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TF-143 エピローグ2-ウィンとツァン・ディレ


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 TF編の最終回です。GX編に多分、続きます。

 ウィンはプロ・デュエリストを目指さないという。

 実力があるのに勿体ないと思うけど、夢を見つけたので祝福できる。

 ウィンは悲惨な目に遭ってきた。他の子供には、自分と同じような境遇に落ちてほしくない。そういった願いから、彼女は不遇な子供を手助けする道を選ぶことにした。大学へ進学希望なようで、教職課程も取っておくように言われたらしい。教師になるかどうかは別にして。

 ウィンは勉強も頑張っているし、ボランティアにも参加している。卑怯なぐらいに運動神経も良い。教師陣からの受けも抜群だろう。三眼魔女と恐れられていた過去も忘れ去られようとしている。というか、あれはハスターが憑いていたせいだけど。



 ボクも将来を決めている。デュエルキングを目指して、プロ世界で昇りつめていく。プロ志望者はたくさんいるが、食っていけるのは一握り。敗退して決闘道から逸れてしまえば、どうにもならない。ママのような決闘者に、いや彼女を超えたい。

 足元から崩れていきそうで、心臓が不安定に騒ぎだす。



「ツァンなら大丈夫ですよ。藤原先輩に勝ったじゃないですか」

「我にも勝利した」

 親友に励まされると、足元の揺れが収まってくる。手を握ってくれるだけで、鼓動が安定しだす。ハスターに支配された状態で、ボクを激痛で苦しませた。復讐に焦がれるも、様子見をしているうちに友達となっていた。不思議な出会いであるが、結果オーライ。

「将来を恐れても、どこへも進めない。やりたいことを絞れたんだから、もう頑張るしかないね!」

「というか、サウザンドも憑いているんだね」

「はい。手を差し伸べたら、こうなっちゃいました。守護霊さんみたいです」

 ドン・サウザンドであった純白少年は、ウィンを背後から見守っている。普段は視認できない。ウィンに右手を握られていると、薄らと輪郭が浮きあがってきた。カオスは失われてしまい、優しい気配のみが漂っている。ウィンは堕天使さえも受け入れたんだ。

「サウザンドって男子にしか見えないけど、着替え時とかどうしているの? 更衣室や浴室まで、ついてきているの? ちゃんと目を隠している?」

「目を隠さないといけないのか?」

「当り前よっ! そういえば、以前に風呂場を覗いてくれたわね? この変態!」

「変態とは何だ? どんな効果を持っている?」

「きぃーっ! ナオミちゃんがいたら、この場で撲殺されているところよ」
 
「なるほど。風呂を覗くと撲殺されるのか。覚えておこう」

 こいつ、絶対に馬鹿になっているよ。しっかりと常識を叩きこんでおこう。



 バクラとのデュエルにより、ボクの魂は損傷しきっていた。気力のみで戦っていたけど、一歩間違えれば廃人になっていた。ウィンとサウザンドのおかげで助かったようなもの。

 サウザンドも精神を癒せるようだ。ウィンと協力しあって、心が傷ついた人々を助けている。彼なりの償いだろうか。さっきも、少女を救ったばかり。あゆみちゃんと同じ児童施設に入ったそうで、父親に根性焼きとやらを受けたという。かなり酷い様子だったけど、何とか落ち着いてくれた。そういう話を目にすると、怒りで噴火しそうだよ。

「彼女は親に捨てられたのか?」

「気に入らないからって、勝手よね。でも、彼女を受け入れてくれる人もいるよ」

 サウザンドが沈黙に耽る。あゆみちゃんは底抜けに明るくなっており、友達として迎えてくれた。教会施設だけあり、ウィンとサウザンドの行為は神々しい。ウィンは能力頼りにせず、きちんと勉強をしていく。アキさんと相談した結果らしい。



 女子中学生トリオが、大通りの向こうを歩いている。ぽかぽか陽気に照らされて、機嫌も良さそうだ。ポニーテールがボクたちに気づくと、済まなさそうに挨拶を飛ばしてきた。バリアンは去ったけどね。迷惑をかけた詫びにと、アンタレスらを残していった。カオスの欠片が残っていないか調べては、完全消滅させている。

「バリアンはヌメロン・コードの模造品を回収したのですね」

「ネオドミノを荒らしてくれた恨みは忘れないよ。ドン・サウザンドも。これだけ、やってくれたんだ。故郷が滅ばないようにしなさいって感じだね」

「ミザエルさんなら、やってくれますよ」

「そういえば、女子にしか興味ないとか言ってたよね? その割には、男子からモテモテじゃない。サウザンドは彼氏状態だし、ミザエルやアリトからは求愛されていたし」

「彼氏じゃないですよ。アリトさんはともかく、ミザエルさんとは再戦の約束だけです」

 ウィンが膨れてしまった。手を握りあったまま、歩道を進んでいく。すれ違った同級生たちが、くすりと笑った。顔が火照ってきたよ。握手解除といきたいが、ウィンが力強く離してくれない。大庭ナオミや青葉あげはにからかわれるだろうなぁ。

「D・ホィールの免許も取るのですか?」

「まぁね。プロテストの特訓もあるし、忙しくなるよ。トップ成績で合格してやるから!」

「ツァンらしいです。私は今からファン1号になります」

「我はファン2号になろう」

「ありがとう! 今は無理でも、ジャック・アトラスやシェリー・ルブランにだって勝つよ」

 夢を固めると、どんどん燃えあがってくる。女子寮へ帰ったら、デュエルをしまくろう。ゆまっちもコロンちゃんもつきあってくれる。《六武衆》も《武神》も、まだまだ発展途上なんだ。デッキに改良を重ねて、もっともっと強くしていこう。うーっ、わくわくしてきた!



 名状しがたき気配が、前方から流れてきた。



 サウザンドが警戒して構えている。

 探偵帽子の少女だ。中国人ぽい雰囲気を醸しだしており、腰に小鎌を6本下げている。顔が暗黒色に染まっており、表情が分かりにくい。

「私はナイアーラトテップ、膨れ女ミーコという者じゃ。お前たちは、はるかに予想を超えて強くなっている。充分すぎる戦力になるだろう。まさか、ドン・サウザンドを味方につけるとはな。頼みなんだが、ダルクを助けてやってくれんか?」

「膨れ女って、どこも膨れていませんよね?」

「黙れっ⁉」

「クトゥグアが予想以上に強くなっている。緊急事態なんだ。不動遊星にも助けを頼んだ」

 そう懇願すると、指を突きつけてきた。

 視界一面が揺らいで、平衡感覚がおかしくなってくる。倒れそうになるボクを、ウィンが抱き支えてくれた。ナイアーラトテップって不吉すぎるよ。ネオドミノは平和に戻ったけれど、また厄介なことが起こるのか。一瞬だけ、意識が途切れてしまった。



 空間が捻じれる。



 はっと気がつけば、どこかの空き地に立っていた。ウィンとサウザンドが真横にいて、安堵感があふれてくる。今まで昼間だったのに、夕日が射しこんでくる。やけに暑い。

 誰かが近くにいる。ノースリーブのブラウスに、ブラックのショートパンツを着けた少女? 信じられないけれど、彼は年齢的にも青年だったか。不思議そうに見上げてきた。ネオドミノでデュエルを挑みまくったから、ボクも知っている人だ。

「ダルクさん?」

「ウィンさん、ツァン・ディレさん? 変なのもいるけど。どうして、ここにいるの?」

 彼の背後から、眼鏡の女性が覗きこんでくる。レディスーツの夏服であり、大人っぽい雰囲気を漂わせている。アウスさんか。

 もう1人、眼鏡さんがいる。銀髪の男性が近づいてきた。

「自己紹介をしようではないか。私はバリアンのデュエリスト、ドルべという者だ。ダルクの反応からすれば、知りあいのようだな。なるほど、我がハーレムが広がるわけか」

 バリアンだって? どうなっているの?





【GX編へ続く】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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