スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遊戯王5D’S-アナザー 男決闘者狩り-後編

「男の魅惑-俺が一番セクシー」通常罠
「男の魅惑-俺が一番セクシー」は1ターンに1枚しか発動できない。①:フィールドに表側表示で存在するモンスター1体を対象とする。そのモンスターの元々の攻撃力分だけ相手LPを回復する。


 過去に書いたSSのリメイクです。全体的に元ネタがあります。

 《男狩り事件》は収まらず、ネオドミノは恐怖に落とされていた。モヒカンのマッチョ男が、深夜の街を徘徊しては、男決闘者を襲うのだ。被害者は10人をも超えている。抱きつかれたり、熱烈なキスをされたりして、トラウマも深いという。その半数近くはプロデュエリストである。セキュリティは総動員をかけて、捜査を進めているが。

「牛尾さん。おつかされま」

「日高さん。おつかれさま。長時間の仕事で、体も堪えたでしょう。ゆっくりと休んでください」

「そうさせてもらうよ。手掛かりは掴めましたか?」

「報告書を読んでるのですが、推理するのも難しいですねぇ。馬鹿な噂も湧いていますよ。あれだけの捜査網を潜っているから、モヒカンはセキュリティの職員ではないかと。もちろん、俺は仲間を信じたいですよ。そんなことがあったら、悲しすぎるじゃないですか」

「そうですね」

 日高が口をつぐむ。その声は、どこか震えていた。牛尾は話を変える。

「俺は高校時代、どうしようもない悪だった。暴力で脅しては、気の弱い生徒から金を巻きあげていた。最低の男だったよ。おかげで、痛い目にあったりもしたな。それをネタにいびられて、セキュリティを本気で辞めようとしていた時期もあった。その時の俺は、情けないほど弱気になっていた。日高さんが励ましてくれなかったら、今も警察官として、市民のために働けなかったな」

「ははは。よせよ」

「今の俺があるのは、日高さんのおかげだ。日高さんから受けたパンチは、人生で一番効いたよ。あんたに感謝しているし、尊敬している。何があってもな!」

 日高は静かに去っていく。牛尾は資料類へと拳を叩きつけた。



『日高君。サティスファクション・タウンに、明日から行ってくれないか』

 日高良慈は力無く憤っていた。つい最近まで、ならず者に支配されていた僻地だ。左遷同然の扱いじゃないかと。彼は本性を現す。カツラを外すと、モヒカン頭が剥きだしとなる。ブラック・レザーに着替えてから、街を徘徊しだす。

「ふふん。ディスクをつけると、すぐ立ちやがる。待ってろよ。すぐに獲物を見つけてやるからな」



 深夜の三角公園は、セキュリティの警備対象から外れていた。ベンチに大男が身を屈めている。都会の明るさは、満月光を目立たなくするほど。モヒカンがマッチョ・ボディを近づけていく。筋肉膨れした上半身は剥きだしのまま。右肩に手をかけて、力強く振り向かせようとする。

「よぅ。お兄さん。男と一発、強烈なプレイをやろうじゃないか。はっ!」

 笑いを含ませた渋声も、驚愕につまる。牛尾の顔が、日高を睨みあげていた。哀しみを湛えた表情だ。うっすらとした涙を、街灯が照らしている。

「俺も焼きが回ったもんだな。同僚を漁ってしまうなんて」

「モヒカンの正体は、日高さんだったのか。モヒカンが活動していた日と、あんたの非番の日は一致していたもんな。まさかとは思ったが、信じたくなかったよ」

「やっぱり、気がついていたのか」

「なんで、こんなことを……」

「いつ頃からか。世間からノケモノ扱いされていることに嫌気がさしたのが、事の始まりさ。セキュリティでは能無し呼ばわりだし、三十過ぎて何も楽しみもない自分に気づいたとき、落ちこむ一方だったよ。だから、自分を磨くつもりでボディービルを始めたのさ」

「自分が逞しくなると、自分に自信がついてきてね。すると、今まで隠してきた男への欲求が頭をもたげてきた。それまで行く勇気もなかった、男好きの集まる場所へ足も運んだ。しかし、そこでも俺はノケモノ扱いだった。だから、こうして男漁りを続けていたのさ。これより他に、俺の欲望を充たすものは無いじゃないか!」

「馬鹿だよ、日高さん。こんなことで、一生を棒にふるなんて」

「あぁ、俺は馬鹿さ。上司の言いなりになって、左遷だからな。お笑いぐさだよ」

「少なくとも、俺も風間も、あんたをノケモノなんて思ってなかった!」

「これで俺は終わるだろう。だが、俺の欲望は止められない! 爆発寸前だ! 俺とデュエルをしてもらう。俺が勝てば喰わしてもらうぜ!」

「いいぜ。ただし、俺が勝てば、自首してもらうからな」



『デュエル!』



【1ターン目:日高】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

「俺の先攻、ドロー。《ガチムチ・エンジェル:攻撃力2300・Lv4》を召喚するぞ。カードを2枚セットして、ターンエンド」

 白人の筋肉男が飛んできた。裸体を夜闇中で輝かせている。攻撃力は高めであるが、ダメージを与えられない特殊能力を有している。相手ライフを回復させるも、使い方次第で化けるだろう。牛尾は覚悟を固めて、身構える。



【2ターン目:牛尾】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
日高:《ガチムチ・エンジェル:攻撃力2300・Lv4》が攻撃表示。魔法&罠ゾーンにカードを2枚セットしている。


「俺のターン、ドロー。《切り込み隊長:攻撃力1200》を召喚する。こいつの召喚により、《共闘するランドスターの剣士:攻撃力500・Lv3》を手札から特殊召喚!」

「レベル3《切り込み隊長》に、レベル3《共闘するランドスターの剣士》をチューニング!」

「秩序と法の守護者よ! 世を乱す悪を縛り、弱者を守っていこうぜ! シンクロ召喚! 《ゴヨウ・ガーディアン:攻撃力2800・Lv6》!」


「《ゴヨウ・ガーディアン》で《ガチムチ・エンジェル》を攻撃する。ゴヨウ・ラリアット!」

「《ガチムチ・エンジェル》を縛らせない。罠カード《男の魅惑-ケツの中で小便》を発動。その攻撃自体を無効にする。《ゴヨウ・ガーディアン》のパワー分だけ、あんたのライフを回復する」

「ここで永続罠《シモッチによる副作用》を発動だ。ライフを回復効果は反転させられる。《男の魅惑-ケツの中で小便》でダメージを受けてもらう」

「さすがは、日高さんだ。カードを1枚セットして、ターンエンド」

 《ゴヨウ・ガーディアン》のラリアットも通じず。《ガチムチ・エンジェル》に背後から抱きつかれてしまった。とんでもない惨劇になっている。ライフを1200ポイントまで、ごっそり奪われた。さすがは、プロ相手に連戦連勝している実力者だ。



【3ターン目:日高】LP4000、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
日高:《ガチムチ・エンジェル:攻撃力2300・Lv4》が攻撃表示。永続罠《シモッチによる副作用》が発動中。

牛尾:《ゴヨウ・ガーディアン:攻撃力2800・Lv6》が攻撃表示。魔法&罠ゾーンにカードを1枚セットしている。


「俺のターン、ドロー。魔法カード《ソウルテイカー》を発動。《ゴヨウ・ガーディアン》を破壊して、相手ライフを1000ポイント回復する。《シモッチによる副作用》を忘れるなよ!」

「これで、あんたのフィールドは空いた。《ガチムチ・エンジェル》でダイレクト・アタック!」

 《ゴヨウ・ガーディアン》は潰された。牛尾のライフは200ポイントのみ。《ガチムチ・エンジェル》はバトルダメージを与えず、その数値分だけ回復させる。《シモッチによる副作用》が表側表示なので、それもダメージへ戻ってしまうが。マッチョボディの抱擁が迫ってくるも、次元渦が発生して止められた。牛尾はトラップをリバースさせている。

「カウンター罠《攻撃の無力化》を発動した。その攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了!」

「粘るじゃねぇか。モンスター1体を裏守備表示でセット。カードを1枚セットして、ターンエンド」



【4ターン目:牛尾】LP200、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
日高:《ガチムチ・エンジェル:攻撃力2300・Lv4》が攻撃表示。モンスター1体が裏側守備表示でセットされている。永続罠《シモッチによる副作用》が発動中。魔法&罠ゾーンにカードを1枚セットしている。

牛尾:無し。


「俺のターン、ドロー」

「罠カード《男の魅惑-俺が一番セクシー》を発動。《ガチムチ・エンジェル》の攻撃力分だけ、相手ライフを回復させる。むろん、《シモッチによる副作用》によって、ダメージとなるがな」

「このカードをドローとは、運がいいぜ。手札から速攻魔法《サイクロン》を発動。《シモッチによる副作用》を破壊する。シモッチ・タクティクスの弱点だ。《男の魅惑-俺が一番セクシー》で、ライフを回復させてもらうぜ!」

「はははっ! やるな牛尾さん!」

「簡単には、負けませんよ」

「モンスター1体を裏守備表示でセット。カードを1枚セットして、ターンエンド」

 《ガチムチ・エンジェル》がボディビルダーのようにポーズを決めて、牛尾はライフ2500ポイントまで回復していく。牛尾にも、日高にも悲壮さは消えている。モヒカンとしての欲望すらも。仲間同士の楽しいデュエルへと変わっているようだ。



【5ターン目:日高】LP4000、ドローフェイズ後の手札2枚

(フィールド)
日高:《ガチムチ・エンジェル:攻撃力2300・Lv4》が攻撃表示。モンスター1体が裏側守備表示でセットされている。

牛尾:モンスター1体が裏側守備表示でセットされている。魔法&罠ゾーンにカードを1枚セットしている。


「俺のターン、ドロー。《ガチムチ・エンジェル》でセットモンスターを攻撃する」

「《ヘル・セキュリティ》が戦闘破壊された。レベル1の悪魔族を呼ぶ。《ヘル・セキュリティ:守備力600・Lv1・チューナー》をデッキから特殊召喚!」

「カードを1枚セットして、ターンエンドだ」

 小型の警察悪魔が、赤色灯を瞬かせながら飛んできた。警棒と無線機を振りかざしている。戦闘破壊されても、同胞を呼びこめるポリス・モンスター。日高は手札確認をして、《オネスト》へと視線を落とす。《ガチムチ・エンジェル》は光属性なので、コンボを狙えるはず。牛尾が何かを仕掛けても、返り討ちにできる。



【6ターン目:牛尾】LP2500、ドローフェイズ後の手札2枚

(フィールド)
日高:《ガチムチ・エンジェル:攻撃力2300・Lv4》が攻撃表示。モンスター1体が裏側守備表示でセットされている。魔法&罠ゾーンにカードを1枚セットしている。

牛尾:《ヘル・セキュリティ:守備力600・Lv1・チューナー》が守備表示。魔法&罠ゾーンにカードを1枚セットしている。


「俺のターン、ドロー」

「永続罠《シモッチによる副作用》を発動! 《ガチムチ・エンジェル》でダメージを与えられる」

「ふははっ! 日高さん。《オネスト》辺りが来ているでしょ?」

「分かるのか?」

「何年のつきあいだと思っているのですか。丸分かりですよ。魔法カード《手札抹殺》を発動する。互いのプレイヤーは手札全てを捨て、その枚数分だけドロー!」

「《オネスト》を捨てるのは痛いが、《男の魅惑-俺が一番セクシー》を引いたよ。このターンで勝たなければ、牛尾さんの不利になるぜ」

「自分の手札を教えるのはいけねぇなぁ。《サムライソード・バロン:攻撃力1600・Lv4》を召喚する。特殊効果を発動して、そのセットモンスターを攻撃表示に変更する」

 《サムライソード・バロン》の必殺剣を受けて、《ガチムチ・ヌーディスト:攻撃力0・Lv4》が守備体勢から起きあがる。青髪の筋肉質な美青年だ。こちらはビキニすらも身に着けてない。生まれたままの姿を晒している。薔薇を咥えて、ぎりぎりなポーズを取りだす。


「レベル4《サムライソード・バロン》に、レベル1《ヘル・セキュリティ》をチューニング! 《ヘル・ツイン・コップ:攻撃力2200・Lv5》をシンクロ召喚!」

「《ヘル・ツイン・コップ》で《ガチムチ・ヌーディスト》を攻撃する。こいつが戦闘破壊に成功すれば、800ポイントのパワーアップ状態で追加攻撃できる。《ガチムチ・エンジェル》も逮捕だ」

双頭のライダー・ポリスが、オラオラァとバイクをぶっとばす。《ガチムチ・ヌーディスト》を追い回したあげく、ペチャンコにする。3000ポイントのパワーをもって、《ガチムチ・エンジェル》にも法定速度無視の体当たり。とんだ悪魔警官だ。《ガチムチ》どもを戦闘破壊されてしまい、日高のライフは1100ポイントまで追いこまれる。

「なんの、これしき!」

「永続罠《リビングデッドの呼び声》を発動する。《ゴヨウ・ガーディアン:攻撃力2800・Lv6》を復活させて、ダイレクト・アタック!」

 ゴヨウ・ラリアットを叩きこまれて、モヒカンこと日高良慈は敗れた。



「強くなったじゃねぇか。負けちまったぜ。約束どおり、自首するよ」

 セキュリティー本部へ足を向けて、日高良慈は歩みだす。牛尾哲が背中へ思いをぶつける。

「最後に言わせてくれ。あんたは、まだ終わっちゃいねぇっ! 俺も風間もいる!」



「牛尾のヤツ、かなり落ちこんでいたよな」

「無理もない。友が犯人だったから。それでも、牛尾は仲間を信じている」

 クロウの言葉に、遊星が答えた。彼らは打ち合わせをするため、ガレージに集っている。ジャックはデュエル雑誌を眺めていた。突然にして叫びだす。

「何だとっ⁉」

「どうした、ジャック?」

「阿部鷹和がジャンから誘いを受けて、チーム・ユニコーンの技術スタッフとして雇われたそうだ」

「ジャックを翻弄した決闘者か?」

「それほどの実力者が、ユニコーンについたのか。こいつは手強くなりそうだぜ」





【終了】




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。