凛天使クイーン・オブ・ローズ:攻撃力2400・Lv7》をアドバンス召喚」

「植物族モンスター《プチトマボー》を手札へ戻すことにより、手札から《魔天使ローズ・ソーサラー:攻撃力2400・Lv7》を特殊召喚! 《ライトロード・サモナー ルミナス》に攻撃する」

「永続罠《ライトロード・バリア》を発動。デッキからカード2枚を墓地へ送ることにより、《ライトロード》への攻撃を無効にする」

 仮面の黒薔薇天使が、棘の鞭を振るった。《ライトロード・サモナー ルミナス》はバリアによって守られる。シャインカウンターも乗り、《ライトロード》はパワーアップしていく。

「《凛天使クイーン・オブ・ローズ》で《ライトロード・サモナー ルミナス》に攻撃!」

 戦闘破壊もできず、戦闘ダメージも与えられないのに。仮面の赤薔薇天使が剣を叩きつけるも、聖なるバリアが弾く。十六夜アキさんは、デッキ破壊を狙っているのだろうか。相手デッキは20枚にまで減っているが、シャインカウンターが合計5つ。《ライトロード・ハンター ライコウ》と《ライトロード・モンク エイリン》までもが墓地送りにされている。少なくとも、次のターンをしのげる自信はあるのだろう。そうでなければ、一瞬にして押されきってしまうから。

「カード1枚をセットして、ターンエンド」



【4ターン目:大庭ナオミ】LP4000、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
アキ:《凛天使クイーン・オブ・ローズ:攻撃力2400・Lv7》&《魔天使ローズ・ソーサラー:攻撃力2400・Lv7》が攻撃表示。魔法&罠カードゾーンにカード2枚をセットしている。

大庭ナオミ:《ライトロード・ウォリアー ガロス:攻撃力2350・Lv4》&《ライトロード・サモナー ルミナス:攻撃力1500・Lv3》が攻撃表示。フィールド魔法《ジャスティス・ワールド:シャインカウンター+5》が発動中。永続罠《ライトロード・バリア》が発動中。


「アタシのターン、ドロー。手札の《ライトロード・ドルイド オルスク》を捨て、《ライトロード・サモナー ルミナス》のモンスター効果を発動。墓地から《ライトロード・パラディン・ジェイン:攻撃力1800・Lv4》を特殊召喚する」

「《ライトロード・サモナー ルミナス》をリリースして、《ライトロード・エンジェル ケルビム:攻撃力2300・Lv5》をアドバンス召喚! 《ライトロード》をリリースしてアドバンス召喚したので、モンスター効果を発動。デッキのカード4枚を墓地に送り、相手のセットカード2枚を破壊する」

「手札の《プチトマボー》を捨て、罠カード《ホーリーライフバリア》を発動。このターン、いかなるダメージも受けない。さらに、永続罠《アイヴィ・シャックル》を発動」

 召喚士がリリースされて、女性天使が降臨した。黄金色に縁取られた白鎧をまとっている。翼を広げて、ロッドをかかげた。裁きの光が、十六夜アキさんのフィールドを走りだす。《ホーリーライフバリア》が解放され、《凛天使クイーン・オブ・ローズ》たちは戦闘破壊からも守られる。

「相手効果により表側表示の《アイヴィ・シャックル》が破壊されたから、1枚ドロー」

「《ライトロード・ウォリアー ガロス》のモンスター効果により、デッキからカード2枚を墓地に送る。デッキから墓地に送られたので、《ライトロード・ビースト ウォルフ:攻撃力2100・Lv4》を特殊召喚する。このターン、戦闘は封じられたようなものね」

 シャインカウンターも7つにまで増えている。

「でも、アタシには切札があるのよ。レベル4《ライトロード・ビースト ウォルフ》と《ライトロード・ウォリアー ガロス》でオーバーレイ・ネットワークを構築! 《ライトロード・ガーディアン ルナ:攻撃力2400・R4・O×2》をエクシーズ召喚!」

 エクストラ・デッキから黒いカードが引かれた。《ジャスティス・ワールド》の空全体が暗黒に覆われていく。おぼろげに三日月が浮かびあがり、そこから女性剣士が降りてきた。





【TF-その10】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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