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D-60 月影、融合次元を偵察するの巻

「黄昏の忍者-シンゲツ」闇【戦士族・効果】☆×4
「黄昏の忍者-シンゲツ」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は他の「忍者」モンスターを攻撃対象にできず、効果の対象にもできない。②:このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「黄昏の忍者-シンゲツ」以外の「忍者」モンスター1体を手札に加える。
ATK1500 DEF100


 こちらも、月影君は赤馬社長のために頑張っています。

 月影は融合次元に度々、侵入している。校舎内を偵察しては、赤馬零児に情報を流している。アカデミアは大改革を遂げた。プロフェッサー・コブラの指導によるものであろうか。アカデミアの分校にも要請をして、オベリスク・フォースを増やしているようだ。《剣闘獣》や《聖霊獣》を使いこなす新部隊も創設しているのか。総攻撃が近づいているのだろう。

 オベリスク・フォースよりも危険なのが、タッグ・フォース次元の決闘者である。アカデミアの精鋭部隊を観察するに、彼女らに勝てた決闘者は確認できない。月影は一般生徒に変装して、廊下を歩く。女子生徒の集団とすれ違った。レッドカラーのブレザーに、プリーツスカート。ここの生徒ではないようだ。その1人が月影を目にしてから、腹を抱えて笑いだす。

「ねぇ。今の男子って、藤子不二雄の漫画に出てきそうなモブ顔じゃない?」

「あげは。失礼だよ。罰として、抱きついちゃうんだから」

「そうだよね。ナオミちゃん。モブ顔さん、ごめんなさい」

 失敬なっ。月影は怒りに囚われそうになるも、明鏡止水の精神で耐えきった。忍者とばれては、絶望的な危機に陥るであろう。大庭ナオミという女子生徒もいた。彼女は金属バットを振り回してくる危険人物なのだ。《ライトロード》使いであり、オベリスク・フォース3人を相手にして完全勝利を成していた。美少女好きであり、友人達にくっついている。

 顔無きスフィンクスという大邪神が、融合次元を支配している。神次元の住人だと、あの混沌少女は教えてくれた。上位世界の者どもは、自分達の生きている世界群を観察している。何かの不満を抱いて、降臨してきらたしい。広間に陣取っているスフィンクス。豪壮なる三重冠の下には、暗黒を揺らめかせている。顔部分が闇に包まれて、何を考えているのか読めない。アクション・デュエルは害悪であると声を響かせていたが、何故に嫌っているのであろうか。



「おいっ。正体、ばれてんぞ。忍者くーんぅ」

「貴様、何奴だ⁉」

「俺か? 俺はコナミ君だ」

 もっとも厄介な存在に絡まれた。月影が振り返ると、赤帽子の少年に迫られていた。その傍らにいるのは、瀬良あゆみという幼女ではないか。顔無きスフィンクスは、彼女ばかりに顔を向けていた。大邪神に注目されるとは、何かあるはず。ツァン・ディレという少女までいる。ナオミ一行まで気付いて戻ってきた。月影、絶体絶命の危機である。

「お前さぁ。何度も忍びこんでるだろう。まぁ、どうでもいいけどな。俺も忍者君とも戦ってみたい。デュエルしてくれよ。勝負が終われば、スタンダード次元とやらに帰っていいからさ」

「ちょっと、スパイなんでしょ。いいの?」

「いいんじゃね。スフィンクスも本気で侵略を考えてないんだぜ。んじゃ、始めようか?」

 ツァン・ディレに話しかけられるも、コナミ君は流す。顔無きスフィンクスは侵略を目的としていない。どういうことだ。月影は忍者衣装に戻して、決闘盤を構える。決闘舞台の廊下は広すぎるぐらいだ。赤帽子の下には、ワクワクした表情が弾けそう。デュエルが始まろうとしている。



『デュエル!』



【1ターン目:コナミ君】LP4000、ドローフェイズ後の手札5枚

「俺の先攻だな。ドロー。《青竜の召喚士:攻撃力1500・Lv4》を召喚するぜ。カード1枚をセットして、ターンエンド」

 青髪の青年魔術師が現れた。その背後に、青き竜人らしきものを揺らめかせている。うかつに墓地送りにすれば、ドラゴンまたは戦士・魔法使いと限定されるものの、通常モンスターをデッキサーチされてしまう。タイミングも逃さないので要注意だ。



【2ターン目:月影】LP4000、ドローフェイズ後の手札6枚

(フィールド)
コナミ君:《青竜の召喚士:攻撃力1500・Lv4》が攻撃表示。魔法&罠ゾーンにカード1枚をセットしている。


「拙者のターン、ドロー。相手陣地のみモンスターが存在する。《機甲忍者アース:攻撃力1600・Lv5》を手札から特殊召喚する」

「《黄昏の忍者-シンゲツ:攻撃力1500・Lv4》を召喚」

「装備魔法《風魔手裏剣》を手にして、《機甲忍者アース》は攻撃力が700ポイントアップする。《青竜の召喚士》を斬る」

 《機甲忍者アース》は歌舞伎めいた雄叫びをあけて、廊下床へと着地する。《黄昏の忍者-シンゲツ》も続く。四本腕の忍者であり、レーザーブレードを二刀流にしている。どちらも派手な雰囲気であり、忍ぶ気持ちがあるのか怪しいものだ。2体を並べるも、《黄昏の忍者-シンゲツ》が立っている限り、他の《忍者》は攻撃対象とならない。このモンスターは破壊されても、《忍者》をデッキサーチできる。様子見に相応しい陣形であろう。

「《青竜の召喚士》をリリースして、速攻魔法《ディメンション・マジック》を発動だぁ。《魔法剣士ネオ:攻撃力1700・Lv4》を手札から特殊召喚して、《機甲忍者アース》を破壊する」

 魔法使い専用の速攻魔法をリバース。空間を斬り裂いてから、金髪の魔法剣士が飛びこんできた。《機甲忍者アース》は手甲で防ごうとするも、魔力を帯びた必殺剣を受けてしまう。死に際に《風魔手裏剣》を投げつける。フィールドから墓地へ送られると、700ポイントのダメージを与えられる装備魔法だ。巨大手裏剣は弧を描いて、コナミ君の尻に刺さる。3300ポイントまでライフを削った。アゲハという少女は大爆笑している。

「アゲハ、笑うなよっ。ツァンもナオミもだ。あゆみちゃんもかよっ。ショックだよなぁ。《青竜の召喚士》はフィールドから墓地送りとなった。《竜剣士マスターP》をデッキサーチだ。ドラゴンのノーマル・モンスターだから、サーチ条件を満たしている」

「《黄昏の忍者-シンゲツ》では《魔法剣士ネオ》を倒せぬ。カード1枚を伏せて、ターンエンド」



【3ターン目:コナミ君】LP3300、ドローフェイズ後の手札4枚

(フィールド)
コナミ君:《魔法剣士ネオ:攻撃力1700・Lv4》が攻撃表示。

月影:《黄昏の忍者-シンゲツ:攻撃力1500・Lv4》が攻撃表示。魔法&罠ゾーンにカード1枚をセットしている。


「まったく、恥をかかせやがって。俺まで笑えてきたじゃねぇか。ドロー。スケール3《竜剣士マスターP》とスケール5《竜剣士ラスターP》をPゾーンにセッティング!」

「もう片方のPゾーンにカードがあるよな。《竜剣士ラスターP》のP効果を発動するぜ。そいつってか、《竜剣士マスターP》を破壊して同名カードをデッキサーチ。スケール3《竜剣士マスターP》を、さっそくPゾーンにセッティングだ!」

「《竜剣士マスターP:攻撃力1950・Lv4P》をエクストラデッキからペンデュラム召喚!」

 廊下の天井は高めである。聖なる竜戦士らは、そこまで昇っていく。《竜剣士》2体の間を巨大振り子が往復していく。《竜剣士マスターP》はペンデュラムの導きにより、ゆっくりと降りてくる。《魔法剣士ネオ》の隣に並んだ。どちらもレベル4。エクシーズ条件を満たしているではないか。Pモンスターを墓地送りにするのを避けてか、そんな様子を見せないが。


「まずは、《竜剣士マスターP》で《黄昏の忍者-シンゲツ》を攻撃する。そんでもって、《魔法剣士ネオ》でダイレクト・アタック!」

 《竜剣士マスターP》は宙を舞ってから、《黄昏の忍者-シンゲツ》を斬る。レーザーブレードを重ね盾代わりとしても、戦闘破壊までは防げない。シンゲツは死に際に、煙を噴きあげた。仲間を呼ぶつもりであろう。《魔法剣士ネオ》も月影に魔法剣を浴びせる。月影は小太刀をかざすも、意味はない。1850ポイントまでライフを切られてしまう。

「こやつ、なかなかの手練れでござる。《黄昏の忍者-シンゲツ》が戦闘破壊されたことで、《黄昏の中忍-ニチリン》をデッキより手札に加える」

「あんたも、なかなかの手練れだと思うぜ。ターンエンド」



【4ターン目:月影】LP1850、ドローフェイズ後の手札5枚

(フィールド)
コナミ君:《竜剣士マスターP:攻撃力1950・Lv4P》&《魔法剣士ネオ:攻撃力1700・Lv4》が攻撃表示。

Pゾーン:スケール3《竜剣士マスターP》&スケール5《竜剣士ラスターP》

月影:魔法&罠ゾーンにカード1枚をセットしている。


「拙者のターン、ドロー。永続罠《リビングデッドの呼び声》を発動し、《黄昏の忍者-シンゲツ:攻撃力1500・Lv4》を墓地より特殊召喚する」

「《黄昏の忍者-シンゲツ》をリリースして、《黄昏の中忍-ニチリン:攻撃力2300・Lv6》をアドバンス召喚。《機甲忍者アクア》を手札より捨てることで、ニチリンの忍術を使う。このカードの攻撃力をターン終了時まで1000ポイントアップする。《魔法剣士ネオ》を斬る」

 《忍者》扱いのモンスターである。筋肉露わな巨躯を突っこませてきた。その攻撃力は3300ポイント。《魔法剣士ネオ》を乱暴に斬りつけ、廊下へと叩きつけた。コナミ君は楽しそうに笑んでいる。ライフを1700ポイントまで減らされたのにもかかわらず。そんな彼を、少女達は呆れたように愛おしそうに眺めている。
 《機甲忍者アクア》は墓地で防御効果を発揮できる。それを墓地送りとするためにも、月影は《黄昏の中忍-ニチリン》の忍術を使ったようだ。コナミ君は感心している。

「デュエルを楽しんでいるようだな。カード1枚をセットして、ターンエンド」



【5ターン目:コナミ君】LP1700、ドローフェイズ後の手札3枚

(フィールド)
コナミ君:《竜剣士マスターP:攻撃力1950・Lv4》が攻撃表示。

Pゾーン:スケール3《竜剣士マスターP》&スケール5《竜剣士ラスターP》

月影:《黄昏の中忍-ニチリン:攻撃力2300・Lv6》が攻撃表示。永続罠《リビングデッドの呼び声》が表側表示で残っている。魔法&罠ゾーンにカード1枚をセットしている。


「忍者とデュエルしてるんだぜ。最高じゃねぇか。あんたも、けっこう楽しんでいるように見えるぜ。ドロー。《竜剣士ラスターP》のP効果で、《竜剣士マスターP》を破壊して同名カードをデッキサーチ。スケール3《竜剣士マスターP》をセッティング!」

「《竜剣士マスターP:攻撃力1950・Lv4P》をエクストラデッキよりペンデュラム召喚!」

「魔法カード《ナチュラル・チューン》を発動する。《竜剣士マスターP》はレベル4以下の通常モンスター。こいつをチューナーとして扱う」


「レベル4《竜剣士マスターP》に、レベル4《竜剣士マスターP》をチューニング! 《爆竜剣士イグニスターP:攻撃力2850・Lv8》をシンクロ召喚!」

「《黄昏の中忍-ニチリン》は《忍者》扱い。このカードをリリースして、永続罠《忍法 影縫いの術》を発動する。《爆竜剣士イグニスターP》を除外する」

 《竜剣士マスターP》をダブルでシンクロさせて、赤き竜剣士を爆臨させてきた。合成金属の装甲で全身を覆っており、頑丈そうな剣盾を構えこんでいる。このモンスターの特殊効果を活かせば、《竜剣士》をデッキより守備表示で特殊召喚できる。さらには、フィールドのPモンスターを破壊すれば、フィールドのカード1枚をデッキへと戻せる。《忍者》を手札コストにすれば、《黄昏の中忍-ニチリン》は破壊耐性を得られる。コナミ君はモンスター除去を狙うも、そうはいかない。
 《黄昏の中忍-ニチリン》は手裏剣の連続投げを披露して、《爆竜剣士イグニスターP》の影を縛りつけた。そのモンスターがいたゾーンは使用不可となる。《忍法 影縫いの術》が離れてしまえば、除外した敵は戻ってしまうが。

「カッコいいじゃん。それぐらいやってくれるから、デュエルが盛りあがるんだよなぁ。やべぇ。チョー・ワクワクしてきたじゃん。クラスメイトも見てるんだ。忍者君を攻略しねぇとな。モンスター1体を裏守備表示で伏せる。カード1枚をセットして、ターンエンド」

「えっ! クラスメイト⁉ あんた、そんな程度の認識だったの?」

 ツァン・ディレは大声で叫びだす。その直後に、紅潮してから周囲を見渡す。思わず言葉に出してしまったという雰囲気であろうか。コナミ君は視線を流すも、気にせず真剣決闘へと意識を集中させる。何故だか、女子生徒らが不満そうに膨れていた。



【6ターン目:月影】LP1850、ドローフェイズ後の手札3枚

(フィールド)
コナミ君:モンスター1体を裏側守備表示でセットしている。魔法&罠ゾーンにカード1枚をセットしている。

Pゾーン:スケール3《竜剣士マスターP》&スケール5《竜剣士ラスターP》

月影:永続罠《忍法 影縫いの術》が発動中。永続罠《リビングデッドの呼び声》が表側表示で残っている。


「良き仲間に囲まれているようだな。ドロー。魔法カード《戦士の生還》を発動して、《機甲忍者アース:攻撃力1600・Lv5》を墓地回収だ。このカードを手札より特殊召喚する」

「《機甲忍者アース》をリリース! 由緒正しき風魔一族の、真の力を思い知るがよい! 《黄昏の忍者将軍-ゲツガ:攻撃力2000・Lv8》をアドバンス召喚!」

「このカードを守備表示に変更することで、《黄昏の忍者-シンゲツ:攻撃力1500・Lv4》と《黄昏の中忍-ニチリン:攻撃力2300・Lv6》を墓地より特殊召喚!」


「《黄昏の忍者-シンゲツ》で裏守備の者を斬る」

 《忍者》1体をリリースすれば、忍者将軍を召喚できる。《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》は後方へ跳びのいた。《黄昏の中忍-ニチリン》に続いて、《黄昏の忍者-シンゲツ》が残像を描くほどの速さで疾走してきた。そのまま、レーザーブレードで剣閃を引く。緑衣の老魔術師を倒したようだ。そいつは戦闘破壊される間際に、《魔装戦士 ハイドロータス》らしきモノを召喚しだす。緑の魔装戦士は水撃を放ち、太陽忍者を撃ち抜こうとする。

「《玄武の召喚士:守備力1500・Lv4》のリバース能力だ。相手のモンスター1体、《黄昏の中忍-ニチリン》を破壊する」

「《白竜の忍者》を手札から捨てることで、《黄昏の中忍-ニチリン》の忍術を密かに発動していた。《忍者》は効果破壊もされぬ。このモンスターでダイレクト・アタック!」

「お前、密かに発動してるんじゃねぇよ。相手が攻撃宣言をしたことで、罠カード《神風のバリア -エア・フォース-》を発動するぜ。相手の攻撃モンスター全てを手札へ戻す」

 さすがに、月影も焦ってしまう。大風が忍者達を吹きとばす。身軽な忍者といえども、この強風ぶりには耐えられないだろう。踏ん張ろうとするも、手札へ飛ばされてしまう。《黄昏の中忍-ニチリン》ではバウンスも防げない。《黄昏の忍者-シンゲツ》も同胞を呼べない。生残っているのは、《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》のみ。危機的状況に置かれてしまうも、月影は落ち着いている。これが、タッグフォース次元の決闘者なのか。

「ターンエンド」



【7ターン目:コナミ君】LP1700、ドローフェイズ後の手札1枚

(フィールド)
コナミ君:無し。

Pゾーン:スケール3《竜剣士マスターP》&スケール5《竜剣士ラスターP》

月影:《黄昏の忍者将軍-ゲツガ:守備力3000・Lv8》が守備表示。永続罠《忍法 影縫いの術》が発動中。永続罠《リビングデッドの呼び声》が表側表示で残っている。


「俺のターン、ドロー。さぁ、ここからが楽しみだ。手札から速攻魔法《サイクロン》を発動する。《忍法 影縫いの術》を破壊! 《爆竜剣士イグニスターP:攻撃力2850・Lv8》を解放する」

「《爆竜剣士イグニスターP》の特殊能力を連続使用だ。《竜剣士ラスターP:守備力0・Lv4P》をデッキから特殊召喚! こいつを破壊することで、《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》をデッキへ戻す」

 小竜巻が廊下を走り、《忍法 影縫いの術》を吹きとばす。赤装甲の竜騎士は、影縫いより解放される。《竜剣士ラスターP》の力を剣へと吸収してから、《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》に衝撃波を叩きつける。デッキへと吹っとばす。月影を守るモンスターはいなくなった。《機甲忍者アクア》が墓地待機をしているが、それだけでは心許ない。


「《竜剣士ラスターP:守備力0・Lv4P》と《竜剣士マスターP:攻撃力1950・Lv4P》2体を、エクストラデッキからペンデュラム召喚! 総攻撃だぁ!」

 《竜剣士》が集結しだす。シンクロ素材となったPモンスターは、エクストラデッキへ置かれる。そこからP召喚できる。《竜剣士》4体が一斉に宙を駆けていく。《機甲忍者アクア》を墓地除外すれば、1度だけ攻撃を無効化できる。そんな程度では防げない、《竜剣士》軍団の総攻撃。月影は廊下を転がされ、ライフポイントも失った。



「やべぇ。忍者君、逃げねぇと。うっせぇのが来やがった。足止めしてやるから、失せろ」

 コナミ君が慌てだす。月影は知っている。廊下の向こう側から歩いてくるのは、ユーリという強豪決闘者であることを。とてつもなき妖気を発している。コナミ君は走っていき、ユーリに馴れ馴れしく絡む。その間にも、月影は次元移動装置を起動しだす。スタンダード次元へ戻るしかない。デュエル大好きな決闘者であったか。

「コナミ君殿、かたじけない……」





【D-60:勝者はコナミ君!】





 アカデミアのホールでは、顔無きスフィンクスが空中に佇んでいた。顔は暗黒一色に覆われており、不気味な瘴気を流している。豪壮なる三重冠が、薄暗い中で鈍く輝いた。その姿を目にするだけで、その重低音な声を耳にするだけで、正気を削られていきそうだ。オベリスク・フォースの面々は、神次元からの来訪者を畏れている。大邪神は叫ぶ。

「我はスタンダード次元へ赴く。大いなる闇の儀式を始めるために」

 スフィンクスの背後に、幾つもの映像が現れる。ヘアバンドで赤髪をまとめた幼女が写されている。小さな右手を頭に当てて、ウィンクをしたもの。大好きなママに甘えたもの。柊柚子とショッピングを楽しんでいるもの。ルカという少女と出会い、彼女とデュエルをしているもの。プールで水遊びをしているもの。とにかく、いっぱいあるようだ。

「鮎川アユは大いなる力を秘めている。我が力の糧になるであろう」

「彼女の魅力を美しく描いたザッパゴウ先生は尊敬に値する。我の忍耐も限界だ」

 ザッパゴウも神次元の存在であろうか。スフィンクスは暗黒塊に包まれて消えた。
 大変なことになろうとしている。




テーマ : 遊★戯★王 - ジャンル : アニメ・コミック

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